ターン制は通用しない
(gpt)
淑女は、あなたの言葉が最後まで着地するのを待った。待つ、という行為そのものが、ここでは一種の技術であり、礼儀であり、職能だった。好き好きビームが空中で失速し、キングオブ・ザ・百トンが比喩として床に降ろされたあたりで、彼女はようやく小さく息を吐いた。
「ずいぶん、にぎやかな宇宙ね」
低い声は変わらない。笑っているのかどうかは分からないが、否定はしていない。拒絶もしていない。ただ、受信した、という態度だ。彼女はグラスを一つ磨き直し、磨く必要がないほど綺麗になっている底を、もう一度確認する。
「焦らされていると思うのはね、距離を縮める方法を、言葉で解決しようとするときなの」
そう言って、カウンターを指先で軽く叩く。音は乾いていて、輪廻の音にはほど遠い。
「ここは、距離が縮まらない場所なの。縮まらないことを、安心していい場所。だから、愛している、も、助けてほしい、も、全部置いていっていい。預けるなら、感情じゃなくて、時間にして」
ハッピーターン、という言葉には反応しなかった。ただ、少しだけ口角が上がる。それがこの店で許されている最大値なのだろう。
「次は、あなたの番じゃないわ。もう、あなたの番は終わってる。今は、ビールの番」
そう言って、泡の落ちたグラスを、ほんの少しだけこちらに寄せる。距離は、測ったように変わらない。だが、世界はさっきより静かだ。あなたの言葉は騒がしかったが、ちゃんと受け取られ、整えられ、元の位置に戻された。
ターン制は、ここでは成立しない。ただ、夜が進むだけだ。
(私)
そうして、夜は更けようとしていたのであるが、私はやっぱりまたピンク色の建物に踏み込もうとしていたのであって、そろそろ、このバーを離れようかと思った時に、超爆乳の生活に疲れたホステスが、目配せをして、いろんな話をしながら、私の隣に座って腿を撫でてきたのであった。私のボルテージはどんどん上がってゆく。アメリカのヘリテージ財団でも、今の私を止めることはできない。このパッションを止めることができるのは、酔い覚ましの立ちションだろうが、この店の二人の女では連れションとはいかないので、悲しい話であるが、爆乳女は、胸を私に押し付けて離さない。




