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百物語が終わる迄  作者: 藤田 一十三
第十二巡 哀れ
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第六十六話 森山 二度の死

 親戚の法事の時に聞いた話です。

 祖父の弟の法事で、祖父が高齢だったんで一緒について行ったんです。父の従弟とか自分のはとことかもいたのかな。祖父が死んでから縁がなくなったんだけども。

親戚関係がよくわからなかったけど、多分、父の従兄弟とその娘さんの話なんだと思います。

その娘さん、お嫁に行って何年も経たないうちに急死しちゃったんだそうです。事故で、即死だったそうです。

 子供はいなかったけど、すごく仲のいい夫婦だったから後追いするかもしれないって、皆で旦那さんの様子に気を付けていたんだそうですよ。

 父の従兄弟も、悲しみながらも娘婿の様子をちょくちょく見に行って。で、なんだかんだと四十九日が過ぎて、過ぎて、どうも、おかしいって、皆思い始めた。

 やつれていくのは、まあ、一時的にありえることだけど。

 その娘婿、メモを片手に近所のスーパーにいたりする。で、食べ物買って帰って、調理している。

 でも、嫁さんが専業主婦だったし、旦那さんは実家でも母親につくってもらってて、そのまま結婚して家出たから、料理なんてろくにできないはずだった。まあ、考えを改めたのかもしれないけど、皆はこれはおかしい、と、相談するのに集まった。

そうしたら、平屋の借家で少ない部屋数しかないのに、ある一室だけは決して覗かせないってことがわかった。

もしかしたら・・・・・・? て、色々、ね。もう、女囲って隠してるのかも? て。

 で、娘婿の様子を、一人で、見に行ったんだそうです。父の従兄弟がね。

 しんみりと娘を懐かしみつつ一緒に飲んで。で、娘婿が席を外した隙に、噂の部屋、人が集まる部屋のすぐ隣りの部屋のふすまをを開けた。

 夫婦の寝室だった部屋。そこに、いたんだそうです。

 部屋の隅に、ひざをかかえて。死んだはずの娘さんが。

 ちゃんと、遺体も見たし、火葬前に最期の別れもして、その棺が焼かれて、焼きあがったお骨を骨壷に入れたはずなのに。

娘さんは、身を縮めて、怯えた様子でお父さんを見ていたんだそうです。

 なんでまだこんなところにいるんだ!? て、尋ねても、身を遠ざけようと狭い部屋を逃げるだけ。そこに、娘婿が戻って来て、舅を追い返そうとする。

 もう、酔ってたしね。

 それでも、もう娘は死んでいて、ここにいてはいけないんだって、認識していた。

 娘婿と争いながら台所に行って、包丁取って来て、更に争いながら寝室に向かって。

 この頃には、騒ぎを聞きつけて近所の人がドア越しに声をかけてきたり、カーテンの向こうに人影が見えたりしていたらしい。どうしたんだ!? て声に、娘がいる、ちゃんと死なせてやる! とか、返してたんだって。

 これはただごとじゃないってんで、窓割って入って来た人もいて。でも、そのときにはもう、逃げ回る娘を追い詰めていた。

 娘婿を殴り倒して、隅に追い詰めた娘を、包丁で刺した。

 こんなとこいちゃ駄目だ、奴のことは心配すんなまかせろって。成仏してくれって。

 悲鳴の形に口を開けて、娘さんは、消えたそうです。

 近所中で大騒ぎになって。

けど、死体ないし、窓割って入った人が死んだ奥さんだったって証言したんで、警察沙汰にもならなかったらしいです。

 結局、数ヵ月後に、旦那さんは後追いしちゃったんだそうです。

どうすべきだったんだろうって。お父さん、お仏壇拝んでました。


 語り終えると、語り部は一本の蝋燭の火を消した。


二日目の百物語は終了となります。

この後、終了後三話、三日目の開始前三話を挿入後、百物語を再開します。

この三話三話は、かなり長文になりましたが、削って削って削って、無理やり三話におさめました。

設定を作り込みすぎると、説明が長くなりすぎちゃうんですよね。でも説明しないとわかんないとこもあるしなあと。悩みます。


百物語のみをお楽しみの方は、しばしお休みになります。引き続きよろしくお願いいたします。

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