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百物語が終わる迄  作者: 藤田 一十三
第七巡 出るだけ
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第三十八話 田中 お葬式

話が短いので、今夜は二話更新します。田中第三十八話、羽生第三十九話の二話です。

 友人に聞いた話です。

 友人のひいおじいさんが亡くなった日、一家そろって遠い田舎に葬儀に出向いたんだそうです。

 昔からの住人はもうほとんどいなくて、親戚も彼らと、地元で跡を継いだ父方のお兄さんご夫妻がいるだけ。跡継ぎのお子さん方は多忙で来なかったそうです。同年代の方々はもう先にお墓に入っていたし、ひいおじいさんも最後は長く施設にいて。家族葬の静かなお葬式だったそうです。

 お通夜とお葬式と、火葬から納骨まで一日で終わらせるお葬式だったそうで、夜には友人一家は家に戻ったんだそうです。

 すると、玄関脇につながれていた飼い犬が、一家を威嚇して吠え出しました。

 しかも、犬は友人のお姉さんにかみつきそうな勢いで吠えていたんだそうです。

 しかたなく、お姉さんだけ門のところまで戻ると、ほかの家族は吠えられることなく玄関から入ることができました。

 その間も、犬はうなってお姉さんの方を見ています。

 どうしようか迷っているうちに、犬がお姉さんの少し隣りを見ていることに友人は気づいたんだそうです。

 それで、友人が門のところまで戻って、もらってきていた塩を追加でお姉さんにふりかけまくって、それからいっしょに玄関まで戻ると、今度は犬に吠えられなかったそうです。

犬は、ずっと門の脇を見ていたそうです。

 結局、犬は三日ほど眠りもせずに門を見つづけて、散歩に出る時や家族が門を通る時には必ず左の門柱の方を向いて吠えていたそうです。家族に何かを訴えるように門の方と家族に吠えたりしがみつくようにしてきたりもしていたそうです。

それで、お父さんが毎日塩とお酒を左の門柱付近にかけてみたんだそうです。

それで、三日目に犬がようやく静かに寝るようになって。以降は気にしなくなったそうです。

何か連れて帰ってくるってこと、やっぱりあるんですかね。


 語り終えると、語り部は一本の蝋燭の火を消した。


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