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百物語が終わる迄  作者: 藤田 一十三
第十四巡 出るだけ
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第七十三話 冬沙 ゲーム

 中学の時に、友達の家に泊まりに行ったときの話です。

 彼女、ゲームが大好きで。だからゲームで遊ぼうってことになったんですけれど、私はゲーム機を持っていなかったので、対戦ゲームとかも全然わからなくて。

それで『百物語』というお話のゲームをすることになったんです。

もらったはいいけど、一人じゃ怖くてできないでいたんだそうですよ。

 話の展開を選んで進めていくもので、間違えると会場から叩き出されたりお化けが出てきて胴上げされて天井ぶちぬいたり、よくわからないけどゲームオーバーになるんですね。真実味のある話からどこからどう聞いても嘘っぽい話まで、いろいろありました。

雰囲気を出すために部屋の明かりも点けずにやりました。目が悪くなるからやめようって言ったんですけれどねえ。テレビ画面だけゲームで明るい状態で。

 まあ、私は現実で慣れちゃっているせいか、暗くして映像や音で迫力をつけても、あまり怖いとは思えなかったのですけれど。

 友達が怖がりつつ楽しんでいたので、その様子を見て楽しんでいました。

 五話目くらいまでで何回も振り出しに戻っていたんですけれど、夜半過ぎになってうまく続いて、三十話目まで進んだのですが、そこで急に、ゲームが壊れてしまいました。

 ちょうど、幽霊が上目遣いにアップで画面に映っていて。下のところに台詞が出ているところでした。

『おまえを道連れにしてやる』という台詞でした。

 音楽が止まって、幽霊の台詞がテレビのスピーカーから聞こえてきました。画面に書いてある通り。低音の、恨み深げなどろ~っとした女の声で。

 そこで、ゲームが止まってしまったのです。コントローラーの何を押しても全然なんにも動きません。

 友達が言うには、ゲームどこまでやったのかをちゃんと保存する操作をしていなかったそうなんですね。このまま強制的に終わらせてしまったら、また一話目からやりなおさなくてはいけない。でも、三十話まで進めるのに、もう二時間以上かかっていたんですよ。それはやだね、ということで、更にボタン色々押したりケーブル類を押し込み直したり、二人でごそごそやっていましたら、急に、呼ばれたのです。

『神谷さん』と。

 窓の方から聞こえて、二人そろって振り返って。

 けど、その部屋は二階で、窓にベランダもないのです。カーテンは閉まっていました。隙間もありませんでした。

 二人で顔を見合わせて、確かに聞こえたよね、て確認していたら、また聞こえました。

 今度は『四谷さん』と。友達の名前です。

 そうしたら、急にゲーム機が動く音がしたのです。中に入れていたソフトが回転する音が。そして、テレビのスピーカーから声がしました。

『おまえをみちづれにしてやる~~~』って。

 二人で、悲鳴あげかけました。そこに、今度は窓から。『ひひひひひひひひ~~~~』て、ゲームと同じ女の笑い声がして。

 途端に、テレビの明かりが消えて、部屋が真っ暗になりました。明かりはもともと消していましたから、真っ暗。

 これには、さすがの私もびっくりして、友達と一緒に悲鳴をあげてしまいましたわ。

 きゃーきゃー言いながらも電気を点けて、ゲームのケーブルを全部抜いて、ソフト取り出して、ケースに戻して。

 あとはもう、部屋を飛び出して。二人で一階の神棚がある部屋に逃げ込んで、座布団を敷いて寝ました。

 友達は翌日、塩をまきながら部屋に戻ってゲームソフトを持ち出して、そのまま売りに行きました。

 友達の部屋でそんなことがあったのは、その時だけです。


 語り終えると、語り部は一本の蝋燭の火を消した。


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