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これは人生の仮タイトル  作者: モ虐
1."You walk down a stormy road and see the end of it."
7/44

3."The housemate appears."

今まで投稿していた分の後書きをいじっています。

サブタイトルの英訳、僕の英語力が怪しいため意図が伝わるか怪しいので(なら英語とかに手を出すなと言う話なんですが)一応日本語訳を表記することにしました。


各章の終わりごとに章タイトルも出すつもりです

 

 始業式も終わり、スマホでマップを見ながら家に帰った。

 自分の家、と言っても引っ越して数日だ。

 和也(父親)の都合で半年ほど前から引っ越しが決まっていたが東京に来たのは本当に最近だ。


 というのも僕の受験が終わる前に引っ越すと色々書類の手続きのめんどくささがある上に最後まで京都で過ごしたいだろうという和也の計らいでギリギリ京都までいたのだ。

 全く、東京に慣れていない。


「ただいま〜」

 家に帰ると、なぜか両親2人が僕を待ち構えていた。

祥子(しょうこ)? 和也(かずや)? どしたん急に」

 祥子、和也、と呼んでいるが普通に母親と父親だ。

 肉親であり育て親だ。ただ和也は僕をオタクにした男であり仲間であり、僕が舐めまくってるが父親で。

 祥子は、父親を和也と呼び出したのでその流れで祥子とよんでいるだけなのだが。

 見た目も歳の割にかなり若く見えるので外で話してたら多分年の離れた友達と勘違いされる。


「てか和也仕事は………あぁそうか今日は在宅ワークつってたっけ?でもこの感じはなんか変やな」

 和也の仕事は別にオフィスにいかないとできないわけでは無いので、オンライン会議やオンラインワークは基本的に認められており、超大事な会議でもなければ家にいていい。

 が、さすがに家に居っぱなしではなく月に5回は顔を出すというルールがあるためオフィス転勤したからには東京に引っ越す必要が出てきたのだ。

 だがここにいるということはつまり、今日はオフィスに行く気がないのだろう。

 転勤したばかりなのになかなかの度胸だなとは思うが。


「話あるけどその前に、今ここで話さなこのあとの雰囲気に流されて絶対忘れるから、これ渡しとくわ。

 引っ越し作業中に見つけたんやけどな、あげるわこれ」

 そう言って手渡された段ボールを開けながら、「明らかに大事な話やのにそういうの分でくるあたり和也って意味わからんよなぁ」と本音を漏らす。

「まぁ否定はせんとくわ。私も今現在進行系で思ってるし」と祥子が同感の意を口にしたところで段ボールの中身が見えてきた。


「服?」

 パーカーにtシャツ、コート、ズボンにマフラーなど様々な服が入っていて、その全てのタグにST●SSYと書かれている。

 多分、ブランドのやつだ。でも和也が持ってるってことはそんなに高価なブランドではないのかもと思ったが後で調べてみたらそこら辺の服よりは少しお高めであった。


「その服な、アイツが好きやったなぁ……」

「……?」

 なぜか珍しく感傷に浸っていた和也はほっといて、

「このヘッドホンは?」服のブランドがコラボしているタイプのやつなのだろうか。

 ST●SSYとしっかり書いてあるヘッドホンだ。

「あぁ、ST●SSYが出してたし俺が買ったけど使わんかったやつか。

 あげるわ。音質は保証する。それにほら、ヘッドホン欲しいって言ってたし出費抑えられたやん」


 軽く言ってるが多分まぁまぁレアなやつだ。

「和也〜、これワイヤレス?」

「うん。Bluetoothで動くから後でペアリングしとけ……あ、充電する?」

 といった和也の背中を祥子が思いっきり引っ叩いた。

「さっさと話すで。私なんで待たされてんの……」

 和也は祥子を見つめ、アイコンタクトでタイミングを計り、僕にこう伝えた。



「「うちに、家族が増えます」」



「和也、犬とか猫とか買うならせめて相談してよ

 犬種?ねこしゅ?………猫の場合何が正しいんやろ」

「一応、「猫種(びょうしゅ)」らしいけど「病種」って間違えられやすいから「猫種(ねこしゅ)」っていうこともあるんやって」

 明らかにググった知識が出てきた。

 これ猫だ。猫飼ったわ。ちなみに僕は犬派だけど、動物は動画で見るだけでいい。犬猫に嫌われる体質だから犬には目が合えば吠えられるし………猫には見るなり歯立てられるし………

「ありがとう祥子………で、猫はどこに?」



「…………私は人間なんやけどなぁ」



 里香が見えた気がするが、気のせいだろう。

 そんなはずがない。あり得ない。

 僕は頬を両手で3回ほど叩き、目を覚ましてからもう一度前を見る。

 僕が目をこすりもう一度叩こうとしたあたりで、

「このくだり2回目じゃない?」

 と里香が問いかけてくる。


「……本物かぁ……でもなんでうちに?」

 そもそも、同じ高校に里香がいる事自体が驚きなのだが、家に居候は聞いてない。

「いや、小林家は引っ越す予定あっただろうけど岸部家にはなかったから私は居候……」

「だからあの部屋空いてたのかぁ………」

 うちには一つ、謎の部屋があった。

『開けたら殺す』と書かれた段ボールが大量にある部屋があったのは里香の荷物を保管する部屋だったのだ。


「てなわけで、小林家の飼い犬でも飼い猫でもなく飼い人としてお世話になります」

「里香を飼うつもりはないよ?すぐにでも捨て人になる?」

 というと泣きながら殴りかかってきたのでしかたなく飼ってあげることになった。


「家賃は祥子ちゃんに払うからぁ……」

 とのことだ。


 まぁ部屋が同じになるわけでもないし、先月までも家は隣だったし家族同士の仲も良かったからどっちかの親がいない時に晩ご飯を一緒に食べることもまぁまぁな頻度であったため小林家+里香という構図は別に違和感はないのだ。


 京都から東京に、

 高校に入学して、

 里香が居候して、

 夏菜子はいない。


 完全に変わってしまった僕の日常生活が始まった。





第3話「居候、現る」



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