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これは人生の仮タイトル  作者: モ虐
1."You walk down a stormy road and see the end of it."
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1."First impressions matter, don't they?"

プロローグが終わり、5話から始めようかとも思ったのですが……

僕としては初めてでしょうか。章ごとに話数ナンバリングをリセットする方式で行こうかなと思います。

そうしたらその章ごとの話数とかがわかりやすいのかなとも思いますし全体の話数なら右上かどこかに出てますし。


 

 新学期。

 新生活。


 僕としては良好なスタートダッシュを切ろうと思ったものの、

 これは難しいのかもしれない。


 そもそも、僕の地元は京都でここは東京。

 正直受験した時に分かりきってはいたが知り合いなんて一人もいないのだ。

 僕の席は、窓際の一番後ろ。

 いわゆる主人公席というやつだ。隣の席に美少女が座ることなんてありえないし、そんなことがあったところでその美少女が僕と付き合うなんてありえないんだ。


 とりあえず、嫌な奴に目をつけられていじめられる事だけは避けないといけない。

 田舎者だとは思われたくない。できるだけ標準語を使う努力をすることにした。

 いじめられないように。目立たないように波風立てないように生きていこう。


「なぁ、同じクラスに可愛い子いるかな〜? 

 俺ら高校生だろ? 可愛い彼女つくりて〜」

「女のことしか考えてねぇのかよ……でも、確かこのクラスだと黒崎ってやつが可愛いって噂になってるらしいぞ。そいつ同じ中学だったやつが言ってたあとは、この辺じゃないとこから受けた奴も可愛い子いたって」

 なんかこう、陽キャでも陰キャでもない中間にいるくせに自分のことを陽キャだと思ってイキってるやつがいた。

 まぁ僕は正真正銘の陰キャなのであまり言えないが。


「なぁ、小林隼人って人いる〜? いたら呼んでほしい……って言ってもみんな初対面やしわかるわけ無いか……あ、いた。隼っち〜?」

 幻聴だ。

 これは紛れもない幻聴。

 ここにあいつがいるなんてありえない。


 岸部里香(きしべりか)

 京都に住んでいた時の隣人で、黙っていれば可愛いとよく言われていた幼馴染なんだが……

 里香がここにいるわけがない。


「隼っち〜? なんで無視すんの〜?」

 気づけば僕の席までやってきていた。

 よくできた幻覚だ。うちの高校の制服着てるし、髪はショートヘアで、整った顔立ち。ボーイッシュというのだろうか? 中学ではそれなりにモテていたはずだ。

 おそらくさっきのやつが言ってた「この辺じゃないとこから受けた奴」というのは里香なのかもしれないと思ったがそんなことはない。

 声も顔も完全に里香なのだが。

「幻覚まで見え始めた……もう終わりや……」


 といったあたりで、強烈なビンタを食らった。

「本物やアホ! 

 まぁ、東京で突然京都にいるはずの幼馴染と再会したらそうなるか……?」

 まさかの、本人だった。

 こんな事があるのだろうか。

「隣の席、黒崎ちゃんかぁ〜

 黒崎ちゃんならいいや。席借りたぐらいでは怒られんやろし」


 え……? 黒崎? 

 このクラスに黒崎さんという苗字が2人以上いない限り、黒崎さんという美少女は僕の隣の席で、その黒崎と仲のいい(?)里香は僕の幼馴染ということになる。


 ヤッバァ……

 絶対目つけられるじゃん……


 さっきのエセ陽キャ達がこちらを睨んでいるが……

 もうこれは当然の結果だろう。

 黒崎さんと里香に嫌われる可能性を減らすためにいじめをしないという可能性もあるが、いじめられないにしろ何かしら嫌な対応を取られるのはもう間違いない。

 覚悟しておこう。


「ていうか、なんでここに里香がいんの? 

 ここ京都じゃなくて東京やで?」

「隼っちがいるから? 

 ……まぁほら、ぼっちやと嫌やろ? 隼っちのことやからどうせ高校に知り合い一人もおらんとぼっちライフ始めそうやし」

「………それ京都の高校でもやと思うけど」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 里香も自分の教室に帰り、そろそろHR(ホームルーム)が始まるという時に、黒崎がやってきた。

「おはよ。君が隼人くん? 里香の幼馴染なんだっけ?」

 一気に視線がこっちに向いた。特にエセ陽キャの視線が痛い。

 ただ、僕が黒崎さんと良好な関係を保っていればこいつらが僕に変に手を出したら黒崎さんの怒りを買ってしまう……と警戒してくれると思うので大丈夫だとは思う。


「まぁ、そうだね。

 父さんの都合で最近引っ越してきたけど、その前まで家隣だったから……

 てかなんで里香もここ受けてるのかは僕もわからなくてさっき会ったときは驚いたよ」

 本当に、心臓が止まるんじゃないかというぐらい驚いた。

 なんなら止まってたかもしれない。


「えぇ!?話してた時少し思ってたけど、里香ってもしかして結構破天荒?」

「もしかしなくてもそうだと思う」

 話がある程度弾んだ来たというところで、

「は〜い、じゃあホームルーム始めるぞ。

 出席から取っていくな〜っとその前に俺の自己紹介か?」

 盛大な邪魔が入った。


 でも、うまいこと行けば黒崎さんと仲良くはなれそうな気がする。

 里香のおかげで僕にもフレンドリーに接してくれるのでどうにかなりそうだ。



 これ案外いい感じにすごせるんじゃね? 






第1話「第一印象って大事だよな」



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