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これは人生の仮タイトル  作者: モ虐
3."Sealing the creaking heart on the road to turn back."

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35/47

2."sloth"

「ありがとう!ってかマジでできると思ってなかったからさ〜重音ポテト!すごいなぁ」


 子供向けのニコニコしてるポテトを作るための型はありそうだし簡単だろうとは思っていたが、重音ポテトは成形が難しすぎるだろう………と思うのだが綺麗にできている。


「もしかして型って……」

「うん、作った」

「作ったぁ!?」

 本当に衝撃的だ。

 まぁ、市販でそういう商品があるとも思っていなかったが重音ポテトの型から自作なんて簡単にできることじゃ無い。


「え………どうやって?」

 何よりもまずそこだ。プラスチックにしろ金属にしろ重音ポテトの型を作るのなんて簡単じゃないだろうし…………

「情報科の友達の手を借りて3Dプリンターでね〜

 なんか情報科で最近使ったって聞いたから手伝ってもらうことにしたんだけど……うまく行って良かった〜」

 なら納得だ。

 しかし旧校舎に3Dプリンターが無かったってことは最近になって使うようになったのか…………いや、パソコン同好会の部屋にもあった気がするぞ…………今度"先輩"に聞くか。


「きゃど……? とか書くの大変だったけど隼人くんが喜んでくれたなら良かった」

「ありがとう……僕何もできてないのに……ごめん」

「いやいや、謝らないで? 私も暇だったからやってたっていうか………隼人くんはほら………私がok出してるしさ!」

 僕の影は薄いため、周りには僕がいなかったところで気づいていない可能性が高い。

 そのため黒崎は、僕がサボっていると1発でバレるような発言は控えて言葉を選んでいる。


 もうほぼ準備も終わっており、今日明日の仕事はほとんどない。

 あとは明後日……文化祭前日には教室の飾り付けや色んなセッティングを終わらせなければいけないだけだ。

「明後日……前日準備から頑張ります」

「無理はしないでね?」


 店内の装飾案が早く完成したこともあり装飾品もほとんど完成しており、料理の完成度も上がっている。

 重音ポテトも完成しており……正直今日明日は暇でしか無いのだが……

「でも……何も手伝えなかったのは少し申し訳ないな……」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 結局、今日はもうすることもないので解散することになった。

 いつもより2時間ほど早く終わったわけだが、家に帰りたいとも思わないし帰ったところですることもない。

 とりあえず謎部屋に行って“先輩”


「3Dプリンター?あ〜あったね。

 私も最近後輩くんとあの部屋に行くまでは気づかなかったけど。で、どったの後輩くん?急にそんなこと気にしてさ。」

「うちのクラスの出し物で情報科の人に手を借りて3Dプリンター使ったとか言ってたからそんなものこの学校にあったっけと思って。」

 旧校舎になければ、本校舎に運んだか本校舎になってから買ったかになるが………

「まぁ、校舎変えたタイミングで同時にカリキュラムまで変えるか……なんて聞かれたら怪しいけどね」

「だからなんで心読めるんですかね?」


 確かに"先輩"の言う通りなのだ。

 設備を一新、ならわかる。ちょうどいいタイミングだからと説明もつく。

 ただそのタイミングでカリキュラムまで変えるのは偶然でなければあまりないだろう。

 まぁ………「そんなこと考えたところで私達に何のメリットもない、かな?後輩くん」

「…………正解ですよ」

「今のちょっと自信なかったんだよね〜合ってて良かった〜

 外れてたらただただダサいし…………」

 読まなくていいんですよ、と思ったがこれを口にしなくても……

「うん、伝わってるよ〜」

「なんなんだこの人」


「ていうか後輩くんにお願いがあるんだけどさ」

 "先輩"が珍しくゲームから目を離して僕を向いて話しかける。

「なんです?」

「文化祭の日、暇だったら私におみやげ買ってきて。

 買ってきてくれるならお金は払うよ。財布の中500円玉しか無いから多分少し多めに払うことになると思うけど」

 1日目は和也と祥子が来るだろうからアレの相手をしなければならないが……2日目なら黒崎や里香と回ることになってもおみやげ買うぐらいならまぁ……

「多めにお金もらえるならそれでいいか、ってとこかな?」


「ホントになんでわかるのかなぁ……」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 文化祭前日、飾り付けだけは頑張って手伝おうとした結果僕は……

 ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを装備している。

 さすがにヘッドホンだと目立ちすぎるため、少しでも主張を抑えようという悪あがきだが効果があるのかは正直わからない。


「隼人くん、イヤホン装備か。

 まぁできるだけ近くにいとくし、呼ばれてたら肩叩けばいいか。

 あ、しんどいとか何かあったら私呼びなよ?」

「ありがと、黒崎。」

 スマートウォッチの通知を見ると、「私が用あるときはこっちで伝えるね」と、気の利いた配慮をしてくれている。


 黒崎のおかげでどうにか無事に前日準備を終えられたが、もうその頃にはもうそろそろ帰る時間だった。

 今日は謎部屋には顔を出せないな………と思ったが僕が来なければ来なかったであの人は僕の心を読んで今頃納得しているだろう。


 前日準備だけは手伝うと伝えてあるのであとは"先輩"なら大丈夫。

 僕はそう思い校門を出て家へ向かい帰り始めた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「後輩くん、準備終わったけど顔出せないな〜とか思ってんだろうなぁ…………

 まぁでも、私がこうやって考えてることぐらいはわかってそうだし気にせず帰っていくだろうねぇ」


 ーーーしっかりと、心は読まれていたようだ。






第2話「怠け者」



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