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これは人生の仮タイトル  作者: モ虐
2."Unhealed wounds, a new escape, and finding "the same kind.""

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5."Egoistic Gamer"

 5月23日、土曜日。

 定期テストも無事に終了し、本来なら引きこもって遊んでいるか1人でゲーセンに行くかの2択しかないのだが……


 僕の中でお出かけ用になっているST●SSYの服を着て、黒崎さんとゲーセンに来た。


「なんか、黒崎さんとゲーセンってすっごい違和感

 あ、黒崎さんといるのが嫌とかそういう話じゃなくて」

 普段ゲーセンに来るのは1人か……ごくたまに和也もついてきてあれはあれで楽しんでいた。

「わかってるよ。

 隼人くんが悪口を面と向かって言うような人じゃないのは分かるし」

 と、なぜか笑っている黒崎さんは僕の横を歩いている。


 今日は約束通り、黒崎さんとゲーセンに行くことになっている。

 実は最寄り駅が同じだったということがこの前わかったため、僕の家から一番近いゲーセンでいいか……ということになった。

 僕はこのゲーセンにはすでに一回行ったことがあって、m●imaiとCH●NITHMがあることは確認済みだ。


 そしてそのゲーセンはすぐそこにコンビニがある。

 一般的にコンビニ13時頃に行けば3割引……運が良ければ半額シールが貼られたりする時間なので僕は基本的にその時間を狙ってご飯を調達しに行く。


 ゲーセンで集合、と決めていたのだが………

 集合時間の10分前に着くつもりで行ったのにその頃にはもう黒崎さんがいて非常に驚いた。


「そういえばだけど黒崎さん……待たせた?」

「ううん、方向音痴だから迷ってもいいようにって早く出ただけだから」

 徒歩数分………遠くても十数分圏内の地元で方向音痴を発揮することはあるのか………?とは思うがそれは聞き流しておく。

「あとさ、別にさん付けしないでいいよ?私は隼人くんって呼んでるし、別に茉美ちゃんって呼んでくれてもいいんだよ?」


 何度でも言うが僕は小学校から中学校までいじめられ続けていたクソ陰キャだ。

 里香と夏菜子以外に親しくなった女子なんていないし………ちゃん付けにはかなり抵抗がある。

 幼稚園にいたぐらいの時なら里香ちゃんと呼んでいた気もしなくはないがそれは僕が陰キャになる前の話だ。


「ちゃん付けは………ちょっと抵抗あるかも」

 かと言って茉美、と呼び捨てするにはかなり早すぎる気もする。

 出会ったばかりの頃に比べればかなり仲良くなったとは思うが、下の名前で呼び捨てにするほどの仲でもないのかな、と思う。


「黒崎って、呼び捨て呼んでいい?」

「まぁ、さん付けよりはいいんじゃない?」

 なんだか少し嬉しそうに笑った黒崎さん………黒崎は、「なんか友達って感じする〜いいね〜」と、なぜかものすごくご機嫌だ。


 話をしているうちに、「お待たせしましたー!」

 バイトのお兄さんの元気な声とは逆にゲーセンの自動ドアが静かに開いた………開いた後は店の中の音でうるさかったが。

 僕はいつものようにヘッドホンをつけて、ノイズキャンセリング機能を………

 あれ?そうしたら黒崎の声聞こえなくね?


 僕は店のドアの目の前から少し脇に寄ってから

「黒崎、ちょっと相談」

「どしたの?」

 僕が1人で来る分には何も問題は無いのだがそこを完全に忘れていた。


「僕、このヘッドホン無しではゲーセンに入れないんだけどさ……」

「あー、なるほどね?そのヘッドホン、ノイキャンだから……」

 なんで速攻理解できたんだ、とツッコミそうになったが、昨日は黒崎に助けられたのだ。"アレ"については知らないにしても、僕がああいう場を好まない事は知っているだろうしそれならある程度は想像できているのだろう。

 まぁ、ゲーセンに行きたいけどうるさいのはやだなんてわがまますぎるとは思うが。


 その瞬間、黒崎はスマホを取り出す。

 そして数秒もすれば僕のスマホから通知が鳴る。

 もうすぐ音ゲーをやる、ということもありスマートウォッチの通知は切っていたためスマホからメッセージを確認すると「じゃあここで話そっか」と届いている。

「そうだね」と返すと僕はヘッドホンのノイズキャンセリングをオンにした後、スマートウォッチの通知設定を操作して、黒崎からのメッセージだけはバイブレーション付きで知らせる設定に変更した。

 レシーバーを取り付け、Ai●eをかざして、洗濯機のような筐体の前に立つ。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 昼食を挟みながら、15時までゲーセンに居座った僕達だが流石に腕が限界を迎えてきた。

 使った金額が2000円を超えたのでそろそろ帰ろうか、という感じだ。

「疲れたね〜」

「けど、黒崎めっちゃ上達してたんじゃない?緑と黄色はもうほぼほぼ叩けてたじゃん」


 R●UND1で始めてやったときに比べて今の黒崎は圧倒的にレベルが上がっている。

 もちろんまだまだ僕は黒崎に負けていないが黒崎にはたっぷり伸びしろがあると思う。

「今度赤の練習手伝ってね?」

「うん。文化祭とか落ち着いたら……あっテスト……」

 文化祭のあとにはテストがあった。

 なら次は期末テストが終わり次第になりそうだ。


 話しながらゲーセンから出ようとした時に、

「あ!クレーンゲーム!

 妹がこのキャラ好きなんだよね〜取ってっていい?」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 この後、黒崎の800円が無意味に溶けていった後、僕が100円でぬいぐるみを取れたのは僕達だけの秘密だ。









第5話「我儘なゲーマー」

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