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これは人生の仮タイトル  作者: モ虐
Prologue "There is no going back to that path that was ruined."
2/44

2."effusive emotion"

ある程度話数のストックはあるのですが………

今は別シリーズが盛り上がってきていますので、とりあえずそちらが落ち着くまでは週1ということで………

多分どこかで急に投稿ペース上げます。

「で、何があったん?」

 夏菜子は僕に缶コーヒーを差し出す。

 勉強に関係ない話を長々とするから、自習室から出て近くの公園のベンチで話すことになったのだが……


「何飲むの〜?」

「コーヒー。その青い缶の微糖のやつ」

 僕はコーヒーが好きだ。

 ブラックも飲めるが、ミルクと砂糖はやはり適量あったほうが美味しいと思う。

 ただ、甘すぎるカフェオレは苦手で、あまり飲もうとは思わない。

 なので市販のものを買うときは基本的に微糖を買うことにしているが………


「隼人……? 前から思ってたけど女の前でカッコつけてコーヒー飲んでんのめっちゃダサいで?

 ブラック飲むよりも、微糖のほうがよりダサいで?

 これ飲むぐらいやったらホットミルク風レモンカ●ピス(つめた〜い)飲んでたほうがまだマシやろ」

 あまりの言われようだ。

 それはもうめちゃくちゃに言われてる。


「僕がこれ好きやから飲んでんの!

 てか1人の時もコーヒー飲むし、飲むなら微糖やし!」

「はいはいそういうことにしときます〜

 で、微糖やな?」

 そういうと夏菜子は自販機に金を入れ、微糖の缶コーヒーを購入する。


「なぁ? ほんまにお金出すって……なんで奢られてんの?僕」

 飲み物を買うと言い出した夏菜子に「話聞いてもらうなら奢る」と言ったのだが「いいや、むしろ私が隼人の分奢る」と言って聞かないのだ

「私からのありがたい気持ちを受け取っとけ〜?飲まへんかったら後で後悔すんで」

「いや、なんか申し訳ない……」

「このコーヒー代は隼人が死んでも受け取らへんから」

「諦めて奢られます」


 プルタブを開け、コーヒーを口にする。

 本来なら、温かいコーヒーの味が体に染み渡り、落ち着いく……という効果があるのだがこれは例外だった。


「甘っ‼︎」

「奢ってもらったコーヒー飲んで第一声それ?……って何これ!? 確かにめっちゃ甘い‼︎ 微糖ってなんなん……」

 よし決めた。

 僕は今後このメーカーのコーヒーを一切信用しない。

 微糖でこの甘さだ。これはきっとブラックでもブラックの味がしないだろう。ブラックが一般的な微糖より甘くても納得だ。


 甘すぎるコーヒーは横に置いて、夏菜子が僕に声を掛けた。

「じゃあ、話……聞いてもいい?」

「うん、じゃあ話すわ」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 小学校の頃から、僕はイジメられていた。

 殴られたり蹴られたり、仲間はずれは当たり前。

 そんな生活だった。

 特にひどかったのは体育の時にサッカーをしていて靴が脱げてしまった時、チームの邪魔になったらいけないと思いそのまま試合をしているといつの間にか靴がなくなっていて、1日探して見つからなくて、次の日いじめグループのリーダーが常に位置を移動させていたという事実が発覚したことだろうか。


 学校の教員は事なかれ主義なので、何かあっても基本的にしっかり指導をしない。

 よっていじめグループの行動はエスカレートしていった。

 中学校の時は誰かがこっそり持ってきた香水を大量にかけられてもはや臭いレベルにまで香水をかけられた。


 そんないじめの中、一人だけ僕に仲良くしてくれたやつがいた。

 そいつは別室登校をしていて、普段教室に上がってくることがないためあまり先生との交流もないため理解のない先生も多く、その先生に苦しめられていた後の現場に僕が到着したことがあった。

 その時に、今度はそんなことさせない。親友を守るって決めたのに、何もできなかった。


 だからもう、何もかもうまくいかないような気がして、自分の劣等感に苛まれて、どうしようもなく息が苦しい、


 自分でももう何をどんな風に話したかは思い出せない。

 頭の中はぐちゃぐちゃで、きっと話してる内容はもっとぐちゃぐちゃだっただろう。

 夏菜子はその話を1時間半以上、激甘コーヒーを飲む時以外は嫌な顔をせず聞いてくれた。



「ハハハ……ダサいなぁ僕は……夏菜子は年下やのにさぁ、勉強も夏菜子に教えてもらわなテストの点も成績もホンマに高校入学できひんレベルになりそうやし、メンタルケアまで今してもらっちゃってて……」

「年上やとか年下やとか気にせんでいい。

 辛いなら辛いって言いぃや!いじめはさ、私にはどうこうできひんけど……話ぐらいなら聞けるし!それにこうやって……」


 そう言うと夏菜子はクルッとこっちを向いて、

 そっと、寄り添うように僕を抱きしめた。

「こんぐらいならしてあげる。

 隼人がおらんかったら自習室おもんないからさ?」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「Disc●rdのサーバーを?」

「そ。私の友達がDisc●rdのサーバーの主やってたことがあるみたいで。運営やってくれるって!」

 夏菜子は、僕がこれ以上ストレスを溜めないようにと何か策を考えていたらしいが、毎回毎回公園で激甘コーヒーをのみながら話すわけにも行かない。

 なので、俺のような精神的に辛い人たちを集めてお互いの拠り所として話ができる場をDisc●rdに設けるのはどうかという話になったのだ。


「まぁ、じゃあお世話になります」

「どーぞお世話になってください」


 これから、僕達の新しい日常が始まった。






第2話「溢れ出す感情」



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