10."Abominations are not accidental, but inevitable."
「え!? 黒崎ちゃんも音ゲーに沼ったん!?」
音ゲーコーナーにいた僕たちを見て、僕が無理やり連れてったと勘違いしていた里香だが、あくまで黒崎さんに連れて行かれ、黒崎さんもハマってしまったからAim●(フリーダムパスまで買ったのに1度も使ってない新品)を渡したことまで話すとかなり驚かれた。
「まぁね〜、面白かったし。
なかなか手が追いつかないんだけど、だからこそ悔しくてやりたくなるというか……」
「最後の方はあの曲フルコンしてたじゃん……理論値でこそなかったものの初めてであそこまでならだいぶすごいよ……?」
コンボが続いていても、ボタンを押すタイミング1回1回が完璧でないと僕の目指しているスコア101%は出ない。
なぜ100%がMAXではないのか?それは僕が聞きたい。
「で、野外スポーツってこと?屋上来たわけだし。
あの透明なのに入るやつやらない?あのサッカーみたいなの」
「ブットザル……?」
「そーそーそれ! あーしそれやりたくてさ〜」
高田さんと加藤さんは納得してるけど絶対フットサルだと思う。
いや、ここにあるのがフットサルなのかは分からないけど……間違いなくブットザルではない。
案内のボードを見てみると、
「無性にボールを蹴りたくなる時、ありますよね・・!
フットサルだけでなく、サッカーボールやハンドボールまでご用意しています。大人気のバブルボールもこちらでご利用いただけます。」
という説明文の上に書いているのはおそらく前までは「フットサル」だったのだろう。
ただ、うまいこと濁点のように掠れてインクが剥げている。
「あぁ〜……高田さん多分これ見たのか」
確かによく見れば「ブットザル」に見えなくもない。
うん………もうそれにしか見えなくなった。
フットサル……サッカーとの違いがよくわからないスポーツという印象しかない。
もともとスポーツはeスポーツにしか興味がないし、
夏休みはオリンピックを見ずにポケ●ンの世界大会をオールして見たぐらいなのだが……
「ヘイrika! フットサルとサッカーの違いは?」
「スミマセン、コタエタクアリマセン」
あの機械音声の声真似をしながら答えるのを拒否した里香に「使えねー」と言い捨て僕はスマホを取り出す。
「ヘイS●ri! フットサルとサッカーの違いは?」
「すみません、よくわかりません」
本物にも嫌われているようなのでもう諦めよう。
「使えねー、」
「そんなことおっしゃらないでください」
まるでこっちが悪いかのように振る舞うS●ri。
「うわー小林がS●riちゃん泣かせた〜」
小学生でも今言うのか怪しいセリフをニッコニコの笑顔で言った加藤さんを皮切りに、
「小林ひど〜」
と、佐々木さんも乗ってきた。こちらも満面の笑みである。
「里香は泣かせたらだめだよ?」
割と真顔で高田さんが言っている。
………いや、泣かせはしないけど調子に乗ってる里香に痛い目は見せるよ。
「隼っち〜機械に嫌われたらもう終わりじゃん」
割と核心をついてるので突っ込めない。
というかこれはかなり大ダメージだ。
「だ……大丈夫………ヘイS●ri!」
「すみません。よくわかりませんでした」
「まだ何も言ってないよ!?」
質問させてくれないようなので僕は諦めてS●fariで調べたが、結局コートが小さいぐらいの差しか無いらしい。
早く教えてくれよ。
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フットサル開始後数分で転倒し起き上がれなくなり戦闘不能になった僕は早速戦力外認定され、チームメイトの黒崎さんと里香は相手チームに突っ込んでいく。
その間僕は、必死にもがいて立ち上がろうとするも、
「ん! んん〜〜!! ふんっ!」
全然起き上がれない。今までどうやって動いてたっけ?と思うレベルの醜態である。
いや、初だし仕方ないと言いたいがそれで言うと黒崎さんや里香がここまで動けることに説明がつかない。
ちなみに、一応勝った。僕は何もしてないけど。
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バッティング。
バットを握ることなんて全くなかったが、10球あればさすがに1発は打てるだろうなんて甘かった。
1発も打てなかった。
もう哀れみの視線を向けられた。
ちなみに加藤さんや佐々木さん、高田さんは5発ほど撃っていたが、
「お〜?ホームラン?これで3発目やけど」
里香は全部打った。なんならホームランは3本も打ってる。
「私5本〜楽しいねバッティングって」
黒崎さんの打率は100%でそのうち5割がホームラン。
青いユニフォームの日本人メジャーリーガーでもここまでは行かないんじゃないだろうか。
野球詳しくないからその人しか知らないのであんまわかんないけど野球部行ったら強そう。
「リベンジする!」
と言って僕はこの醜態を取り返すほどのプレーをしようと駆け出すも、
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「隼っち……まぁ隼っちやなって感じ」
「隼人くん球技苦手なんだよね? きっと。」
「ま〜、めちゃ陸上ですごい人が球技になった途端無能になるとかはよくある話だけど小林はそもそも運動音痴なだけじゃね?」
その後もいろんなスポーツで醜態を晒してスポッチャを後にした。
とにかく疲れた。
こけて、空振って、暴投して………ボウリングから何も変わってないというより、ボウリングの時のようなミラクルも起こらなかった。
そのためボウリングよりもひどかったと言えるのではなかろうか。
次はカラオケらしい。………全く自信はないが。
第10話「醜態は偶然ではなく必然である」




