9."I'm going to take a little break."
結局、まぁストライクが出るわけもなくプリクラ無料を逃したあと、8セット目でストライクが出たため皆様にめちゃくちゃ怒られた後(高田さんも外していたが、そこに触れるとより怒られそうですなのでやめておく。)、ストライク2回以外はすべてガーターだった僕がお昼ご飯を買いに行くことになった。
「は〜い、買ってきたよ」
もちろん代金はしっかり頂いている。
ちなみに、里香から言ったとはいえ僕がみんなの前で里香に金をもらっていると確実に悪いイメージがつくので、
僕が今日使った分のお金は帰ってから全額里香に請求することになっているのでここでは一旦僕が払っている。
「ダブチは……里香。
てりやきチキンが……黒崎さん。
ガーリックシュリンプが……加藤さん。
ベーコンレタスが……佐々木さん。
で、チキチーが……高田さん。
僕は……あったあった。サムライ●ック〜!!」
みんなにバーガーとポテトを配った後、最後の一言を発したあたりで里香の顔が引きつっていたような気もするがそんなのはどうでもいい。
今日は豪遊するって決めてるんだ。
使えるとこで使ってこの前のギ●ティナの恨みを晴らさせてもらうんだ。
「ポテト……僕はLにしたけどみんなMだったよね?
あと飲み物……カフェモカが僕で……」
ご存知の通り、ポテトLはセット価格に+50円。
こちらはあまり知られていない気もするが、カフェモカは+90円。
容赦なく値段を積み上げて里香に嫌がらせをするつもりでいる。
「里香がコーラ……はい。
黒崎さんがコーヒー……これか。
加藤さんがスプライト……あった。
佐々木さんがオレンジジュース……お、危ねっ落とすとこやった
高田さんが野菜生活……?……野菜生活!?珍しっ」
先ほどから里香が僕に熱い視線を送っているが、まったく気にしない。
里香は長年の付き合いだから大体何でも許してくれるという信頼があるのもそうだが、
里香は調子に乗るとずっとそのままなので、時々痛い目に遭わせるべきなのだ。
ギ●ティナの償いが今日の代金全額持ちにしてしまったことを後悔させるぐらいのことをしてやらなければならない。
そう。痛い目を見せるべきなのだ。
「あとは……僕のベーコンポテトパイっと。
これでみんな全部あるよね?」
その言葉を聞いた里香がずっとスマホを操作しパパパッと僕にメッセージを送る。
つけてきたスマートウォッチから通知を確認すると、
「覚えてろ……あとで殺す」とのこと。
パソコンのパスワードは知られてないのでパソコンを開けられることはないが、ゲーム機は守らなければならない。
いや……里香ならパスワードがわからないので開けられない事を理解すれば物理的に破壊することも視野に入れて行動しかねないという怖さもあるな……
とりあえず、こんなこともあろうかと出かける前にゲーム機を鍵付き金庫(カギとダイヤルの2重式)に入れておいて正解だった。
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「じゃあ次スポッチャ〜!」
3時間ほどスポッチャで遊んだあと2時間ほどカラオケで歌って、
その後晩御飯も食べて帰るというなかなかの豪遊コース(ちなみに里香は2倍以上の額を払わなければならない)なのだが、
スポッチャは、僕にとってかなり救いになる場所だ。
「よし! m●imai! まだあの曲理論値出せて無いんだよな〜!」
走り出そうとした途端、里香に首元を掴まれ止められた。
「みんなで来てるのに、単独行動はひどないかなぁ? 隼っち」
悪〜い笑顔でこちらを見て微笑む里香。
さっきの恨みだと言わんばかりに訴えかけてくるが、そんなことをしだすのならこっちには晩御飯も同じ事をするということもできるのに。
話し合いの結果一緒に回るのは
僕と黒崎さん、
加藤さんと里香、
佐々木さんと高田さん。
あとで合流して上のスポーツコーナーで遊んでからカラオケに行く予定らしい。
里香と回るなら容赦なく里香を置いて行ってm●imaiをやったのだが………
黒崎さん相手にそれをできるほど僕に肝は座っていない。
だが、
「隼人君さっきどこ行こうとしてたの?
さっきボウリングあんまり楽しめてなさそうだったし、先そっち行っていいよ?」
黒崎さんが優しすぎる。
こういう純粋な優しさを里香は見習うべきだと思う。
ーーーまぁあまり人のことは言えないが。
「いやぁ……多分あっちに行ってしまうと無理やり連れて行かれるまで辞めないから最後でいいよ。先に黒崎さんが行きたいところ………」
「じゃあ隼人くんが行きたかったとこ行く!」
結局連れて行かれた。
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「Aim●……2枚目って多分全く使ってなかったよなぁ……」
確か、出先でカードを無くしたと勘違いして大焦りした結果2枚目を買ったものの、それを見た祥子が申し訳無さそうに「こうしたら音ゲー一旦は諦めるかと思ったのに」と言ってカードが返ってきた事があったので多分その時のやつが未使用でまだ残っていたはずだ。
「音ゲーとかやったことあるの?」
まぁ黒崎さんなら音ゲーはやったことがあって太鼓の●人ぐらいだろうし、それならカードも多分作っていなさそうだ。
「まぁ太鼓の●人みたいなのをたま〜に、ほんとにたま〜にやるぐらい。そういうカードみたいなのは作ったこと無いかな」
大当たり。
「これ新品のやつ貸すよ。
もしハマったらあげるよ。そのカード多分僕は使わないし。」
そう言って僕は2枚目のマジで今後使う機会がないであろうAim●黒崎さんに貸してm●imaiを始める。
緑、黄色、赤、紫の順に難易度があり、2人で同時に同じ曲をプレイしていても難易度をずらせるのだが、もちろん曲によって難易度は大きく変わるし、緑色でも簡単な曲や難しい曲があるだろう。
僕と違って黒崎さんは完全初心者だ。少し優しめの曲を選択して僕は紫、黒崎さんは緑でプレイする。
「これ結構面白い……え⁉︎隼人くんなんでそれに手が追いつくの⁉︎」
「僕としては黒崎さんがフルコン中なのがビックリだよ」
割と低難易度とはいえ、馴れないうちはなかなかコンボは続かないものだが黒崎さんは1回もコンボを途切れさせずにフルコンボ。
「もうちょっと難易度上げてもいいよ〜」
「じゃあ、高難易度曲行ってみる?」
今選んだのは僕が理論値を出そうと奮闘していた曲なのだが、現状緑の中で1番難易度が高い曲(紫でも最難関)だ。
「さぁ……101%目指すぞ……」
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「っしゃあ……理論値出た………腕しんど…」
「本当に阿修羅か何かなの?」
何度かこの曲に付き合わせた結果黒崎さんは緑はフルコンできるようになっていて、スコアは90%台まで来ている。
なかなかポテンシャルが高そう。
「他のとこ回る?結構時間経ったんじゃない?」
「あ、そろそろ上行かないとかも……」
「隼っちここにいた⁉︎
早く来な〜?黒崎ちゃんごめんねうちの隼っちが……」
里香が迎えに来たってことは……
「集合時間、遅れてます」
第9話「ささやかな休憩を」




