合間にひと稼ぎ
夜廻…はこの時期は特に危険なので俺はいつも通り修行と採集がてら近隣の雑木林や河川の見廻りで合間に仙薬で日銭を稼ぐ。
いやはや色んなお客様がいらっしゃる…
『(S)を50g頼む』
早速今日一番の客からのメッセージがくる。
あ、(S)は隠語だけれど決してシ◯ブじゃあない
なんせ無免許で漢方和方に薬膳を調合して売っているのだからまあその中毒者が集う掲示板なんかでも手配しているので勘違いするだろう。
(S)は生薬である。ウチでは漢方式和方式2パターンで生素材、或いは粉か液体で売っている。
発注を請けたら調合作業に移り、指定された日時場所で現金と受け渡し交換し、取り引き終了。
うん、、まあ限りなく黒いと言われたらそうかもだけれどウチのはあくまでもグレーです。
ジリリリ…タンスの中の家電話が鳴り響く
「もしもし」
この電話はお得意様専用かつ裏メニューの注文を請けおう時にしか使用されない。
『やあ、久々に君のSDを作って貰いたくてね。三万円分頼めるかい』
SDはスペシャルディナーの略でフルコース1万円から身体の不調を全力で予防する薬膳料理を振る舞う。
「あ、どうもお久しぶりです~三万円分のSD承りました。特に何処を予防したいか御要望御座いますでしょうか?」
『そうだな以前の時は肺気管を予防するために作って貰ったよね僕、肺が弱いみたいでまた今回も似たようなものをお願いできるかい?あ、食後の杏仁豆腐は絶対つけておくれ』
「畏まりました。では、秋の味覚を堪能できます最高の薬膳と杏仁豆腐を御用意させていただきます。」
「嗚呼たのむよ。あ、日時は明後日の夕刻16時に◯◯まで届けて貰えるかな?」
「承知致しました。では10月◯の夕刻16時にて◯◯にお届けに参ります。」
ガチャン…と、このように日銭を稼ぐこともまた見習い仙人としての職務?である。
ひとつ、勘違いして貰いたくないことは東洋医学は根本的な治療ではなく予防、免疫力を高めるのが特徴。即効性より遅効性が望ましい、生薬には効き目と危険性によって上中下とある。
杏仁豆腐だって本来オブラートの役割の食べ物である。効果はもちろんある。種子だからそのままはきつい。
さて、足りない生薬はスーパーと薬局、近場の河川敷で採集しに行こうかね~




