山神様の依頼
約束の日、俺は酒を持って師父の元に向かう
「アイツはいつもこんな感じで呼び出すのか?」
「そうですねお陰様で探索能力爆上がりしてますよ」
美さんも着いてきた建前上は俺の修行の見学で本当の理由はただ酒を飲みたいだけだろうなあ、、、
「そうこうしているうちに着きましたね」
「うむじゃがアイツはまだ来てないようじゃなぁ」
「まあ何処かで道草喰って来ますよ」
「‥お主はアイツをどう思っておる?」
「え、どうもなにも大切n‥!」
鋭い視線…殺意はない、様子を伺っているようだが なんだろう、、、尋常じゃないこの霊圧は押し潰されそうだ。
「八仙、頭を下げろ」
美さんがいつもより真面目なトーンで言うのに従い頭を下げてその場で跪く。
「‥‥‥ああスマンそんな堅苦しいことせず楽にせえ」 声の主が言い放つと自然と身体が解されたように辺りの霊圧も和らいだ。
「お久しゅうぶりです諏訪様」
「うむ美殿最近他の山での活動はどうじゃ?」
「はい、精霊と妖怪のいざこざがございましたが鎮圧済みにございまする」
「そうか、ご苦労。さてえ~と、八仙だったか?」
急に俺の方に話題を吹っ掛けられると緊張するから、、、心臓バクバク言っているよ
「はい八仙でございます」
「八仙よ、お前に頼み事があってのう」
「(え、俺まだ新米だけれど!?)は、御依頼何なりとお申し付けください。」
「うむでは命ずる、八仙よ我が妻の進軍を止めてくるのじゃ!!」
、、、「は?その、なんと申されました?」
「じゃからぁ~儂の浮気がバレたの!しかも、これで三度目じゃから今血眼になって兵を集めて儂を殺りに掛かってくるのじゃよ‥」
え~と諏訪様の奥方様は確か軍神として武功を挙げたあの!?
(美さん‥どうすれば宜しいですかね?)
(私に聞くな!私は何も聞いておらんしこれから用事があるからお主が何とかせんか!)
(美さん、貴女はそれでも天仙ですか!?)
(いやいやこれは私でも死ぬかもしれぬし‥)
あ、駄目だ詰んだ。
「のう、八仙頼む!儂を助けてくれ報酬は養老の滝飲み放題と人参果1kgでどうじゃ?」
「「「乗った!」」」
「おお!七代目もおったか」
「はい、たった今到着いたしまして」
「美殿も助けてくれるのか?」
「はい勿論でございまする」(報酬が割に合っているもの)
「では儂はこのまましばし隠れるとするすまぬがどうか妻を説得しておくれ」
そういうと山神諏訪様は何処かに消えた
「師父?報酬は俺が6割ですよ?」
「なんだと?この中で説得できるのは私だろうが!」
「ちょい待ち私じゃろう?」
「え、美さん貴女はむしろ辞退しても構いませんよ?先ほど真っ先に逃げようとしましたよね?」
「状況が変わったら誰だって前に進むじゃろうが!!」
「「「報酬は渡さねぇ!!」」」
かくして仁義なき説得が始まる前から分け前で揉める仙人達であったが、これから攻めてくる軍勢をどうするか各々一応考えてはいるのであった