魑魅魍魎旅館でドキッ!温泉
日も沈みかけた夕暮れ時、坊っちゃん列車に揺られながら道後温泉へと向かう。
『道後温泉~道後温泉~お出口は左側です』
さて、我々珍旅客の一行は温泉街を進み温泉街から外れた藪の奥のまた険しい獣道を進むとそこには予約していた旅館が現れる。
「…あれ、おかしいな先程荷物を預けた際と外観が全く違うなあ場所は合ってるけれど?」
なんというか例のブルーベリーみたいな化け物が住み着いてそうなおどろおどろしい洋館であった昼頃は普通に小洒落た洋館だったのだが。
「いえ、間違えておりませんよ八仙様?此方の旅館が暫し泊まる場所にございます。」
「なんか出てきそうですねぇ」
「本当だ!人間以外も沢山住み着いてるね~」
え?妖怪ハウス?マリアの発言で洋館の一室を見ると確かに明らかに人ではないものがちらほら
「…そういや旅館の手続き殆んど長船さんに任せてしまいましたよね。ここ、入ったらとって喰われません?」
「ふふふっ…失礼、八仙様御安心を。この旅館は料金を払えば魑魅魍魎人外問わず、宿泊サービスを受けられます。もし、旅館内で危害を加えようものならば平等に女将自ら制裁してきますので。」
それ何処の殺し屋の世界?
「あーまあ安全なんですねチェックインしましょうか…」
ー入館ー
「温泉卵!八仙さん浴衣着て温泉!卵!」
「八仙さま!あれ、妖木ですよ!八仙さまが欲している!!」
「ちょっと二人とも館内は静かに!すみません…」
手続きしてたらさちえさんとマリアが館内を探索し始めた。
「ヒッヒッヒ!元気なおなごに人形じゃあ他のお客人に迷惑掛けなけりゃあ自由に回ってくりゃあいいさねぇ~」
なんと懐の深い女将さんだろうか!
ま、まあこの女将さん山姥だから怒らせたら洒落にならない事は理解できた。
「………」
先程から長船さんがお土産コーナーでなにやら考え込んでいた。
真っ先にさちえさんとマリアを止めてくれそうなのにどうしたんだろうか?
「(あ、あれが欲しいのかな?)すいませーんこれください」
「!?八仙様!」
「まいどー!」
「まあまあ折角の旅行ですし、、はいどうぞ~」
「…大切にします。」
殭屍の表情筋が復活するとこんなに可愛いのか喜んで貰えて良かったなぁ。
しかし、髑髏のネックレスって長船さんの中の厨二病が発症したのか素で妖怪からなのか解らんなあ。
すると購入した土産屋の店主から声が掛かる
「あ、お客さ~ん。人間でも安心して着脱できる殭屍の御姉さんと同型のネックレス今ならまけるから買わないかい?」
「うーん俺には似合わないし彼女が喜んでいるからいいかな」
言えない、ペアルックわっしょいとはならずただただいらないと思ってることなど…
「くうぅっ!兄ちゃん人間のクセに儂ら妖怪の心を痺れさせるねぇ!!気に入った兄ちゃんこれ、タダで持っていきな!」
「あ、有り難うございます。(イラネエェェッ!)」
俺は髑髏のペンダントはとりあえず鞄に詰めた。
長船さんはとても気に入ったらしく早速着用しておりますがその笑顔やヨシ。
「八仙さま~妖木ですよ!」
「!?何処から持ってきたの?」
ぎょっとした…だって、明らかに誰かの長年使い込んだであろう杖をマリアが持ってきたんだもの。
「あーおらの杖のスペアだべその嬢ちゃんがあんたが欲しいって云うからのうやるよ。」
宙に浮いていたマリアの後ろにちょこんと杖をついた鯰顔のお爺さんが話しかけてきた。
「しかしこれ、相当良い妖木なのでは?それに杖としても手作業でしっくり来るように丁寧に削られているようですし?」
マリアから妖木の杖を受け取りじっくり眺めながら語るすると、
「あんた、この杖の事をそれなりに理解しておるな!なら尚更あげるべよ!おらのスペアでお古で良ければ」
「いえいえいえ!こんな素晴らしい物を譲って頂けるとは光栄です!…あ、良ければ黒ヤモリの干物と安酒ですがお礼にどうぞ。」
「ええ兄ちゃんだべ!有り難く頂くべじゃあの」
ー竹の間ー
「さて、風呂行きますか」
「あ、ワタシも!」
「わたしも御一緒します!!」
!!?
「…さちえ殿、今のご時世は混浴は基本廃止されましたよ。あとマリア殿、いくら人形とはいえ殿方と一緒は八仙様次第です。」
「いきなり俺に判断を仰ぐの止めて貰えす!?…さちえさん、マリア残念だけれど別々でね?一応見習いとはいえ仙人ですが邪な仙人ですから欲は基本持ち合わせておりますし。」
そんな感じで訴えていたら
「でもわたし、神隠しにあって実質子供と変わらないですよね?」
「あ、ワタシも!人形ですよ?」
何故頑なに?
「…長船さん御二人を宜しくお願い致します。」
「畏まりました。」
「「ええーー!折角の旅行先なら良いじゃないですかあ!!」」
「喝!!ぶっちゃけ色々アウトなんで駄目です!」
ドキッ温泉!は混浴という甘い誘いを断り漢を貫いた八仙であった。
NOロリタッチ!欲に溺れるのは駄目、ゼッタイ!




