世界観設定やキャラクターなど設定資料まとめ
❖世界観
【大霊戦争までの流れ】
神話上の出来事『災禍戦争』。(最後の異世界転生譚)
近代で勃発した『妖精戦争』。(岐の迷境踏破譚)
そして、現代で起こった世界大戦が、『大霊戦争』となる。
近代の妖精戦争終結後に魔呪術が廃れ、科学という新しい技術が世界を牽引した。
この世界を満たす霊素は真鉱石に代わる燃料として利用された。科学技術は魔呪術の才覚がなくとも万人が使える。革新的な文明の利器である。世は大霊素革命時代へ突入。
しかし霊素は掘り尽くされ、枯渇危機に陥る。
そして世界は国家間を跨ぐ大規模な戦争へ突入した。これが初の世界大戦、大霊戦争である。
その戦争は30年間に渡り、リンゴを齧るような速さで星は抉られ続けた。
悲しいことに人の死体から霊素は取り出され、死者数に比例して燃料は潤沢となる。
戦争は正義を失い、貴族は貧民を殺し、貧民が貴族を殺す。無秩序な革命――世界は混沌に包まれた。
マルドゥークが戦争を終結させたのは70年前。
大陸が抉られ、地図が意味を成さなくなり、この星は約300の島の集まりとなった。
当時、武器商人であり戦時下に戦略技術局長として徴兵されたマルドゥークは事態を憂い、秘密裏に新兵器を開発。
資源に乏しいため、容易に入手できる遺体を素体とした兵器製造の技術『技巧』を確立。
技巧により生み出された『闘技士』は、自国も含めたあらゆる軍を壊滅させた。
彼が独断で行ったのはクーデターに他ならないが、歴史というものは勝者が作るものだ。
新世界秩序が打ち立てた彼を糾弾できるものはいなかった。
国土は海原に浮かぶ島ばかり。
それぞれの島がどの国に所属するのかも曖昧なまま貿易船団が行き交うようになった終戦後、マルドゥークは『円卓』を建設。戦争の残り火を消して回った――これが技巧整備士団の前身である。
終戦と平和の象徴となる円卓に賛同する国が手を取り合い、今後の戦争は闘技士によって行われる形になった。
『あらゆる軍備を円卓は認めない。これは、あまりにも多すぎる犠牲と混沌への戒めだ』
そして50年後(本編の20年前)。
平和記念式典にて、マルドゥークは第一線から退く意思表明の引退演説と、意志を継ぐ者達からなる『最高技巧整備士団IDEA(Illuminated Dexterity Experts Association)』の設立が語られた。
これから先、争うことがあるならば、円卓に認められた代表者による代理戦争の形をとることが決定した。
"Illuminated Dexterity Experts Association (IDEA)"は、「世界で最高レベルの技巧を作り出す者の集団」という意味を持つ。
Illuminated ――知識。洞察力。
Dexterity ――器用、巧妙。
Experts ――専門家、熟練者。
Association ――集団、協会。
55年後(本編の15年前)。
マルドゥーク死去。
世界はその死を悼んだ。
団長であり息子であるブラッドレイは葬儀を執り行い、マルドゥーク無き世界でも混沌の萌芽を摘み取る力を発揮した。
65年後(本編の5年前)。
セフィリアは13歳。幼い頃から叔父の英雄譚を聞かされ育った御令嬢だった。
そして技巧への類稀なる才能、思春期もあって強い力に魅了されていた。はっきり言って誰も手がつけられない問題児だった。
例年行われる記念式典に参列。
会場で自爆テロを敢行する青年トァザと出会う。
少女にとって始めて生で見る暴力だった。戦争とは憧れてはいけないものだと気付く。
67年後(本編の3年前)。
セフィリアは家を出て単身で技巧を学ぶ。
自分の才能はひけらかすための飾りじゃない。叔父に憧れているのなら、意志を継ぐ、覚悟と実力が必要だった。
新しい技巧を求め国を転々としながら、トァザの遺体を素材とした闘技士を制作。ブラッシュアップを繰り返す。
強い技巧を作るという執念に取り憑かれていたセフィリアは、テロという間違った力の在り方を憎んでいた。
叔父が達成した絶対の力……その抑止力による平和を維持することがフィリアの目標だった。
【トァザとセフィリア】
マルドゥークが戦争を強制的に終結させたため、戦勝国と敗戦国の禍根は残り続けている。
人口も資源も枯渇している国で生まれ育ったトァザは親も知らず、テロ組織の中で育ち、自爆テロを行い死亡。
闘技士として生き返ると、事態が飲み込めずセフィリアに襲いかかる。
一人でも多く道連れにして死ぬことで、天国へ行けると、神に愛されると聞かされ育ったのだ。
セフィリアは技巧を停止させてトァザを落ち着かせると、無神論者の立場からトァザの主張を一蹴する。
「神はいないし天国なんてない。そもそもあなたは死んでここにいるの。ここがあなたの『あの世』なの」
そして、強さを求めるセフィリアの、地獄のような技巧試作開発の実験台となった。
身を焦がす痛みと、授けられる超常の力。
日々の中でセフィリアと心を通わせ、価値観は次第に変化していく。
彼女と共になら、貧しい国だって救えるかもしれないと、本当の平和が訪れると信じられるようになった。
セフィリアはザルバニトーを作り上げるが、その強大な力を制御できなかった。
呻き苦しむトァザの姿に心が痛み、己の限界を感じてしまう。
装備した闘技士さえも灼いてしまう問題児、最終兵装は封印。
義肢ごと取り替え、安定性の高いものに置き換えた。
研究のための船旅の中でトァザと打ち解け、家を継がずラザンノーチスで最高技巧整備士団資格を取得。
【なぜセフィリアは家を継がないのか】
セフィリアは技巧整備士になることを父から反対されている。才能を否定され、ただ家の跡継ぎを産むための娘だとされた。
そして母からも、愛されなかった。
セフィリアには『メディナ』という姉がいた。まだセフィリアが産まれる前にジャンヌ=ダルク家の一人娘として育てられたが、生まれつき体が弱く、流行病で亡くなってしまう。母マリーは心に穴が空いたようで、セフィリアに対して放任的になっていた。
家に反抗しているのは、親にかまって欲しい寂しさもあるのかもしれない。
時系列ではここから本編につながる。
【キャラクター】
セフィリア・アストレア 年齢不詳。23(逆サバで成人のふりをしている。18)。
ラザンノーチスの技巧整備士。
無神論者でジャンヌ=ダルク家の娘。
最高技巧整備士団IDEAに加入前から最終兵装を作り出した驚異の天才だが、父からは才能を否定されている。金髪と白い肌。目を酷使したせいで視力が悪く度のきつい眼鏡が手放せない。
過去に戦争終結させた叔父マルドゥークの絶対的な強さに憧れ、家柄を誇り、力に固執していたが、少年兵だったトァザの人生を知り、考えを改める。今は、ジャンヌ=ダルク家にいるだけじゃ技巧の未来に発展はないと考え家出を決意。
姓をアストレアと偽り、実力でラザンノーチスの技巧整備士に登りつめた。
トァザ 年齢25。
技巧により形作られた肉体美を持つ。
武器は前腕に仕込まれたパイルバンカーで、拳とともに懐に打ち込む肉弾戦を採る。
最終兵装はザルバニトー。霊素を実体化させることで二振りの大剣を召喚し、対象を溶断する。
見た目は青年で肌は黒く髪は白い。瞳は緋眼。
闘技士になる前は貧しい国で少年兵とは名ばかりのテロ組織に所属していた。
無神論者のセフィリアが若くして才能を発揮していることにショックを受け、安易に神を語り子供をテロに参加させる洗脳行為になんの救いもないと知る。
アンダー・アーロン 年齢36。
狂った技巧整備士。
本来技巧の制作には死体を用いるが、彼は生身である自身の肉体を技巧化して不正強化している。
ユグド内紛を裏で操り、次はラバニスに加担して世を混沌へと導こうとする。この物語でセフィリアとトァザによって野望は打ち砕かれる。
ティカ・ペネロレッタ 年齢15。
ユグドの御令嬢であったが、内紛で死にゆく民のためにアーロンに身を捧げた。
生きたまま技巧化手術を施され、闘技士となった。
最終兵装は脚が展開する、神話の怪物『スキュラ』のよう。
フレキシブルな八本脚に狼のレリーフが施された技巧は排熱と銃口。武器は脚の矛。
マルドゥーク・ジャンヌ=ダルク 74歳で逝去。
最高技巧整備士団IDEAの開祖でありフィリアの叔父。
国家統一思想のために作られた『円卓』に自身の霊素を秘密裏に保管している。
ケルビム
マルドゥークが創り出した闘技士。
多数の軍隊を相手に単騎で殲滅する、圧倒的武力を持つ。
今は形を変えてマルドゥークと共に『円卓』のレリーフに眠る。
ブラッドレイ・ジャンヌ=ダルク 年齢40。
セフィリアの父。
最高技巧整備士団の団長。闘技士であるメディスンはどの国にも加担しない抑止力の役割を担う。
マリー・ジャンヌ=ダルク 年齢39。
セフィリアの母。
技巧整備士とは関係なく静かに主婦をしている。
物語にはあまり出てこない。過去に長女メディナを亡くしている。
メディスン
ブラッドレイの闘技士。
マリーとともに家事をこなす、優しい霊素の持ち主。
最終兵装は感染。頭部に浮遊しているユニットを相手に飛ばし、メディスンの人格に書き換える。




