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第7話 神降臨

 僕は狂喜乱舞した。あまりの嬉しさに基地内を走り回って、以前落下して骨を折った原因になった木に再び登ってしまった。なんてこったい神様とコンタクトが取れた。しかも次に来たら快僕天を持ってきてくれるという。やはりここは神の地だ。人間である僕に禁断の果実を与えてくれる素晴らしい場所だ。

 神様に感謝しながらお気に入りの作品を読みふけった。ああ、もう快僕天7月号の表紙を見てヤキモキする必要がないんだ。やっと、ナースさんと主人公があの後、どんなパラダイスになっていたのか血涙を流しながら想像していた過去ともおさらばだ。それにしても昨日の今日で来ていたとは神様はいったいどういう人なんだろう。僕と同じように裏山で修業を日課としているのだろうか。そうだとしたら共通点がたくさんあるなと嬉しく思いながら、家へと帰った。

 次の日の朝、パチッと目が覚めた。今までも朝は弱くなかったけれど最近はさらに目が覚めてから起きるまでの時間が短くなった。理由は自分で分かっている、楽しみがあるということがここまで生活リズムを変えてしまうとは思わなかった。生活に張りがあるってこういうことなんだな。いそいそとジャージに着替えると家を出た。

 思い切り走ったせいか、それとも期待のせいか胸の鼓動が異様に早くなっているのを感じながら切り株を見た。

 切り株の上には、朝の光を浴びて神様の祝福を受けているような、とても神秘的な光景がそこにはあった。ああ、これが幸せだったか。

「おはようございます」つい、切り株に挨拶をしてしまった。待ちに待っていた快僕天6月号が目の前に置かれていた。手に取ろうとしたとき、快僕天の下にノートが置かれているのに気がついた。ノートを開いたら、神様からのメッセージが書かれていた。

『6月号。楽しんで』ありがたや。神様。

 ノートにか、6月号にか、それとも神様本人にか、誰もいない秘密基地で深々と礼をした。頭を上げた後、待ちに待った6月号に手をつけた。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。こ、こ、こんなすごい展開が待っていたのか。エロい、ナースエロいよ。リンネ先生最高です。興奮するとともに頭がクラクラしてきた。いかんいかんですぞ、激しい運動をしたばかりなのにこんな血管が激しく脈打つような本を読んでしまっては。つい謎口調になりながら快僕天に話しかけてしまった。

「そんなに真剣に読んでくれるとやっぱり嬉しいわ。」

「り、リンネ先生いつの間に。いや、リンネ先生この漫画すごいよ。大傑作じゃないのこれ!?」

「やだ、そんなに褒めないでよ。照れるわ」

リンネ先生を横目に快僕天6月号を読んでいたら、時計はいつの間にか六時五十分になっていた。

「あわわわわわわ、しまった。熱中しすぎた。すみません、リンネ先生また放課後に会いに来ます。ではさようなら」

6月号をきちんと本棚にしまうと、急いで家に帰った。


学校。終業のチャイムがなった。やっと学校が終わった。これで聖地に巡礼することができる。急いで帰ろうとすると田中に声をかけられた。

「今日も一緒に遊ぼうぜー」

「すまん、今日は用事があるんだ」間違ってはいない、確かに用事だ。

「まじかー、じゃあまた明日」

 田中が少し残念そうな顔をしているのを見てちょっと罪悪感が湧いたけれど、一日中頭の中を占めていた快僕天にはかなわなかった。

「ああ。じゃあ今日は忙しいから。また明日」

 急いで家に帰るとカバンを投げ捨て、自転車に跨り急いで聖地へと向かった。


「お待たせしました。リンネ先生」

「もう来たの、一日経ってないわよ。」

 僕のリンネ先生(28歳、ウェーブがかかった肩くらいまで伸びた髪、おっぱいでかい)が返事をしてくれた。

「そりゃあ、まだまだ読んでない作品が盛りだくさんですから」

「あんまり浮気しちゃダメよ。私を一番見てくれないと嫌なんだから」

「はい!もちろんです!」

僕のリンネ先生(28歳、ウェーブがかかった肩くらいまで伸びた髪、おっぱいでかい、泣きぼくろ付き)をあやしながらほかの作品を読みふけった。


 ぬおおおおおおおおおおお、すっげええええええええええええええええ。



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