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91.旅行支度


『みんなでの旅行、楽しみだね!』

「あぁ、凄い楽しみだな」


 プールに行った日に晃の姉である香織さんが帰ってきた。事前に一緒に行く、それから車を出してくれるという連絡は貰っていた。ちなみに自腹を切ることは一切躊躇わなかったとのこと。



『それにしても香織さんが直接私の家に来たのはびっくりしたけど、お母さんも納得してくれて良かったよ』


 そう。香織さんは彼女の言ったように、成実の母親に今回の保護者役としてしっかりと見ると伝えに行ったのだ。


 成実の母親、それから俺の父親は最近は仕事の忙しさが緩やかになってきており、この前の週末は家にいたのだ。うちはよくあることだったし、晃と白雪もいるからと二つ返事で許可が貰えたが、成実の方は最初はかなり心配されたそうだ。


 というか以前までは自由奔放な人だと思っていたが、もう成人を迎えているし思っていたよりも大人になっていたのだな……


「そうだな。あの人のこと少し勘違いしてたな」

『ふふっ、電話とかRICEのやり取りでたまに暴走しちゃうけど、本当にいい人だよね!』


 成実は香織さんや瑠璃とも頻繁に連絡を取りあっているらしく、夏休み前に学校で瑠璃とすれ違った時にも仲良さそうに話していた。



「それにしても、もうすぐ当日か……」


 今回は静岡の方に、二泊三日で六人で行くことになっている。色々あったが既に宿の予約も済んでいる。


「準備は進めてるか?」

『もちろん抜かりないよっ。忘れ物なんかをして楽しめなかったら嫌だから』


 試験休みや夏休みに入ったばかりの時から全員で相談しつつ、行きたい場所も決めてある。海はもちろん、せっかくだからと向こうで有名な神社や商店街にも行く予定だ。


 また、香織さんが朝に弱い上に代わりの運転手は居ないため、初日の着く頃には交通状況によっては夕方になるかもしれない。

 行きたいところやプランなんかは白雪が本当に軽く立ててはいるが、何かあればその都度臨機応変に対応することになると思う。それに行き当たりばったりでも楽しいだろう。



『……』

「ん、どうした?」

『その、部屋は仕方なかったとはいえ香織さん一人で本当に良かったのかな?』


 旅行券で五人、そして香織さんは一人だけ払うのだが、向こうと連絡して確認した際に六人部屋は元々数が少なかったようで満室。五人部屋が少しと二人と三人部屋がいくつか空いていたので、五人部屋と二人部屋を一つずつ予約したのだ。


「本人が気にしてない、一人の方が落ち着けるって言ってたから、こっちが気にしてもしょうがないと思うよ」

『そっか、そうだよね……』

「あぁ」

『ちなみにだけど、友也くんは一人の方が落ち着くとか、気が楽って時とかある?』

「ん? 俺か? そうだな……まぁ、無くはないけど、一番幸せを感じるのは成実といる時かな」

『そ、そっか……! うんっ、私もだよ!』

「ははっ。……あー、でもそういえば、成実こそ良かったのか?」

『へ?』

「五人部屋で、男子とも同じだけど良かったのかなって思ってな。白雪たちは幼い頃から旅行で同じ部屋になったり、互いの家に泊まったりしてたから慣れてるけど」

『えっとね、皆で一緒ってすごい楽しそうだし、それに五人部屋だけど和室洋室で更に部屋も分かれてるらしいから大丈夫だよっ』

「それならいいんだが……」



 部屋は和洋室の二つ、更にリビングルームのような広い部屋、それから御手洗と大きな風呂も部屋についている。それに宿自体に大きな温泉と露天風呂もあるらしい。

 聞いた時は驚いたし、流石結構高い宿だなと思った。ちなみに白雪は家が和式の広い家だからか、和室で寝れると聞いて喜んでいた。


 多分男女で部屋分けするから、男子が洋室、女子が和室になるのかな。


 寝室は分かれてるし他の人もいるとはいえ、男女が一部屋の中にいるのに意識されていないのは無害だと思われているのか、気にするに値しないのか、はたまたそういうことに無頓着すぎるのか……

 成実は純粋だし、これから先悪人に騙されたり利用されたりしないように注意しないとかな。

 そんなことを考えていると彼女が何かを呟いた。


『お互いの家にお泊まり……』

「……ん? すまん、何か言ったか?」

『あ、ううん、なんでもないよ!』

「そうか?」

『うんっ、気にしないで! そ、それよりも、課題の方はちゃんとやってる?』

「あぁ、もちろんだ。当日までには全部終わらせたいかな」


 七月中には夏期課題を終わらせることが出来れば、時間的にも気持ち的にも随分と余裕が生まれる。


「成実の方は?」

『私ももうすぐ終わるよ。中高だと初めての旅行だから、思いっきり楽しみたいもんっ!』


 彼女は小学生までは父親もいて、家族旅行に何度か行っていたらしい。しかし父親が亡くなってからは、今まで友人と行くこともなく、中学の修学旅行で関西の方に行っただけらしい。


 そういえば課題で思い出したが、晃にもやっておくように言わないとまた最後の方までやらなさそうだな……


『それに一番好きな人とも一緒に行けるんだよっ。これで楽しまなかったらバチが当たっちゃうよ』

「……あぁ、そうだな。当日は思う存分、旅行を堪能しよう」

『うん!』



 俺自身も高校に入ってからは晃たちともどこにも遠出してなかったし、今回は最愛の彼女もいるんだ。彼女の言うようにこれで楽しまなきゃバチ当たりだろう。


 当日までもう少しあるが、今から楽しみで仕方がない。


 夏が終わる。私の休みが……

 というか忙しくなって時間的に書く余裕がなくなるかもしれないのが嫌ですわ。


 そして次回から旅行ですね。というか久しぶりに行きたいな静岡……



 あっ、今回もありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。

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