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9.ボスラッシュ


 週末となり、今日は昼過ぎから成実とマルチをすることになっている。前日の夜も通話しながらゲームをしていたため朝起きると9時過ぎになっていた。


「あっ、お兄ちゃんおはよ〜」

「おはよう瑠璃」


 トーストだけ食べようと二階の自分の部屋から一階に降りると、気分転換にリビングで勉強していたのか、そこには妹の瑠璃が居た。必要以上に話しかけるのも忍びないと思い、挨拶だけ済ませ、ささっと朝食を食べてしまう。


「あっ、お兄ちゃん。英語と現文の記述の採点してくれないかな?」

「いいぞ、確かに記述は他の人に採点してもらった方がいいからな」


 そう言って俺は記述の採点を始める。すると突然瑠璃から変なことを聞かれた。


「そういえばお兄ちゃん、最近夜に何かやってるようだけど、彼女でもできた?」

「なっ、何を言い出すんだ急に……そんなんじゃないよ」

「えー、じゃあ何してるの? 教えてよ〜」

「受験生は兄のことより自分のことを考えろよ……」

「教えてくれないと気になって夜しか眠れなくなっちゃうよ?」

「いや、それちゃんと寝てるじゃねぇか!」


 瑠璃と無駄話をしているうちに記述の採点を終えた。まぁ、息抜きも必要だろうと思い話に付き合ったが、受験は油断してると足元をすくわれるからな。ある程度緊張感を持って頂きたいものだ。ちなみに記述は誰が見ても満点だろう回答だった。


「それじゃ、俺は部屋に戻るからな。まぁ、何かあれば呼んでくれればすぐに来るぞ」

「うん、ありがとね」

「おう」


 瑠璃はそう言って勉強に戻り、俺も部屋に戻る。そのまま原女神を開きアイテムや装備の点検をしている中、ふとフレンド一覧を見ると成実がログインしていた。


『あれ? 友也くんログインしてるの?』

『あぁ、アイテムの整理でもしておこうと思って』

『そっか。もし良かったら早いけど一緒にやらない?』

『もちろん構わないぞ。同レベルになったし今日は俺の方の世界に来るか?』

『うん! そうする!』


 先にログインしていた成実とチャットをし、世界のパスワードを送る。少しもしないうちに成実が俺の世界にインし、ボイスチャットが開かれた。


『今日はこっちにしようかなって!』

「了解。さて、今日は何をしようか?」

『んー、せっかく追いついたんだから二人でフィールドボスに行きたいかな!』

「OK、ひとまずやりやすい南のボスから行こうか」

『うん! よろしくね!』


 そのまま南の亀型ボスの付近にワープをし、早速ボスに挑むことにした。


「知ってるとは思うが、こいつは岩属性でそこそこ硬いが動きが単調だ」

『うん、そして一人がヘイトを集めてる間にもう一人がフィールドギミックを壊すんだよね?』

「あぁ、そうだ。とりあえずボスは引き付けとくからギミックの方を頼む!」

『了解っ!』


 ボス戦を開始し即座に役割分担をしていった。その後はボスの動きが単調だったことに加え、二人で協力していき難なく倒すことが出来た。


「お疲れ様」

『お疲れ様〜』

「アイテムもほとんど消費せずに行けたな」

『そうだね! このまま東のボスも行っちゃおっか?』

「お、やる気だな。なんなら今日のうちに東西南北と中央の神獣まで挑むか?」


 声からテンションが高いことがうかがえたし、やる気もあるようなので少々難易度の高い提案をしてみる。


『えっ、いいの?』

「俺は全然構わないし、倒しきるまで付き合うぞ」

『付き合っ……うん! じゃあやっちゃいましょうか!』

「ん? おう!」


 そうして俺たちは、ストーリーボスとは別の東西南北にいる獣のボスと、それを統べる中央の神獣に挑むことになった。



『あっ、一体降りてくる! 飛んでる方の牽制は任せて!』

「了解、そろそろボスのHPも削りきってやる!」


 東のボスは二体の鳥型で、攻撃力は高いがHPが低いため二人以上でやるとすぐに倒せる。


『わっ、危なっ!』

「もう少し待ってくれ! ギミック破壊にまだかかりそうだ!」


 西の蛇型のボスは、ギミックを解除しなければダメージが減らされる上に、一定間隔で範囲攻撃を仕掛けてくる。


「くっ、普通に強いな……」

『そうだね……。もう少しでボスのHPが半分切るね』

「半分を切ったら狂乱モードになるから更に厳しくなるぞ。攻撃の動きや予備動作も単調になるからよく見れば躱せるから集中していこう」

『うん! 頑張るぞぉ!』


 北の熊型のボスは他のボスとは違い、純粋に高ステータスなため、ある意味一番厄介だ。




 しばらくしてようやく東西南北のボスの討伐を終了した。


『残りは神獣だね』

「そうだな。とりあえず北でアイテムを消費しすぎたから作ろうか」

『うん! そういえば神獣って東西南北の能力を合わせた感じだったよね?あと神獣固有の能力がひとつある感じだったかな』

「あぁ、そうだ。まぁ、東西南北を倒してから挑めば神獣がステータスダウンした状態で戦えるから勝てなくはないと思うが、かなり厳しい戦いになるかもな」

『今日はまだまだ時間もあるし絶対にクリアするぞ〜!』




 そうして準備を終えた俺たちは、神獣の待つ世界の中央にやってきた。


「最終確認だ。神獣は東西南北を倒してから行くとステータスがダウンしているが、固有能力の凍結を使ってくるようになる。予備動作自体は少し長く、攻撃後もスキが生まれるからヘイトを管理しつつヒットアンドアウェイで行くぞ」

『うん! 最初は友也くんからヘイト集めていくんだったね?』

「そうだ。HPを1割削る事に広範囲凍結を使ってくるから、そこで大きく下がった後に成実がヘイトを集めてくれ」

『了解。それじゃ、本番行きますか! 絶対に勝つよ!』

「あぁ、勝とう!」



 そうして俺たち二人は、現在実装されている中でもトップクラスの強さを誇る神獣との戦いに挑戦し始めた。

一日三回更新なんてできていますが、一章完結まではできる限り毎日更新していきたいと思っています。

更新できない日も何かしらの報告を入れると思いますので、最新話のあとがきか活動報告、もしくはTwitterをチェックして頂けると幸いです。

今後ともよろしくお願い致します!

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