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57.ショッピングモール その2


「わぁ……!」

「おぉ……!」


 見上げるとそこには巨大なショッピングモールが建っていた。

 ショッピングモールとは言ったが、中はいわゆる複合商業施設のようになっており、買い物以外にも映画やゲームセンター、ちょっとしたスポーツ施設まである。


「す、凄いな」

「そうだね……!」


 あまり出かけたことの無い俺と成実だからこそ、この規模の建物を見るととても驚いて、語彙力が欠如してしまった。

 しかし、そのおかげで先程までの照れなども吹き飛び、冷静になることが出来た。


「それじゃ、入るか?」

「うん!」



 入口を入ると広々とした空間があり、そこから道が分岐しており、そこを進んで目的の店へと向かうことになる。


 今はおよそ十時頃で、荷物が発生する買い物は午後に回し、昼前まではゲーセンやスポーツ施設を回ることになっている。



「まず最初にここって言うのも変かもだけど、私たちの会ったきっかけがゲームだからね〜」

「あぁ、確かにそうだな。今日は時間もあるし、思う存分遊ぼうか」


 まずやってきたのはゲームセンター。二人ともゲーム好きだが、成実はクリスマスの時と過去にもう一度しか来たことがなかったそうだ。前回に雑多な種類のゲームに触れ、楽しかったようだったので、今回も来ることになった。


 先日晃と行ったところは街中にある比較的小規模な所だったが、ここは様々なゲームがあり、遊び尽くすのは難しいだろう。


 というわけで早速シューティングゲームから手を出していく。元々MMOで敵を狩るのはやっていたから成実も抵抗はないようだ。手際良く敵の頭を鉛玉で撃ち抜いていく様子は様になっており、真剣な表情と相まって、大変魅力的だ。


「あっ、友也くん!」


 彼女の横顔に少しの間見惚れていると、敵が目の前に迫っていた。焦らずに対処できたためダメージもほとんど負わずに済んだが、これでは晃が言っていたようにポンコツと相違ない。今一度気を引き締め、ゲームに集中する。



 その後は某太鼓や、ダンスゲーム、それからやってみたいと言われたのでパンチングマシンのようなものもやった。成実は持ち前の運動神経と反射神経で太鼓もダンスも難なくこなしていたが、パンチ力だけは男の俺が圧倒した。というか初心者にも関わらず、太鼓の難しいまでなら処理できるって……



 それからクレーンゲームでも彼女の才覚を見た。荷物が増えることを案じ、小さめなキーホルダーやお菓子の筐体で遊んだが、少なくとも毎回一つはお菓子を取るし、キーホルダーも五百円で同じものを二つ取れていた。


「はい、これ」

「えっ、いいのか?」

「うん、どうぞ受け取って?」

「なら有難く受け取らせてもらうよ」

「ふふっ、お揃いだねっ」

「あ、あぁ、そうだな……ありがとな」

「どういたしまして!」


 彼女には一生勝てる気がしない。そんなことを思いながらも、俺とお揃いの物のために頑張って取ってくれたことに喜びを感じる。


 その後はカーレースもやったが、そちらは苦手だったようで彼女よりも先にゴールテープを切ることができた。元々誰かと競うよりも協力したり、誰かのために頑張る方が得意なのかもしれない、とそう感じた。



 そして二人でしばらく楽しんだ後、不意にこんなことを言われた。


「プリクラってあるのかな?」

「プリクラか。この規模のところならあるはずだが……あ、向こうの方にあるな」

「せっかくだし記念に撮らない?」

「了解。行こうか」


 彼女よりも身長が高いため、周囲を見渡すとプリクラを見つけることが出来た。しかし、撮ったことなど一度もないため、いくつかあるがどれがいいのかさっぱり分からない。


「んー、私も撮ったことないし……ここでいっか!」

「まぁ、どれがいいとか分からないしな。了解」


 彼女について行き、中に入る。


「えっと、モードっていうのがあるみたいだね」

「通常、友達、それから恋人モードか……」

「私たちは恋人だしね?」

「あぁ、そうだな」


 そうしてお金を投入口へ入れ、恋人モードを選択する。



『恋人モード! それじゃあ、まずは二人で手でハートを作ろう!』


「こうかな?」

「あぁ、それで大丈夫そうだな」


 機械音の命令通り、二人で半分ずつ、手を合わせてハート型を作る。必然的に肩が近くなってしまうが、そもそもプリクラの中が数人しか入らない程の広さなので仕方がないだろう。


『3、2、1』


――パシャ


 眩い光とともにシャッター音が切られた。


『よーし、次はハグをしよう!』


「ん!?」

「えっ!」


 いきなり先程の命令から距離が近づいたため、俺たちは二人揃って動揺してしまう。


「ど、どうする?」

「あっ、えっと……しよっか?」

「お、おう」


 どうやら三段階に分かれているようで、二つ目がこれなら三つ目は何になるんだと心配になる。

 彼女の様子を見ると、顔を赤くして俯いていた。そもそも付き合ってからもうすぐ二ヶ月というのに、ハグのひとつもしたことがないため、彼女も俺もとても焦っている。


『5秒前……』


 カウントが始まってしまったので優しく彼女の肩を抱きしめ、体を密着させる。彼女は抱きしめられるときに抵抗ひとつしなかったが、俯いたままだったため胸に顔を埋めているようになっている。

 鼓動は早まり、もしかするとすぐ傍にいる彼女にも聞かれてしまっているかもしれない。


『3、2、1』


 そんなこちらをよそに、無機質な音でカウントが進む。


――パシャ


 無事撮れたようなので、少し名残惜しいが彼女と離れる。横にいる彼女も顔を真っ赤に染めているが、俺自身もそんな風になっていると分かるほどに顔が熱い。

 プリクラで撮ると肌が白くなるそうなので、顔が赤いのも隠せているといいななどと考えていると三つ目の命令が来た。


 予約機能の存在を忘れていましたね……というわけで予約を入れて投稿忘れを防ぎました。いや、最初からやっておけよって感じですよねすみません。


 それから私、恋人いませんので、恋人モードとか知りませんね……。実際と全然違っても暖かい目で見ていただけると嬉しいです。それに最近色々とありますし、ゲームセンターも行けてないんですよね。また行ける日を楽しみに、今は自宅で我慢ですね!


 次は1時間後に更新入ると思います!

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