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56.ショッピングモール その1

 GWに入ってから数日、今日はデート当日だ。


 今日二人で行く予定のショッピングモールには様々な店が中にあるため、朝から行っても全てを回ることなど不可能に近いほど広い。

 そのため、今日は朝九時に駅で待ち合わせとなっている。


 ちなみに今は八時半、俺は駅前のベンチに腰をかけ、モール内でどのような店があるのかを見ている。一応どこ行くかは大まかに決めているが、店への移動中で目移りすることもあるかもしれないため、どこがどのような店か把握しておくのもいいだろう。


 そうこうしているうちに、九時間近となっていた。


 彼女の姿はまだ見えないな、と考えた時、不意に視界が暗くなる。


「だーれだ?」


 楽しそうな、よく聞きなれた声で後ろからそう言われた。


「はぁ、成実だろ?」

「当たり! 流石だね?」


 振り返ると彼女が無邪気に笑ってこちらを見ていた。目隠しや振り返り際に頬に指が当たるようにする悪戯などをクラスでやっている人を見たことがあり、何が楽しいのか分かりかねたが、実際に好きな人から受けると不快感どころか気分が高揚している自分がいる。


「まぁ、毎日聞いてる声だしな」

「ふふっ、そうだね。私も友也くんにやられても絶対に間違えない自信があるよっ」


 嬉しいことを言ってくれる。


「そういえばスマホで何を見てたの?」

「あぁ、今日行くところって凄い広いだろ? 一応決めてるとはいえ他にも気になるところとかは無いかと見てたんだ」

「ふむふむ、それで何かいい所はあった?」

「いや、二人で調べながら行く店を決めたから特には。まぁ、成実とならどこででも楽しいだろうがな」

「っ! そ、そっか……ふふっ、ありがと」

「お、おう……」


 自分で言ったことだが、後になって俺の方が恥ずかしいと後悔している。彼女とのデートだとしても、よくもまあこんな歯が浮くようなセリフが言えたものだ。しかし、喜んでくれたようなので、これくらいの恥が対価ならば安いものだろう。


 それからよくよく彼女を見てみると、白を基調とした女の子らしい可愛らしい服に身を包んでいた。先程のセリフの後すぐに褒めるのも少し恥ずかしくはばかられたが、晃からも言われているし、実際に似合っているため意を決して声を出す。


「服、似合ってるな……」


 もっと気の利いた事を言えた方が良かったに違いないが、自分は女性経験が乏しいため、これ以上は無理だ。


「あっ、ありがと……えへへ、褒められちゃった!」


 そう言って破顔する彼女。白い服のこともあり、清楚感漂う雰囲気の中、年相応に笑っているのを見ると、こちらまで笑顔になる。


「友也くんもいつもと雰囲気違う感じで凄くかっこいいよ!」

「あ、ありがとう……」


 これは思った以上に効く。髪型も服装も前々から考えており、瑠璃からもお墨付きを貰って、別人レベルでかっこよくなっていると言われてはいた。

 瑠璃を疑っている訳では無いが、彼女から言われると本当にそうなのではないかと思ってしまう。それに何よりとても嬉しい。




 その後、お互いに照れている二人で改札を通り、電車に乗り込む。


「混んでるな……」

「そうだね……友也くん、大丈夫?」


 GWということもあり、電車は混雑していた。彼女を壁際にし、自分の身で守るように立っていたが、電車の揺れにより壁ドンのような状態になってしまった。

 先程のことに加え、頭を動かせば彼女の顔にぶつかりそうなほど近くにいる。


「あ、あぁ、問題ない。あと数駅で着くけど、成実こそ大丈夫か?」

「私は大丈夫だよ……凄く近いね?」


 そう言われ、つい目を逸らしてしまう。


「あぁ、すまんな」

「あっ、友也くんを責めてるとかそんなのじゃなくて、このまま少し動いたら……キスしちゃいそうだね?」

「っ!?」


 これだけ密着しているからなのか、はたまた久しぶりのデートだからなのか、いつにも増して彼女が積極的だ。確かに彼女の言う通り、少し動けば唇が重なってしまいそうな距離にいる。



『次は〜〜駅』



 電車のアナウンスにより、次が目的の駅だと分かる。


「次だな」

「う、うん……」


 できるだけ意識しないようにし、ただひたすらに到着を待つ。


 電車が速度を落とし、着いたと気を抜いたのがいけなかった。停車直前に車体が揺れ、気付けば彼女の頬に唇が重なっていた。


 すぐに離れたが俺も目の前の彼女のように、顔を真っ赤にしていることだろう。以前のデート終わりの時は彼女自らやったことだったため、耳が真っ赤程度で済んでいたが、今は顔全体が赤く染っている。


 俺も俺で気が動転していたが、駅には到着して扉が開いたので彼女の手を握り、ホームへと降りる。



「す、すまん、成実!」

「い、いや、私こそ変なこと言っちゃったり、それに前は私からやったからおあいこだから大丈夫だよ!」


 お互い焦りながら駅のホームで謝りあっていたが、周囲の視線が向いていることに気が付いたため、移動することにした。




「本当に申し訳なかった」

「ううん、大丈夫だよ。それに電車も混んでてすごい揺れたからしょうがないよ」


 駅を出て、ショッピングモールに向かいつつ、そんなことを話し合う俺たち。一旦落ち着きを取り戻したため、彼女と手を繋ぎながら歩いている。


 最初からこんな感じで今日は大丈夫なのだろうかと心配になったが、先程のことは偶然が重なった故の出来事だ。そう起きるはずはないだろうと思い、気を取り直してから目的地へと歩みを進めていった。


 完全に更新した気になってました……本当に申し訳ありません。

 というわけで明日は6時と7時に詫び連投します!


 今回も遅くなったにもかかわらず見てくださった方、本当にありがとうございます。そして良ければ次もよろしくお願いします。

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