5.変わらない月曜日?
「俺もそろそろ行くか」
家の鍵を確認し、学校に向かう。そして、何事も無く到着し一限の準備をしていると、前の席の晃から話しかけられた。
「おはよう、友也」
「おう、おはよう晃」
話しかけてきたこいつは小学生の時からの親友である和泉晃だ。こいつは運動神経抜群で、顔もよく、クラスのムードメーカーのポジションでもある。そんな晃は、普段は一人でいる俺にも話しかけてきてくれる良い奴だ。
……ざわざわ
「ん?あ、天使様が来たのか。相変わらず美しいな」
「そうだな」
なんて晃と二人で話していると
「おはようございます」
天使様こと神崎さんと目が合い、挨拶された。咄嗟の事で挨拶を返せずにいると、晃はいつもと変わらない態度で対応していたため、俺もそれに続く。
「おはようございます、神崎さん」
「お、おはようございます」
にっこりとした笑顔で神崎さんは自分の席へと向かった。いつもは自分の席の周囲の人としか話していないため、神崎さんから挨拶をされた俺たちは周りから好奇の目を向けられていた。
「なんでアイツらが……」
「まぁ、晃はイケメンだしな……」
「天使様は和泉狙いだったのか……」
「勝ち目ねぇじゃん」
などと男子が話している中、女子も小声で晃くんが取られるとかさすがに勝てないと話していると、担任がやってきた。
「よし、今日も全員揃っているな。朝のホームルームは以上だ。今日もしっかり勉強しろよ」
そう言って担任は入ってきて1分もしないうちに出ていった。
「相変わらず適当だな」
「ははっ、そうだな。そういえば一限ってなんだっけ?」
「数学だな」
「マジかよ……」
理系科目が苦手な晃はそう言って落ち込みながら準備を始めた。その間にチラッと神崎さんの方を見ると向こうもこちらを見ていたのか少しだけ目が合った。その瞬間学校での笑顔でなく、この前会った時やゲームの時の雰囲気の笑顔だったのは見間違えではないだろう。
「おっと、俺も準備しないとな」
思わず見惚れかけたが、頭を切りかえ数学のテキストを出し、前回の授業の復習を始めた。
そのまま四限までを何事もなく終えて昼休みに入ると、RICEに一通の連絡が来ていた。送り主を見ると神崎さんだった。
『今日の夜、お時間はいただけませんか?』
驚きを表情に出さないようにしつつ、俺は返信をした。
『もちろん大丈夫だぞ』
そんなやり取りをしていると晃から不思議そうに見られた。
「瑠璃ちゃんから何か連絡来たのか?」
「まぁそんなところだ」
「たまにはあの子の料理食いたいな〜」
以前、家に遊びに来たり、泊まったりしたことのある晃がそんなことを言っていた。
「まぁ、瑠璃は受験が近いし、終わってからだな」
「そうだな。応援してるよって伝えといてくれ」
「おう。それじゃ昼飯食うか」
二人で昼食をとって、そのまま難なく午後の授業を受け終わる。朝のホームルームでは出席確認しかしなかった担任が久々にまともなことを言っていた。
「最近は冷え込むからなぁ。学校来る時もしっかりと厚着をしとくんだぞ。それじゃ話は以上だ」
「起立、気をつけ、礼」
「「「ありがとうございました」」」
予定では明日更新でしたが、中途半端だなと思いまして次の更新は本日21時です。引き続きよろしくお願いします。