表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/143

47.校外学習行きのバスで

 翌日の朝、言われた通りに班やバスの席順、それからパンフレットを渡された。


「マジか! よろしくな、友也!」

「あぁ、こちらこそだ。よろしくな、晃」


 運良く晃、白雪も同じ班となった。担任はクジでと言っていたが、委員や仲の良い人で固めた可能性があるな……まぁ、今回はそのおかげなのでこれ以上は考えないようにする。


 成実や白雪に好意を抱いている男子からとても睨まれているが、決めたのは俺ではないんだがな。ちなみにバスも班で固められ、学級委員長である俺と成実は一番後ろで隣の席となった。




 そんなこんなで当日となった。

 一年の瑠璃も同じ日に博物館へと行くことになっているため、お互いに忘れ物がないか確認してから家を出る。



「……よし、全員揃っているな」


 今日は委員長としてクラスメイトの点呼、スケジュール管理等々をしなければならない。成実が優秀なため俺がすることはほとんどないが。


 全員がバスへと乗り込んだことを確認して、目的の美術館へと出発した。



「友也くんと隣の席〜」

「そ、そうだな……」


 一番後ろということで、周りの目を気にせずに二人で話していられるが、バス内ということもあり、距離が今までで一番近い。


 小声で会話を続けているが、俺の顔は赤く染っているだろう。彼女は気にしていないのか普通にしているが、こちらとしては気が気でない。


 まぁ、嬉しくない訳では無いし、二人で普通に話ができるのはここだけなので、前から気になっていたことを聞いてみることにした。


「そういえば一つ聞いていいか?」

「何かな?」

「成実はどうしてこの学校にしたんだ?」

「あ〜、うん、えっとね……」


 歯切れが悪そうに、目を逸らしてしまった。何か言い難い理由でもあるのだろうか。そう考え始めたときに彼女が口を開いた。


「近かったのもあるんだけど……」

「あるんだけど?」

「友也くんがこの高校に行くって聞いたからなんだよね……」

「っ! そ、そうか……」


 思いもよらない返答が返ってきてしまい、俺も彼女同様に恥ずかしそうに頬を染める。



「そういえば友也、今日のルートなんだけど……あ〜、お邪魔しました〜」

「あっ、お、おい晃!」

「どうしたんだい晃?」

「いやぁ、後ろがとてもアツアツでね。邪魔しちゃ悪いかなぁと」


 俺の制止も聞かずに晃は身体を正面へと向け直し、白雪とそんなことを話していた。タイミング悪く、ちょうど俺たちが照れているところを見られてしまった。



 その後は二人の間に沈黙が流れ、気付かないうちに目的地へと着いていたようだ。


「着いたぞ〜。全員降りろ」


 担任のそんな声でバスに乗っていた生徒が前の方から降りていく。


 委員長として点呼を取るため、俺たちもバスを降りてからクラスメイトを並ばせ、人数を数える。


「全員揃ってます」


 担任へとそう告げ、全体でスケジュールを確認した後、班に分かれて各自で行動することとなった。



 気を取り直して、俺たち四人は班で動き始めた。


「そういえば友也、さっき何があったんだ?」

「い、いや、別に特に言うことじゃないから大丈夫だ」

「ははっ、まぁ、普段は他の奴らの視線もあるしいちゃつけないからなぁ」

「確かにそうだが……凄い恥ずかしい……」

「俺も忘れるし、気にすんなって!」


 晃とそんなことを話しながら歩いていく。ちなみに成実と白雪だが、お互いにお互いと話をしたみたかったらしく、俺たちが話している間に意気投合し、今では楽しそうに会話をしている。


「成実ってお堅いイメージがあったけど、話してみると普通の女の子じゃないか」

「華ちゃんこそ、毒舌だなんて聞いてましたけど、全然そんなことないですよねっ」


 そしていつの間にかお互い下の名前で呼びあっていた。まぁ、二人とも同性の友人がほとんどいなく、クラスでも一人でいることが多かったため、仲が良くなっているのはとてもいい事だと思う。

 成実が敬語なのは学校でのキャラのためだろう。


「いつの間にか打ち解けてんなぁ」

「そうだな。二人とも初対面の人相手には凄く警戒するけど、打ち解けると一気に親しくなるタイプだよな」

「確かにそうだな。いやぁ、良かった良かった!」



 二人に混ざり、俺たちも会話へ加わる。そして仲良くなった四人で美術館の中を歩いて周り、昼食時も和やかな雰囲気で過ごせた。



 そうして楽しい時間はあっという間に過ぎていき、帰りのバスでもまた成実と楽しく会話をし、夕方頃には学校へと到着した。



「それでは解散です。ありがとうございました」


 学校でバスから降り、最後に点呼を取ってから、成実の一声で各々解散していく。



 そして俺たちも解散し、家へと帰っていく。




『今日はありがとな』


 夕食後にそんなことをRICEで送る。


『こちらこそだよ! 華ちゃんとも仲良くなれたし!』

『いつの間にか二人が打ち解けてたのは驚いたが良かったよ』

『うん! やっぱり友也くんと同じ委員になれて良かったなぁ〜』

『あぁ、俺も同感だ。これからもよろしく頼む』

『こちらこそ! それじゃ、おやすみなさい』

『おやすみ』



 成実との日々は以前よりも毎日が鮮やかに感じられる。彼女と一緒になれて本当に良かったと思いながら、俺は眠りについた。

 サブタイトルの割に美術館ほとんど描写してないですね……

 まぁ、四人で関わるきっかけの話ですし、そもそも作品タイトルからも段々と内容離れてってますからね〜

 あ、一応GWか夏くらいにゲームの話入ると思います。


 それでは今回もありがとうございました。また次の更新で会いましょう。



[追記]


 タイトルと一部誤字等の修正を行いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] でもこれをきっかけに、白雪繋がりで一緒に居るていで話せるようになったよね。委員会活動もあるし。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ