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40.水族館

 まず入れたと思っていた六時の予約が入ってなかったことをお詫び申し上げます。


 それでは本編をどうぞよろしくお願い致します。

「ここが例の水族館……!」

「お、大きいな……」

「そうだね!」


 水族館へとたどり着くと、想像以上の大きさに俺たちは圧倒される。

 これは確かに一日で全てを回ることはできそうにない。予め、優先順位を決めておいてよかった。



「それじゃ、行こっか!」

「あぁ、行こう」


 事前に予約していたため、当日券の列には並ばずに入場口へと向かい、水族館へと足を踏み入れる。



 中は空調が効いており、見て回るには過ごしやすい温度だった。


「とりあえずイルカのショーの方へと向かいながら、見て回るか」

「そうだね!」


 そうして水族館の中を歩き始めると、まず出迎えてくれたのは小さな魚だった。


「熱帯魚か」

「わぁ、可愛いね!」


 小さく可愛らしくもあり、光と反射して綺麗でもある。

 ゆっくりと歩きながらそんな魚を見て回り、時々魚の詳細を見たりする。



 そのまましばらく歩いていくと、イルカショーの所へと着いた。


「次は十分後だってね」

「そうだな、席に座って待ってるか」

「うん。そうしよう」



 そして二人でここまでの魚でこの魚が可愛かったなどと話していると十分が経った。


「おっ、始まるみたいだな」

「そうだね! 水しぶきも凄いらしいから後ろの方にしたけど、多分大丈夫だよね?」

「どうなんだろうな……まぁ、他の人も同じくらいのところにいるし大丈夫だと思うがな」


 開始前のアナウンスで前方だと水しぶきがかかる可能性があると言っていた。そのため少しだけ後ろの列へと移動したが、大丈夫だと願いたい。





 そして、そんな願いが叶ったのか、ギリギリのところで水がかからずに済んでショーは終わった。



「凄かったねっ!」

「あぁ、凄かった。あそこまで動き回れるんだな」

「凄い飛んでたよ! それに人の言葉が分かるみたいに動いてたし!」


 ショーが終わってからはこんな調子で成実が興奮しっぱなしだった。まぁ確かに見ていて楽しかったし、凄かったのは事実だ。彼女がここまで興奮しているからこそ冷静になってる部分もある。


「いやぁ、凄かったなぁ。来てよかったよ〜」

「ははっ、そうだな。まぁ、まだ気になるところもあるし行こうか」

「そうだね!」


 話し終えたことで少し落ち着いた彼女と歩き出す。




 二人で歩いていると、そこにはペンギンが待っていた。


「ペンギンだ!」

「いるとは聞いてたが、実際見れるとなんだか嬉しいな……!」

「だね、こんなに近くで見たこともなかったしびっくりだよ!」


 ガラス越しだが、何匹ものペンギンがそこで自由に泳いでいた。それに俺も成実も初めてペンギンを見るため、かなり気分が高揚していた。


 そして自然と握る手の力も強くなっていた。それにお互いが気づき、顔を見合わせる。


「ふふっ」

「ははっ」


 目が合い、どちらからともなく笑いが漏れる。


「なんで笑うのさ〜」

「それはこっちのセリフだよ」


 そんなことを言いながら成実は手を握る力を強める。それに応えるように俺も握り返す。


「離さないでね?」

「当たり前だ。何があっても成実の傍にいる」

「……あ、ありがとう」

「おう……」


 二人の間に沈黙が流れる。



「そ、それじゃ、次のところに行こうか」

「そ、そうだね。時間も勿体ないしね!」



 その後は深海魚やサメ、普通の水族館では見ないような珍しい魚も見て回る。そして、時間は嫌でも過ぎていく。



 水族館を出る頃には太陽も半分以上沈んでいて、夜のレストランの予約している時間も近づいていた。


「楽しかったね〜」

「あぁ、今日は一緒に来れても良かったよ」

「うん、それは私もだよ! でも、楽しい時間はあっという間だね……」

「あぁ……」

「まぁ、お別れみたいなこと話してるけど、これから夕食だけどね?」

「ははっ、そうだな。行こうか」

「うん!」


 歩いているうちに日が完全に沈んだ。夜空が煌めく中、俺たちは二人でゆっくりと歩いていく。



 しばらくして目的地へと着いた。


「ここだな」

「わぁ……凄い高いビルだね!」

「そうだな。ここら辺で一番高いはずだ」


 新しい建物が多くあるこの街で、一番高くそびえ立つビルの最上階が目的のレストランだ。

 若者を集客するためか、メニューの中には比較的安価なものも多く、今日頼む予定のコース料理もその類だ。



 ビルに入り、エレベーターに乗って最上階へと足を運び入れる。



「お待ちしておりました」

「予約していた一ノ瀬です」

「かしこまりました。ご案内します」


 店の入口に立っていたスタッフの方に恭しく案内される。



「なんか凄いところだねっ」

「あぁ、そうだな。料理の味もとても美味いらしいしな」

「楽しみだね!」


 席へと向かいながら、俺は成実と小さな声でそんなやり取りをする。



「こちらでございます。メニューの方は予約していたものをお持ちしますが、追加がございましたら店のスタッフにお呼びかけください。では失礼します」

「はい、ありがとうございます」

「ありがとうございますっ」


 丁寧にお辞儀をし、店の人が去っていく。一応若い人も周囲にいるが、やはり店の雰囲気もあるため、すこし緊張してしまう。


 だが、彼女には緊張している所を見せたくないので、少し取り繕って話をしながら料理を待つことにした。


 んー、水族館行きたいな……

 あっ、すみません。デート編次で終わりです。その後は新学期ですね!


 春、出会いの季節でもあり、別れの季節でもある……まぁ、一応新登場な子がいるだけで、誰も去りませんから


 何度も言っていますが、夏の長期休みに入れば進められますので、しばらくの間は一話更新となります。


 では、今回もお読みいただきありがとうございました。また次回の更新で会いましょう!

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