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38.初デート場所


 先程、瑠璃に新しく水族館ができたということを聞いたため、自分でも少し調べてみた。

 すると、かなりの種類の動物がいるようで、広さもとても広かった。それにイルカのショーなども定番だがあるようだ。成実が魚類や動物を嫌いでなければいいのだが……

 そんなことを考えながら彼女に意見を伝える。



『何かいい所あったかな? 私も色々調べてみたけど』

「一つ提案してもいいか?」

『うん、もちろん!』

「ありがとう。水族館なんてどうだろうか?」

『水族館か……そういえば小学生以来行けてないなぁ』

「そうだったのか」

『友也くんと水族館デート……うん、行こう!』

「了解だ。ありがとな」

『こちらこそだよ!』


 水族館を提案してみると、彼女は快く受け入れてくれた。

 その後は二人でどの魚を見るか、お昼はどうするかなどを話し合い、通話を終えた。


 話し合いの結果、三月の最後の週の土曜日に行くことになった。

 それから、夕食も外で食べることになったので、昼食は彼女が、夕食は俺が場所を決めることにした。いつものように昼前に待ち合わせをし、昼食を食べてから水族館へと向かう予定だ。


「当日が楽しみだな」


 そんなことを呟く。課題を済ませたり、食事場所を調べるために一週間ほど先の予定になったが、今からとても楽しみに思う。



 翌日からは課題をいつも以上に集中して終わらせ、夕食をどこにするのかはじっくりと考えた。


 安直かもしれないが、夜景の見えるレストランなんてどうだろうか。もしくは二人で個室があるところでゆったりと過ごせる方がいいだろうか。

 そんなことを考えつつ、一応夜景の見えるレストランに決めることにした。




 デートの日が近くなり、夕食の予定のレストランに予約を入れておく。そして夜に再び彼女と電話をする。


『もう少しだね! ここ数日間ずっと楽しみにしてたんだから!』

「あぁ、俺も凄く楽しみだったぞ」

『ふふっ、同じだね。それで食事場所は決まったのかな? もし被ってたりしたら申し訳ないし聞いてもいいかな?』

「もちろん構わないぞ。水族館の最寄り駅から徒歩五分くらいの〜〜ってフレンチのレストランなんだが」

『ふむふむ……私の方は水族館近くの洋食メインのレストランだよ!』


 相槌を打ちながら、そのレストランについて調べてみる。値段は学生である俺たちにも払える額で、ネットでも人気のレストランだった。


「いい感じのところを見つけてくれてありがとな」

『えっ、うん! 初デートだから無理しない範囲で楽しみたいし!』


 目的地から近場のいい所を見つけてくれ、素直に感謝を伝える。すると彼女からも返事が返ってきた。


『友也くんこそ、ありがとね!』

「いえいえ、俺だって成実との初デートなんだがら上手くいかせたいしな」

『ふふっ、初デート……。その、エスコートお願いしてもいいですか?』


 彼女は少し照れたような、期待するような声でそんなことを聞いてきた。いつも以上に可愛らしく感じ、すぐに返事をする。


「あぁ、もちろんだ。彼氏らしくエスコートさせてもらうよ」

『うん! 期待してるね!』

「あはは。ご期待に添えるように頑張るよ」



 そのまま二人で当日が楽しみだとか一緒に行けて幸せだというような他愛もない話しをして過ごした。


 まだ付き合って少しだが、話していて楽しく、一緒にいたいし色々なところに行きたいと思える彼女をもっと大切にしていきたいと思った。




 そして迎えたデート当日。身だしなみと、以前に瑠璃にしてもらったように髪を少し整えて家を出る。



 待ち合わせ場所はいつものように駅前だ。そして今日も今日とて一時間ほど早く着く。

 二人ともがいつも早く来るために今日は合わせ時間を早めたが、俺は家だと緊張や興奮で落ち着かなかったので、やはりいつも通り早く出た。



 そして数十分後、彼女が近づいてくることに気がついた。


「お待たせ、友也くん! 待たせちゃったかな?」

「いいや、俺も今さっき来たところだよ」

「ほんとに? なら良かったよ〜」


 そう言いつつ彼女は俺の手を触ってきた。


「……やっぱり嘘だよね? 今日は少し肌寒いから、待たせちゃったせいで手が冷えてるもん」

「あはは……まぁ、でも十分くらいしか待ってないよ」


 確かに今日は少し冷えるが、そんなところで気づかれるとはな……。もっと注意していれば彼女に気を遣わせることもなかっただろう。


「着いたって言ってくれればすぐに来たのに……」

「えっ?」

「その……私も楽しみで準備自体はずっと前からできてたんだよね」

「そうだったのか。すまん、次からは気を付けるよ」

「うん、約束だよ! あ、そういえばさっきの私が来た時のセリフ、なんだか恋人みたいだったね?」


 不意にそんなことを言われたため、先程のやり取りを思い出して少し照れてしまったが、照れ隠しで俺もお返しにとキザなことを言う。


「恋人みたい、じゃなくて恋人だろう?」

「う、うん! そうだね……」


 案の定彼女は照れたが、俺も内心はとても恥ずかしい思いでいっぱいだ。


「こ、ここで話してても冷えちゃうし、さっそく行こうか!」

「あ、あぁ、そうだな」


 彼女のそんな言葉に乗っかり、俺たちは歩き出した。


 改札を抜け、駅のホームへと降りる。少しずつ落ち着いてきたため、俺たちは今日は楽しみだとか、どの魚が見たいかと話しながら、電車を乗り継いでいく。


 そして昼前となり、目的地の駅へとたどり着いた。

 諸事情により、今後忙しくなるので一日一話投稿になると思います。

 二週間後にはまたゆっくりと書く時間を作れますので、どうかご了承くださいませ。

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