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4.日曜日はあっという間

1から3話まで読みにくいなって思い、余白部分などを少しだけ調節しました。私自身未熟である故、今後も修正など加える可能性があることをご理解及びご了承頂きたく思います。

「ただいま〜」




 俺は成実と別れた後、そのまままっすぐ家に帰った。



「あ、お兄ちゃんお帰りー」

「ただいま、瑠璃」

「お疲れ様。今日はどこ行ってたの?」

「あー、えっと、友達と遊びに行ってカフェでだべってそのまま帰ってきたぞ」

「ふーん? まぁ、いいや。お風呂湧いてるしご飯も少ししたらできるからね」

「おう、ありがとな」

「いえいえ、これでもお兄ちゃんの妹ですから!」



 そう言って瑠璃は部屋に戻って行った。やましい思いがある訳では無いが、ただ何となく女子と会っていたことは伏せておく。そして、俺は自分の部屋に戻り荷物を置いて風呂に入ることにした。まだ11月とはいえ、だんだんと肌寒い日が増えてきたので帰ってすぐお風呂が沸いてるのはとてもありがたい。



「さすが瑠璃だな。まぁ、あんまり褒めすぎるとすぐ調子乗るんだよな」



 そうして風呂を済ませ、部屋に戻るとRICEにメッセが来ていた。




『今日はありがとう! また機会があればよろしくね!』

『俺の方こそありがとう。またよろしくな』


「お兄ちゃん、夕飯できたよー」

「おう、すぐ行く」


 成実からのメッセに返事を打っていると、妹の瑠璃から夕飯が完成したとの呼びかけが来たので、ダイニングへ向かった。瑠璃は料理を並べ終え、座って待っていた。



「よし、来たね。温かいうちに食べちゃおう」

「おう、今日も美味しそうだな」

「えへへ〜、そうでしょうそうでしょう! それじゃいただきます!」

「いただきます」



 そう言って二人で夕飯を食べ始める。今晩のメニューは温かい野菜スープに炊きたての白米、それからチキンカツだった。日に日に瑠璃の料理が上手くなっていることを感じながら味わって食べていると、瑠璃が今日のことを聞いてきた。



「今日はどうだったの? 女の子とのデート」

「はっ?」




 いきなりデートと言われ、食べていたチキンカツが変なところに詰まり咳き込んでいると、瑠璃は意地悪そうな表情で笑いながら続けてきた。




「その反応はやっぱりそうなんだ〜。お兄ちゃんにも春が来たね〜」

「いや、そんなんじゃないって! そもそもなんで女子とって思ったんだ?」

「その質問が1番の答えなんだけど、強いて言うなら帰ってきた時に少しだけ表情筋が緩んでたよ?」



 瑠璃は笑いながらそう言ってきた。意地悪になった時の瑠璃には何を言っても無駄だと思い、正直に話すことにした。



「まぁ、確かに女子と出かけたな。けど、あいつとは前からのゲーム仲間だし、デートとかそんなんじゃないって」

「ほんとかなぁ〜」

「あぁ、本当だ」

「そっか〜」



 そう言って瑠璃は納得したのかしてないのか分からないような表情をした。その表情が少し寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。



 食事を再開して、受験を控えた瑠璃に進捗状況を聞きながらその日は夕食を食べ終わった。


「皿は洗っておくから瑠璃は風呂入って早めに寝とけな」

「は〜い」



 そのまま皿洗いを終え、俺は部屋に戻った。



「明日からはまた学校だな……。日曜日って何故こんなにもあっという間なんだ。まぁ、今日は色々あったし、それに来月には期末考査も控えてるから、銀の世界が完全に閉鎖したらたまにはしっかり勉強してみるか」


 そうして俺は月曜日の準備を済ませて、今日のことを思い出しながら、深い眠りについた。





『瑠璃のことをよろしくね友也……』




……ピピッ、ピピッ、ピピピピッ。




「んっ……もう朝か。久々に母さんの夢見たな……」



 アラームを止め、そんなことを言いながら体を起こした。俺が小学生の頃に亡くなった母親と会話する夢は今でもたまに見る。夢の中で母さんに頼まれたとおり、瑠璃の面倒をしっかり見なければなと再確認し気合いを入れ直す。



「とりあえず朝食作って、学校行くか」


 制服に着替え、2人分の朝食を作り、今朝のニュースを見ていると瑠璃が起きてきた。



「おはよ〜、お兄ちゃん」

「おう、おはよう瑠璃」


 そう言って、眠そうにしながら席に着いた瑠璃と朝食を食べ始める。



『寒波が近づいていますね。来月に控えた今年のクリスマスはホワイトクリスマスになる可能性もあるでしょう。』

「もうクリスマスか」

「そうだね。クリスマスが終わったらあっという間に私の受験だね」

「あと3ヶ月。ラストスパートだな。何かあれば協力するし、遠慮なく言ってくれ」

「うん! 頼りにしてるよお兄ちゃん!」




 そう、瑠璃は中学三年生であるため3ヶ月後には受験だ。俺と同じ学校を受けると言っているが、今の成績ならば合格することはできるだろう。



 そうして二人で話をしながら朝食を食べ終え、瑠璃は学校に向かう。俺はというと皿洗いをし、戸締りをしなければならないので、いつも瑠璃よりも後に出発している。


「それじゃ、行ってくるね!」

「おう、行ってらっしゃい」

「行ってきます!」


 そう言って瑠璃は出発した。



「俺もそろそろ行くか」

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