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37.報告と春休み


「そういえば今日はどこに行くつもりなんだ?」

「あー、今日はこの前できたばかりの中華にでも行こうかと思ったが、嫌か?」

「中華か。たまにはいいな」

「おう!」



 そして駅から徒歩五分くらいのところに中華料理店があった。少し早い時間なためか並んでいる人も少なく、すぐに入ることが出来た。




「何にしようかな……」

「俺は餃子とラーメンかな!」

「おぉ、美味そうだな……んー、まぁ、天津飯にするかな」

「決まったか? すみませんー」


 そう言って晃は店員を呼んだので、俺も一緒に注文をした。



「それで……言いたくなきゃ言わないで良いが、どうなった?」

「そうだな、どこから話すか……」


 まぁ、話すとなればバレンタインからがいいだろうと思い、簡単に伝えていく。


「バレンタインの時に彼女からチョコを貰って、ホワイトデーで返事を、ってことになったんだ」

「ほうほう、意外と向こうも積極的なのか?」

「まぁ、そうだな。学校の雰囲気と普段のでは違うし」

「ほー、友也には素を見せていると……」

「……それで、ホワイトデーで俺も覚悟決めて伝えたんだよ」

「なるほどな、それで結果はOKだったと。良かったな!」

「あ、あぁ。なんでOKだったって分かるんだよ……」

「そりゃ、友也とは長い付き合いだしなぁ〜。いやぁ、しかしほんとに良かった」


 冷やかしなどではなく、本当に喜んでくれているようだった。いつもは軽口を言い合ったりする仲ではあるが、心配してくれるし、友達思いの良い奴なんだよなぁ……


「あぁ、ありがとな、晃」

「おう。まぁ、これからが重要だよな」

「ん? どういうことだ?」

「だって相手はあの神崎さんだろ? 学校では隠してた方が身のためだし、行動も制限されるんなら、色々と他の会ったり遊んだり方法を考えないとだろ」

「やっばそうだよな……」


 晃の言っていることは正しい。これからをどうするか、もっとよく考えていかないとな。


「まぁ、幸せならいいと思うがな!」

「それもそうだな。今の幸せを話さないように頑張るよ」

「おう! おっと、ありがとうございます!」


 晃と話していると、注文していたものが完成していたようで、店員が運んできてくれた。


「ありがとうございます。それじゃ、いただこうか」

「おう、いただきます!」

「いただきます」



 その後はなんでもないような話をしながら飯を食い、友人と食べる飯も美味いな、と実感しながら食べ終えた。




「それじゃ、今日も色々と聞かせてくれてありがとな!」

「おう、こっちこそ相談とか色々とありがとう」

「おう! まなた!」

「またな!」


 昼食も食べ終えたので、そのまま別れることになった。

 街ですることも無いので家へと帰宅する。



「ただいま〜」

「あっ、おかえり!」

「おう」



 家に入ると瑠璃が迎えてくれる。瑠璃は少し前に卒業式を終えている。うちの学校に合格したため、彼女は来年から後輩だ。




 そして俺は昼食も済んでいるので、自分の部屋へと向かう。


「明日から休みか」


 少なくない課題も出ているが、毎日コツコツやれば今月中には終わるだろう。ならば彼女と出かけたいところだが、どこへ行こうかと考えているところに、ちょうど考えていた人からRICEが来る。


『春休みって空いてる日あるかな?』

『全日程暇だよ』

『そっか! ならどこか一緒に出かけない?』

『俺もちょうど考えてたところだ。もちろんいいよ』

『やった! どこにしよっかな〜』

『それは夜に通話でもしながら話そうか』

『そうだね! ありがとっ』

『おう』



 彼女からのRICEに、つい笑顔になりながら返信していた。夜にまた通話することを約束したので、今のうちに何をしたいか、どこへ行きたいか考えておこうと思う。




 そして、初デートはどこがいいかと考えながら調べていると、いつの間にか日が暮れてきていた。


「もう夜か……。夕飯作らないとな」


 そう言って俺は部屋を出て、一階のキッチンへと向かう。


「今日は何にしようかな」


 そう呟きながら、冷蔵庫の中を見る。鶏肉があったので唐揚げと、簡単な野菜スープ、白米を炊くことにした。


 しばらくして、後は揚げるだけというタイミングで瑠璃が二階から降りてきた。


「瑠璃、もう少しでできるから待っててくれ」

「了解だよ! ありがとね!」

「おう。あ、スープはできてるが先食べとくか?」

「ううん、お兄ちゃんと一緒に食べるよ」

「了解。リビングで待っててくれ」


 毎日交代で料理を担当しているので、お互いがどれくらいの時間に作り終えるかは把握している。今日もいつも通りの時間に瑠璃がやってきたため、俺もささっと仕上げに入る。



 しばらくして全て完成したので、食卓へと運ぶ。


「瑠璃、できたぞ」

「了解! おぉ、いい匂いだね〜」

「そうだな。それじゃ、いただくか」

「うん。いただきます!」


 今日の唐揚げは外はサクッと、中はジューシーにできたと思う。食べ応えもあり、米が進む。野菜スープを飲み、一息ついていると瑠璃が質問をしてきた。


「そういえばお兄ちゃんたちって春休みに予定あるの?」

「いや、まだ決まってないぞ」

「そっか……。この前、どこか遊びに行きたいなって調べてて知ったんだけど、都心方向に向かって、少し電車を乗り継いだところに新しく水族館ができたらしいんだよね」

「新しい水族館か、なるほど……」

「映画館とか遊園地も定番だけど、初デートで水族館とか動物園っていうのもよくあるらしいしね!」

「そうだな。ありがとう、瑠璃」

「うん!」


 昼間に色々と調べていたが、あまりピンと来るところがなかったため、瑠璃の意見は助かった。


 そのまま食事を終えた俺たちはそれぞれ自分の部屋へと戻っていく。



「連絡入れるか」


 いつも電話している時間に近づいたので、RICEで連絡を入れると、成実も大丈夫だそうなので電話をかけ、先程の話を伝えてみることにした。

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