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33.誕生日プレゼントと日頃の感謝


 俺は一ヶ月間、毎日今まで以上に鍛えることにした。というのも一ヶ月、何もしていないと彼女のことを考えてしまい、気持ちが抑えられないほど膨らみすぎてしまう気がしたからだ。




 そうしてあの日から一週間が経とうとする頃、俺はとても迷っていた。


「瑠璃の誕生日プレゼントどうしようかな……」


 瑠璃の誕生日は今月の二十一日だ。受験の為に努力していたことも知っているし、そんな中でも俺のために気を回してくれていたことも身に染みて分かっている。


「まず、毎年恒例のお菓子は作るとして、他に何か感謝の気持ちを渡したいな」


 瑠璃の好物は俺と同じく甘いものだ。さらに味の好みも近いので、俺の作るお菓子は毎回とても喜んでもらえる。だがそれだけでは少ない気がする。


 自分だけで考えてるだけでは空回りして駄目だと判断し、晃に相談してみる。



『瑠璃ちゃんの誕生日プレゼント? 前にも言ったが友也と一緒にいられたり、出かけたりするのが一番だとは思うがなぁ』

「あ、悪い、この前合格祝いに出かけたから他の案無いか?」

『マジか。そうなると……なんだろな?友也がなんでもひとつ言うことを聞くとか?』

「なんでもなぁ……。受験も終わったし、ほんとにできる範囲でなんでも言ってきそうだな……」

『あはは、そうかもな。まぁ、頑張れよ!』

「おう、ありがとな」



 一応候補にはいれるが、本当に嬉しいか?むしろ別のものの方がいいと思うがな。そんなことを考えながら、次は成実に連絡をする。



『妹さんの誕生日プレゼントかぁ……』

「あぁ、女子の意見も聞きたくてな。待たせてる期間中なのに申し訳ない。頼れる相手が成実しかいなくて」

『へっ!? あ、うん。そういうことなら私もしっかり考えるよ!』

「あぁ、すごく助かるよ」

『えへへ……!』


 実際頼れる女子の相手は成実しかいない。そんなことを伝えると彼女は嬉しそうな照れたような声をした。


『うーん、友也くんから妹さんにか。多分、妹さんって友也くんとすごく仲良いよね?』

「あぁ、そうだな」

『即答……。だったら友也くんが何かしてあげるとか? まぁ、友也くんからのプレゼントならなんでも喜んでくれる子な気もするけど』

「うーん、そうか……」


 そうして俺と成実は少し話し合いながら考える。



「あ、ちなみに本人に何か欲しいものがないか聞くのってアリか?」

『駄目じゃないよ。むしろ家族なら欲しいものを聞いてプレゼントしたり、一緒に買い物に行った方がいいかもしれないね』

「なるほどな。了解、ありがとう! 助かったよ」

『いえいえ! また何かあったら連絡入れてね!』

「おう!」




 翌日、学校から帰宅すると瑠璃がリビングで休んでいた。


「ただいま」

「あっ、お兄ちゃんおかえり!」

「おう。あ、ひとつ聞いてもいいか?」

「なんでもいいよ! 何かな?」

「あぁ、なら聞かせてもらうぞ。誕生日プレゼントで何が欲しいとかってあるか?」

「誕生日プレゼントに? うーん……」


 直接聞いてみると瑠璃は悩みこんでしまった。


「色々とお兄ちゃんからは貰いすぎてるからなぁ」

「いやいや、俺の方こそ瑠璃に助けられっぱなしだから。何かお返しがしたくてな」

「そっか……そうだ! お兄ちゃんに今後何か一つだけなんでも頼める権利!」

「……本当にそれでいいのか? 俺なんかができることなんて限られてるぞ?」

「ううん、これがいいの! 色々無茶ぶりしちゃうんだから!」

「そうか。お手柔らかに頼む……」



 そうして相談した二人が提案していたものに近いものがプレゼントとなった。


 そして迎えた誕生日当日。その日は学校から急いで帰宅する。帰宅後、予め購入しておいた材料を使っていくつかお菓子とケーキを作る。


 これらは日頃の感謝として渡すつもりだ。



  夜になり、瑠璃が夕食を食べに降りてきた。軽めの食事を出した後、先程作ったものを机に並べる。


「日頃の感謝として久々に作ったんだ。食べてくれるか?」

「もちろんだよ。ありがとうお兄ちゃん!」

「喜んでくれたなら良かったよ」


 美味しそうに食べる瑠璃を見て、一安心しつつもうひとつのプレゼントも伝えておく。


「それと前に言ってた言うことを聞く権利ってやつとこれが誕生日のプレゼントだな。誕生日おめでとう」


 そう言いながら俺はひとつのぬいぐるみを渡した。以前、合格祝いに出かけた時にあったものだ。


「これって!」

「あぁ、前にゲーセンに言った時に欲しいって言ってたけど、何度チャレンジしても取れなかったやつだ」

「やった! ありがとうお兄ちゃん!」


 とても喜んでくれ、笑顔になったので俺としても満足だ。そうして、その日の夜は二人でゆっくりと過ごした。




 そして、その日から少し経ち、約束の日を迎えた。



 友也も一ヶ月間待っていますし、告白回の前に別の話を置こうと思いました。

 それに妹の誕生日がバレンタインとホワイトデーの間にあったので。

 受験お祝いの回で一緒に誕生日のお祝いも済ませようと思いましたが、知り合いでバレンタインやクリスマスが誕生日の人が一緒にお祝いされると損した気分と言っていたのを思い出し、別々に分けました。


 もし、成実と出会わなかったら妹が1番大切になってたと思います。妹ルート……



 あ、すみません。お待たせしました。次回、返事の回です。是非、読んでいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] たとえ一番になれなくても、大切な妹としては一番なはず!!
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