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22.初めて


 翌朝俺は目を覚まし、前日の夕飯の余りを朝食として食べる。そして、後になって焦るのも嫌だと思い、今のうちから課題を進めておく。


 昼時になり、簡単に昼食を二人分作り、片方を食べてしまう。瑠璃は朝から自分の部屋で勉強をしている。根を詰めすぎるのは良くないと思ったが、本人がやる気なので、メニューは体に良く、瑠璃の好物も入れている。


 そして俺は部屋に成実に連絡を入れる。


『こっちはいつでも大丈夫だぞ。一試合も時間がかかるし、疲れるから水分を部屋に置いておくといいかもしれない』


 そんなことを送ると、しばらくして返事が返ってきた。


『お待たせ! 今さっきお昼を食べ終わったところだよ。水分も準備したよ!』

『了解。とりあえずルーム開いてID送るからゲームを立ち上げておいてくれ』

『よし、準備完了。いつでも始められるよ! それから通話しながらの方がやりやすいかな?』

『そうだな。電話かけるぞ』


 そう言って電話をかける。するとすぐに向こうも出る。


「もしもし、聞こえてるか?」

『大丈夫、聞こえてるよ!』

「よし、それじゃ、始めるか」

『うん! 頑張るぞ〜』



 そうして俺たち二人はマッチングを開始し、フィールドに降り立つ。ルールは知っているようだったが、初めてということでひとまず誰もいなかった住宅地に降りることにした。


「家の中に入って銃とアイテムを拾うぞ」

『了解!』

「まぁ今回は初めてだし、どれが扱いやすいか、馴染むかを見ながらやっていこうか」

『うん! 一応、朝に練習場で少しだけ触ってみたけど、長距離系のは使ってて楽しい上手くできたよ』

「おっ、噂をすればスナイパーライフルが落ちてたぞ。使うか?」

『うん、使わせてもらうね!』


 そんなことを話しながら、武器やアイテムを一通り拾い終え移動することにした。


「ストップ! 右前に敵二人いたぞ。」

『了解! 私が撃ってみてもいいかな?』

「もちろん構わないぞ」

『ありがとっ! 当ててみせるよっ』


 成実はしっかりと狙いを定め、二人いたうちの一人の頭を確実に撃ち抜く。


『やった!』

「おめでとう! もう一人の方は俺がいかせてもらうな」

『うん、お願い!』


 そう言いながら俺は駆け出す。向こうも相方がやられたことでこちらに気付いたが、対応される前に確実に仕留めていく。まだ半数以上の敵が残っているので周囲を警戒しながら成実と話す。


『おぉー! やったね!』

「おう! 成実の初めての対人戦は難なく勝てたな」

『うん! 上手く当たった瞬間とっても嬉しかったよ!』

「ははっ、それは良かったよ。おっと、余韻に浸ってる暇はなさそうだぞ。前の方で三組がやり合ってる」


 二人で工場のフィールドに移動をすると、前方で三組の敵が撃ち合いをしていた。


「横槍を入れるか、二組が沈むのを待つか。どうする?」

『そうだね……少し待つ方がいいよね!』

「そうだな」


 そのまま二組がやられたのを確認し、俺たちは生き残った一組の背後を突く。


「よし! 片方はダウンさせたぞ」

『ごめん! 私の方は倒せなかった!』

「了解、すぐに倒す!」


 俺が片方をダウンさせている間に、成実が相手のもう片方によってダウンさせられていた。しかし、彼女が確実にダメージを与えてくれていたおかげで俺は素早く仕留めることが出来た。


「終わったぞ。今助けるからな」

『ありがとう。ごめんね……』

「気にするな。成実が確実に当ててくれたおかげで倒せたしな」

『友也くん、ありがとう』

「おう」


 倒せなかったことに少し責任を感じているのかもしれないが、むしろ初めてでこれだけ動けていることに驚きだし、実際に助かっている。



 そうして俺たち二人は協力しながら敵を倒し、残った敵は俺たちを含めて5組となった。


「かなりいい所まで行けたが、銃弾と回復薬が少し心許ないな」

『そうだね。せっかくなら優勝したいけど厳しいかもね』


 好きな人の願いを叶えるのが男の役目、とは思うが現実問題、俺のPSではこのまま確実に勝つことは難しいだろう。


「まぁ、やれる所までは頑張ろうぜ」

『そうだね! 弱気になってちゃだめだよね!』

「あぁ、やるからには最後まで全力でいこう」

『うん!』


 そうして俺たちの最終戦闘が始まった。




 まぁ、結果は二位で終わってしまったが。初めに二組がやり合っており、その戦いが終わったところをもう一組が離れたところから狙った。付近で隠れて様子を見ていた俺たちは敵の場所が分かったため、バレないように近づき仕留めた。しかしながら残りの一組も近づいてきており、背後を突かれて成実がやられる。一矢報いて相手の片方を倒すが、ダメージ量的にもう片方との撃ち合いで敗れてしまった。


『惜しかったね!』

「そうだな……。せっかくなら勝ちたかったな」


 成実との初戦闘だったし、そんなことを心の中で呟く。


『まぁ、まだまだ時間もあるしもう少しやっていこうよ!』

「そうだな。次こそは勝つ」

『うん! 勝とう!』


 その後は合計五試合して、最後の最後に一度だけ優勝することが出来た。その時、成実がとても喜んでいたので俺としてもとても満足だった。

投稿普段よりも遅くなってしまい申し訳ありません。

今後も投稿タイミングが早まったり遅まったりする可能性があります。

できる限り18時の前後辺りにしたいと思いますが、万が一のこともあることをご理解頂きたく思います。

また、本日はこの話と次話、それから短編を1つの投稿します。短編は以前から考えていたもので、この本編の執筆へは影響していないと思います。2時間後に投稿予定ですので、お時間ございましたらチラッと覗いていただけたら幸いです。まぁ、pv数関係なく、今作が一段落したら連載しようと思っていますが。

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