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2.天使様との邂逅

1話、若干修正しました。余白部分の追加と、家を出る前に妹を少しだけ登場させました。




「あなたがユウさん?」




 待ち合わせ場所で待っていると声をかけられたため、操作していたスマホから顔を上げると、そこには学園の天使様が立っていた。







「……え?」




 俺は思わず気の抜けた声を出してしまった。いや、これは仕方がないだろう。プレイヤーネームを呼ばれたと思ったら、呼んだ相手が学園の天使様だったんだぞ?


「神崎さん…?」



 彼女は学校で1番の有名人、神崎成実(かんざきなるみ)その人である。


 入学時に全生徒及び教師の視線を集めたほどの美貌、澄み切ったよく通る声に肩まで伸びた綺麗な茶色の髪の毛、勉強に関しても毎回学年トップ、先月の10月に行われた体育祭でもリレーのアンカーで見事に1着を取っていた。


 才色兼備、文武両道とはまさにこの人のことだろうと周囲からは言われている。



 そんな人が待ち合わせで来たとなったら当然驚くだろう。むしろ冷静に対応出来ている俺を褒めて欲しい。いや、動揺しすぎて一周まわって冷静になってきただけだが。そんなことを考えていると


「あれ? 私のこと知ってるの? もしかして同じ学校だった?」


と、言われたので返事を返した。


「はい、そうですよ。同じクラスの一ノ瀬友也です。」

「えっ、凄い偶然! ずっと一緒にゲームしてた相手が同じクラスだったなんて……。あ、あとそんなに固くならなくてもいいよ? ゲーム内とはいえ、三年間もやってきたんだから」


 確かに中の人がどうであれ、長年一緒にやってきたことには変わりないので普段通りにすることにした。そして、二つの疑問に思っていることを聞いてみる。


「そうだね。なら二つだけ聞いてもいいか?」

「うん、いいよ!」

「学校の時と雰囲気が違うけど、学校では意図してあの雰囲気を出してるのか?」


 そう、最初に声をかけられた時から気になってたことだ。学校では良くも悪くも優秀な生徒としてのイメージしかなく、少なくともゲームの時や今の神崎さんの明るさや人懐っこさは出ていない。

 それに表情もたまに作っている感じがしていた。



「うーん、そうだね。これでも私、意外と人見知りなんだよね? だから学校では取り繕っているんだけど、本当はゲームやってる時みたいなただのゲーム好きな女の子なんだよね〜」

「なるほど……ん? それなら初対面だけど俺は大丈夫なのか?」

「ユウくん……あ、リアルだし友也くんって呼ぶね。友也くんとはずっとゲームしてたからかな? そこまで緊張しないんだよね」


 いきなり美少女から名前呼びをされて不覚にもドキッとしてしまった自分がいる……

 この子はシャーロット、この子はシャーロット。一緒にゲームをやっていたあの活発でたまにポンコツなシャーロット……


「えっと、友也くん、どうかした?」

「あっ、いや、なんでもない。それと呼び方も別にユウのままでもいいぞ」

「うーん、でもまぁ、リアルだし友也くん呼びにするね。それと友也くんも嫌じゃなければ私の事名前呼びにしてね?」


 友也呼びが決定してしまった。嬉しいが、心臓に悪いな。というか神崎さんを名前呼び? しかし……などと考えていると神崎さんが上目遣いで続けた。


「あ、いきなりは呼びにくいよね……。変なこと言ってごめんね」


 そんなことを寂しそうに言ってきた。俺はなんでこんな顔をさせているんだ、と自分を責める。頼まれた通りに名前で呼ぶことにした。


「成実、名前で呼ばせてもらうよ」

「あ、ありがとう!」


 そう言って成実はぱぁと花が咲いたかのように眩しい笑顔になった。あまりの可愛さに俺は顔を背ける。


「どうかしたの?」

「い、いや、なんでもない。それで2つ目に聞きたかったことなんだけど……」

「うん! 何かな?」

「なんで1時間前なのに来ていたんだ?」

「うっ、それは……」


 成実はそう言って少し目を逸らし、言いづらそうにしている。


「じ、実は、今日友也くんと会えるのが楽しみで家を早く出すぎたんだよね〜、あはは……」


 予想外の言葉に俺は息を呑む。それと同時に、同じ気持ちだったんだなと思い安堵する。


「そ、そういえば友也くんの方が先に来てたけど、どうしてかな?」

「それは……いや、俺も今日が楽しみだったんだよ」

「そっか、私と同じだね……!」

「あ、あぁ、そうだな」


 正直に今の気持ちを伝えたら眩しいほどの笑顔が返ってきたため、少し素っ気なく返してしまった。このままだといけないなと思い、移動しないかと提案してみる。


「とりあえず、ずっと駅前にいるのもなんだし、近くのカフェにでも入ろうか?」

「うん、そうだね! この近くだと数分歩いたところに落ち着いた雰囲気の喫茶店があったはずだよっ」

「じゃあ、そこに行くか」

「うん!」


 そうして、俺たちは不思議なファーストコンタクトを終え、近くの喫茶店に向かった。


今回もお読み頂き、誠にありがとうございます。まだまだ描写が甘かったり、分かりにくかったり拙い文章だなぁと自分でもしみじみ感じております。今後も精進していきますのでどうぞよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 学校てクラス違うとかならわかるけど流石に同じクラスで顔も名前も知らないのは無理があると思います…………
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