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120.半年の予定



 翌日。いつものように学校へ行き、クラスメイトが文化祭の話などをしているのを小耳に挟みつつ、放課後を迎えた。



「ん〜、何にしよっか?」


 文化祭での衣装を先に決めることにし、今は俺の部屋でその相談中だ。


「ベターなのはメイド服、執事服だよな」

「そうだね〜。でもせっかくコスプレ喫茶をするなら何かちょっと変わったのも良いかもだよね?」

「そうだな。なんなら喫茶とは関係なくコスプレをしてもいいかもな」


 もちろん風紀を乱すようなものはダメだが。そんなことを考えてふと思った。


「そういえば、よくコスプレ喫茶で許可が出たな?」


 クラスの模擬店の申請は彼女の方で提出をしたのだが、よくよく考えれば普通の喫茶店や模擬店よりも制限の指定もしにくいこともあり、許可が下りない可能性も十分あったのだ。


「私の方でしっかりとチェックするって伝えたらそれなら安心だ〜って言ってくれたよっ」

「なるほど……。ありがとな」


 彼女が教師や生徒間での信頼が厚いからこそ許可が下りたのだと思う。俺や他の生徒だったなら簡単ではなかっただろう。



 その後、いくつか案を出したり調べて似合いそうかなども見たが、結局彼女はメイド服、俺は執事服となった。


 互いのどの衣装が見たいかを選択肢から選んだ結果だ。


「ふふっ、色々話し合ったけど、普通なところに落ち着いたね」

「あぁ、そうだな」

「ちょっとシンプルな気もするけど……何か付け足す?」

「でも執事服やメイド服に合わせるならウィッグとかメガネくらいしか無くないか?」

「あとはカチュー……や、やっぱりなんでもないっ」


 カチューシャと言いかけて誤魔化す彼女。あの――俺にとっては可愛かったし幸せだった――時からもうすぐ一ヶ月か……

 歯止めが利かなくなりそうと思って普段はスキンシップを抑えているが、あの時は今までで一番触れ合ったと思う。今思い出しても少し恥ずかしい。


 彼女もいつになく甘えてきたのだが、それが恥ずかしく思えるのだろう。しかし、よく似合ってたんだけどな……


 と、そんなことを考えていると彼女から思わぬ一言が。


「……と、友也くんがして欲しいって言ってくれたらするけど……」

「い、いいのか?」

「うん……。今、あの時のこと考えてたでしょ?」

「あ、あぁ」

「私も猫耳って聞いて毎回恥ずかしがっててもダメだと思うし、それに友也くんに喜んで貰えることはしたいから……」

「っ!」


 俺が頼めばしてくれる。それに彼女の恥ずかしさの克服にも協力ができる……それなら……


「もし辞めたくなったらちゃんと言ってくれよな? 無理なんかはして欲しくない」

「うん、約束するよっ」

「……それじゃ、お願いしてもいいか?」

「うんっ!」


 姿勢を正して頭を下げる俺と元気良く答える彼女。


 ……話している内容は猫耳だし、傍から見れば凄く滑稽では? などと後から思ったが、少なくともこの時は真面目に受け答えをしていた。



 そうして文化祭のメニューなども話をし、もうひとつの目的である付き合って半年記念に何をするかも話し始めた。


「友也くんとしたいことって色々あるんだよね〜」

「俺も同じだよ」


 また二人でデートするのも、家で二人でゲームするのも良い。他にも行ったことない場所に行ったりしたことないことを色々としてみたい。

 しかしせっかく半年なんだから普段はしない特別なことの方が良いかもしれない……


「遊園地とかも行ってみたいし、まだ一緒にやってないゲームもしたいでしょ? 他には〜……」

「……ははっ」

「友也くん? 何か思いついたの?」

「あぁ、いや、そうじゃなくてさ。なんだか半年も経った実感がないような、でも成実が傍にいるのが当たり前で安心出来るような感じがしてな。やっぱりものすごく好きなんだなぁって思ってな」

「っ、い、いきなりそういうのはずるいと思うな……?」

「あっ、す、すまん」

「ううん。でも、ありがとっ……あっ!」

「どうした?」

「こんなのはどうかなっ?」


 誰に聞かれないためでもなく、ただ彼女が隠し事を伝えるみたいに口に手を添えて見せたので、俺も彼女の方へと寄って耳を向ける。


「……なるほど。今までやってなかった分、少し特別な方がいいかもだし、それに来月ならハロウィンシーズンだな」

「うんうん! 一回で二度美味しいよね!」

「まぁ、正確には二回だけどそうだな」

「えへへ〜、でも友也くんがオッケーしてくれたのはちょっと予想外かな?」

「ん? あぁ、まぁ、少し恥ずかしさもあるけどせっかくの誘いだし、十四日は休みなんだから徹夜で二人でするのもいいかなってな」

「ふふっ、ありがとね、友也くん!」

「いや、こちらこそだ。ありがとな、成実」


 そして気付けばすっかり外が暗くなっていたので、彼女を家まで送ってからその日は終了した。




 ようやく忙しい週間から明けたけど、久しぶりすぎて書くスピード遅くなってました……

 一日数百字ずつ書いてますが、遅いのは許してください〜……


 それでは今回もありがとうございました。また次回更新でお会いしましょう!

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