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101.旅行終わり


 俺と成実が普通に話せるくらいの雰囲気になった頃、一人二人と起きてきて、食事時には全員が起床した。


 そして食後、チェックアウトまでには少し時間があるが、帰りのことを考えるとそんなに長居するのも良くないだろう。


「あとは帰るだけかぁ……」

「あぁ、名残惜しいけど。あ、晃は帰ったら課題をやらないとだね」

「うっ、そうだった……!」


 俺、成実、白雪は先月の間にほとんど終わらせているのだが、晃はまだ残っているらしい。瑠璃も計画的にやっているようだし、香織さんはそもそもあるのか知らないから、この中だと晃一人だけか……

 まぁ、助けを求められれば協力するつもりだが、今年は白雪が付き合いそうな気がするな。


 そんなことを話しているうちにも時間は少しずつ経っていた。

 口にはしなくても全員が帰りたくない気持ちなのは伝わってきた。だらだらと帰りを渋っていたが、誰からともなく「帰ろうか」と言い、それに皆が頷いて帰ることになった。




「ふふっ、みんなお疲れね〜」

「そうですね」


 宿を出て車に乗った時くらいには全員起きていて、海を眺めていたり、雑談していたりもした。

 それが今では運転手の香織さん、助手席の白雪、あとは一応俺も起きている。とはいえ俺に関しては半ば寝ているようなもので、目は瞑り、耳だけが働いている。



「華ちゃんは今回の旅行、楽しかった?」

「えぇ、楽しかったですよ」

「私も、久々にみんなと来れて良かったわ」

「ふふっ、それは良かったです」

「あら、友也くんも寝ちゃったわね。華ちゃんも疲れていたら休んでいいのよ?」

「いえ、しっかりと寝れていましたし、もし眠くなればその時は伝えますよ」

「そう? うちの弟と二人きりだったみたいだけれど、何もされなかったかしら?」

「ふふっ、大丈夫ですよ。晃はそんな人じゃないのは華さんも分かっているでしょう?」

「そうね。それじゃあ逆に、あなたからは何もしなかったのかしら?」

「……えぇ、してないですよ。私か晃、どちらかが積極的なら今の関係が何年も続いていなかったと思います。……まぁ、晃がどう思っているのかは分からないですが」


 寝ていると思われているが、耳と脳だけが僅かに起きていたため話の内容を聞いてしまう。そして聞かないように寝ようとしても、なかなか眠りにつけない状況が続く。

 とはいえ、寝る直前に聞いた内容なんて覚えていることの方が少ないので、目が覚めた頃には忘れているかもしれない。



「うふふっ。やっばり若いっていいわね」

「まだまだ香織さんも若いですよ」

「そうかもね。でも……大学入って一人暮らししてみて、色んなことの大変さとか、酸いも甘いも経験して、精神的にはちょっと老けちゃったわ」

「……」

「うん、ちょっと内面も変わったって自覚してるわ。もし、友也くんたちみたいに良いパートナーでもいたなら、辛いこととかも楽だったかもしれないわね」

「……だから私も大切なパートナーを作るべきと?」

「ううん、そうは言ってないわ。これは私の場合だけど、もしそんな相手がいたら、成長せずにもっと楽な方へ逃げていたと思うわ。まぁ、華ちゃんは十分大人だから、そういう相手を作るのもいいかもしれないわね」




 ふと目を覚ますと、ちょうど車がバックして、停車するところだった。


「あら、友也くん。起きたのね?」

「あ……はい、おはようございます」

「あと一時間程で着くわ。それで今は私の休憩。ちょっと御手洗行ってくるわね」

「えぇ、分かりました」


 香織さんはそう言って車から出ていく。


 ここはどこかのサービスエリアだろう。他の四人は確かに寝ている様子だった。そもそも自分がどこで眠りについたかの記憶も曖昧だ。


「何か考え事のようなものをしてた気がするんだけど……」


 宿を出て海の眺めて、晃が眠りに落ちたくらいまでは記憶があるが、その後はほとんど何も覚えていない。まぁ、覚えていない上にメモなんかも無いのなら大切なことではないだろう。



 そうして香織さんが戻ってきた後、目が冴えてしまったので話し相手になってもらいながら、帰りの道のりを車が走っていった。



「わざわざ家までありがとうございました」

「ありがとうございましたっ」

「ふふっ、気にしなくていいわ。それじゃ、お疲れ様」

「はい。香織さんたちもお気をつけて」


 遠慮はしたが、家の前までわざわざ送ってもらった。晃の家と一番離れているうちから順なので、香織さん自身の帰宅は白雪家、成実家、そして自宅という順番になるだろう。


「本当にありがたいな」

「そうだねっ。とりあえずお兄ちゃん、家に入ろう!」

「そうだな」


 送ったもらったこともそうだし、保護者役として来てくれたことも、瑠璃との同室を嫌がらなかったこと。他にも気遣いなども今回色々としてもらった。

 何があったのかは知らないが、本当に以前とは変わったと思う。



 そうしてしばらくしてから晃からの連絡もあり、全員が無事に帰宅をしてようやく、俺たちの旅行は幕を閉じた。


 帰りの回に書こうと思ったこと、よく考えたら全部行きとか旅行中に終わらせていた……!? まぁ、半分冗談です。

 というか旅行帰りって名残惜しいし、道中は謎に眠くなりますよね。久しぶりに行きたくなってきました……


 そして今回で旅行終わりですね。次回から夏休み後半ですっ。書きたいことが多すぎるぅ……


 とりあえず今回もありがとうございました。また次回からもよろしくお願いします。


 

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