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ひい婆ちゃんと黒猫と僕

作者: すみ いちろ

夜の黒猫


金色の目


影に潜んで


のぞいている


台所のすみ


冷たい床


電気は消されて


リビングだけ


明かりがもれる


笑い声


裏側にいる


黒い毛並み


ツヤツヤと


暗い天井


押し黙る


動かずにいる


時間が止まる


どこかで


サイレン


赤い光


夜の台所


息をひそめる


黒猫の


みつめる先


変わりはしない


閉められた扉


ても無く


呼吸を止めて


みつめている


電話の音


鳴り響く


消える音


時計の秒針


コツコツコツ


冷たい廊下


鳴り響く


振り子時計


昭和の文字


真夜中の


向かいの鏡


1時間置き


振り子の音


玄関に


首から上


鹿の剥製はくせい


トイレに子ども


そろりそろり


きしませる


床の音


ヒンヤリと


裸足はだし


隙間から


裸電球はだかでんきゅう


明かりがもれる


和式トイレ


まぶしいタイル


芳香剤


刺激臭しげきしゅう


ぶら下がる


ハエ取り紙


ぶるっと震える


大きな音


流れる音


納屋なやの2階


木の梯子はしご


天井から


床まで届く


電気のヒモ


ひい婆ちゃんが


出る…


噂話うわさばなし


ひとり眠る


ひい婆ちゃん


天井みつめて


目を閉じる


黒猫が


ニャーと鳴く


今夜は


ここで


ひとり眠る




































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― 新着の感想 ―
[一言] はは、いいですねえ、これ。 古い田舎の家に行った子供の、見慣れない環境での夜の恐怖。ホラーの様には恐ろしくないけれど、じわじわと来るような。 ずっとずっと昔、父方の祖父母の所に行った時には…
[一言]  読ませていただきました。 なんだか、懐かしくも怖い、幼い頃を思い出す作品でした。 子どもの頃、泊まりにいった、じいちゃん家を思い出します。 黒電話に裸電球、タイルばりのボットン便所に、…
[一言] すみさん、こんばんは。 うちの父の実家は県内で遠くはないけど、かなり田舎です。トイレは10年前くらいに行ったときはまだ汲み取り式でした。子どもの頃よく遊びに行きましたが、祖父母の方言が半分く…
2021/02/21 01:26 退会済み
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