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079、聞いていい事と悪い事があります

初めは、全50話くらかな~って予想してたんですが、気付いたら、だらだらとこんな所まで来てしまいました!

自分でも驚きです!そしてまだまだ続きます……。後何話くらいだろう…?

今後ともお付き合いいただけると嬉しいです!



「シルフィーが兄上に会ってくれると、その後のアル兄上の機嫌がいいから助かるよ」

「ふぇ?」


 アル様とのお出かけの次の日。生徒会のお仕事をしていたら、ルートお兄様にそういわれました。


「シルフィー、昨日アル兄上と出かけたでしょ?」

「はい」


 森へのお散歩はすっごく楽しかった。今度は生徒会の皆でも行きたいくらい。そういえば、皆って馬に乗れるのかな?リシューとルートお兄様は乗れるけれど、ソフィアとリリーお姉様は乗れるんだろうか。今度聞いてみようかな。


「帰って来た後すっごく機嫌がよかったから」

「そうなんですか?アル様もお出かけ楽しかったならすごく嬉しいです!」


 昨日はいつもより長い時間一緒に居られたから、とっても楽しかった。今度アル様と遊んだときは私から夕食に誘おうかな。


「楽しかった?」


 ルートお兄様が優しい目で聞いてくる。


「はい!とっても!お馬さんに乗ったんですよ!」

「ふふ、アル兄上に聞いたよ。ロットと仲良くなったんだって?」

「ロット、すっごく賢いんですよ!……あの、ルートお兄様に聞きたいことがあるんですけど…」

「ん?なに?」


 私は昨日一日ロットと過ごしてきて疑問に思っていた事がある。絶対ないって分かっているけど、それでも気になる事。


「あの、ロットって馬ですよね…?実は人間が化けているとかじゃないですよね?」

「い、いや流石にないが…、どうして?」


 だよね。流石にないよね?


「だって、ロット賢すぎるんです!馬ってそういうものなんですか?」

「あー、確かにロットは賢いけど、そういうものって言われたらそういうものかな…?」


 じゃあ、ロットは確かに賢いけれど、馬って言うのは基本皆賢いって事?なるほどね。


「馬によってはシルフィーみたいな性格の馬もいるけど…」

「えっ…!」


 ちょっと!それは聞き捨てなりませんよ?!私みたいな性格の馬ってどういう事ですか?!

 ……いや、きっと私みたいにしっかり者で隙の無くて大人っぽくて綺麗な馬がいるっていう事ですよね?さっきルートお兄様は馬は賢いのが多いって言ってたから!

 それを言うと、何故か皆に可哀想なものを見る目で見られました。そんな目で見られている私が可哀想ですよね?!皆ひどいです!


 いつかお胸が大きい背の高くて美人な女性になってやるぅ!


「いつか大きくなって皆の事見返してやるんだから!」


 あ、リシュー笑ってる!絶対無理だと思ってるでしょ?!失礼な!悪役令嬢って言ったら綺麗系が鉄板なんだから、悪役令嬢の未来もある私だって綺麗系になれる可能性はあるんだからね!


 絶対笑った事後悔させてやるぅ!


「……そのままのシルフィーでいて欲しいな」


 ルートお兄様とリシューが「癒される…」と言いながら私の頭を撫でてた。そのままって小さいままって事ですか…?絶対嫌です!





「にしても馬か…」


 ルートお兄様が悩ましそうな顔でつぶやいた。


「ルートお兄様、どうしたんですか?」


 ルートお兄様の珍しい顔に、私もリシューも思わず心配になる。もしかして馬関連で何か良くない事でもあったのだろうか?


「大丈夫、ルートにぃ?」

「え、あぁ、ごめん。そんな深刻なことではないんだ。ただ、ちょっとふと考えた事があっただけ」

「考えた事…?」


 ルートお兄様は私達に疑問を残した後、ソフィアに目を向けた。ん?ソフィアに関連する事?


「ソフィアは馬に乗れるのか?」


 どうして急にソフィアにそんなことを聞くんだろう?私も聞きたいと思っていた事だけど、それをルートお兄様に言ってないし、ルートお兄様が聞く意味も分からない。もしかして、生徒会でなにか馬に乗ってする事があるのかな?そうなれば私も一人で馬に乗れるようにならないといけないのだろうか。


「…後ろに乗せて頂いたことはありますが、一人では乗れません」


 ソフィアも質問には答えているけれど、どうして聞かれているのか分からないように疑問を頭に浮かべている様子をしている。


 でも、ソフィア、私と一緒だぁ!そうだよね、普通女性って乗馬をする機会ってないから、一人で馬に乗れなくてもおかしくないよね!けれど、馬に乗るのはすごく楽しかったから、私も乗馬を習いたいかも。一人で乗るのはやっぱり二人で乗るのより難しいよね…?難しいかな?簡単な訳はないと分かっているけど…。もし乗るとしたらロットに乗りたいな。今回仲良くなったと思うから。


 ……ん?何だか、空気がひんやりしてきた?さっきまで丁度過ごしやすいくらいの気温だったのに、今は少し寒い…?この冷気の出どころは……、ルートお兄様。


 ん?ルートお兄様?どうしてそんな冷たい空気を発しているのですか?!


「へぇ、乗せて貰った…?誰に…?」


 ふ、ふえぇ…!何だかルートお兄様の顔が怖い!今回はその対象が私じゃないからいいけど!……いや良くない!どうしてソフィアはルートお兄様にそんな目で見られているの?!


「え、お父様ですけれど…」


 ソフィアも戸惑いながらそう答える。


「あぁ、そう」


 あれぇ?さっきまでの冷たい空気が消えちゃった。良かった風邪ひくかと思った!

 ルートお兄様の怖い顔もいつもの優しい顔に戻ったって事は、ソフィアの答えがルートお兄様にとって悪くなかったって事だよね?良かった!でも、ルートお兄様はどうしてあんなに怖い顔をしていたんだろう?どうして機嫌が悪くなったのかな?


 リシューとリリーお姉様が何だか気の毒そうな目でソフィアを見ているのも気になる。私にはよく分からない。今、私の事、お子様って思いました?お子様じゃないですからね?精神年齢で言うと…、あ、20を軽く超えるので、やっぱり言いたくないです。気にしないでください。





 そして次の日、登校してきた私とソフィアは顔を合わせると、お互い昨日の話を持ち出した。


「それにしても、昨日、そうしてルートお兄様はあんなに機嫌が悪くなったんだろう?」

「そうよね…。私にも分からないわ。でも、すぐに元に戻ったし…」

「ねー、どうしてあんなに怖い顔になったんだろう?」


 ソフィアの返答で元に戻ったわけだから、ソフィア事が原因だったのかな?でも、昨日の会話の中でソフィアがルートお兄様の怒りに触れる様な発言はしていない。…と思う。


「リシュハルト様は分かる?」

「あ、そうだね。リシューなら分かるかも。昨日の生徒会室でも、リリーお姉様とリシューは何か分かっていそうな表情だったから」


 私とソフィアがリシューに助けを求めようとすると、何故かリシューは遠い目をしてしまった。なぜ?


「……どうして僕のまわりにはこう、鈍い人が多いんだろう」


「「へ?」」


「シルフィーだけだと思っていたのに…」

 

 何だか、最近、私の周りの人って私に遠慮が無くなってきていません?私だって傷つくんですよ?よく分からないけど、けなされているのは雰囲気で分かるんです!

 つまり、私はリシューに鈍いって思われているんだよね?失礼な。でも、


「ソフィア、私達の周りに鈍い人っているかな?」

「うーん、今まであまり気にした事ないから分からないわ」

「だよね…」


 他に鈍い人なんていないと思うけどな。寧ろ私より鋭い人ばっかり。…、そうですよ。周りが私より賢くて鋭いからそう感じるだけで、私は鈍くない。周りが鋭いだけ。私は普通。はぁ、安心した!


「ねぇ、リシュー、鈍いって誰の事?」

「いや、気にしないで…。シルフィーはそのまま、可愛いままでいて欲しいから」

「うん?よく分からないけど、分かった…?」


 つまり、私はこのままでいいんですね?……あ、ダメだ。本題とずれていってる。ルート兄様がどうしてあんなに怒っていたかだよね。リシューに聞くと、


「ルートにぃの考えを僕が考察して話すなんて、そんな恐ろしい事はしたくないな」


 と返されました。確かにそうだよね。ここで結論が出たとしても、それは私達の推察でしかなくて、ルートお兄様の考えとは違うかもしれない。それを答えとばかりに納得するのは良くないかもね。ルートお兄様にも失礼だし。

 ……なんだか、リシューに上手にはぐらかされた気がしないでもないけど、ソフィアも納得している様子だからいいかな?


 あ、そういえば私、ソフィアに聞きたいことがあったんだよね。ソフィアはヒロインだけど、今の所アル様と出会う機会はないから、小説は全然進んでいない。そもそも、小説のヒロインと第二王子の出会いも思い出せないけど。多分、小説では早い段階でソフィアが光の属性を持つって分かっていたから、王家と関わりがあったのではないのだろうか。でも覚えていないからこそ、いつ小説のシナリオが始まるのか分からない。もう始まっているのだとは思うけど、私がその重要な部分を思い出せないのが問題。


 そして、私が今考え付く中で、ソフィアが5歳も年が違う第二王子のアル様と出会う機会なんて、私を通して、もしくはルートお兄様を通してしかない。…と思う。ソフィアは私にそういう話を全くしてこないから、するとしたらルートお兄様とだと思う。ソフィアがアル様と会うためには城に行かないといけない。その為の理由を作るとしたら、


「ソフィアは、ルートお兄様の事が好きなの?」


 あ、間違えた。正確には、ソフィアはルートお兄様の婚約者に一時的にでもなるつもりはあるの?っていう意味合いの事を聞こうとしたんだった。間違えた。弁解しようとしてソフィアの方を向いた…………、





 ごめんなさい、もう絶対聞きません。





 その瞬間のソフィアの顔は一生忘れないと思う。軽い気持ちで聞いていいことと悪いことがあるって分かりました。

 なんて表現したらいいんだろうね。前世で言うと、Gから始まる髭男爵にあった時みたいな顔。今までそんな顔で見られた事ないから私は少し傷つきました…。

 というか、ルートお兄様。リリーお姉様にも同じような反応をされていませんでしたか?ルートお兄様は結婚相手として最適だと思うのだけど、どうしてそんなに拒否されるのだろう?性格よし、見た目よし、身分よしなのに。不思議な事もあるもんだ。


 結局、弁解はできませんでした。その類の話題を出すのも少し怖いです。




もし、少しでもこの小説をいいなぁって感じたら、☆☆☆☆☆を★★★★★にしてもらてると、すっごく嬉しいです!

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