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067、放置しないでください

今回は会話文が多いです…。そして、内容も主人公視点少ないです。



 やってきました次の日!つまり、授業初日!今日からリシューとは別々に登校!って思ってたんだけど、やっぱり迎えに来てくれました。何でもアル様の命令みたい。「シルフィーを一人で登校させるなんて正気?」とすごまれたそうです。やっぱり子ども扱い。ご迷惑をおかけします。



 そして、リシューと一緒に教室に向かった私達はドアの手前でソフィアを見つけました。


「おはよう、ソフィア!」

「おはよう、シルフィー。今日も可愛いわね」

「あ、ありがとう…」


 教室に入る直前にソフィアを見つけたものだから、挨拶をする。そして返ってきたのが今の挨拶です。ちなみに、出会って2日目です。


「ねぇ、リシュー」

「なぁに、シルフィー」

「私、ソフィアが男の子だったらソフィアを好きになってた気がする」

「……それ、アルにぃに言ったらダメだよ」

「うん」


 だってね、こんなにストレートに挨拶代わりに口説いてくる友達知らない。ここで「ソフィアも可愛いね」って言えたらいいんだけど、私にはそんな度胸ない。しかも、さっきのソフィア、可愛いというより格好良かったんだもん。


 でも、ソフィアが気軽に私に接してくれるから、本当に友達になったみたいで嬉しい。上辺だけの友達とか寂しいもんね。


「ソフィア」

「ん?なぁに」

「…すき」


 口説かれたので口説き返します!と思って、ソフィアの服の裾をつかみながら告白してみたんだけど……、


「「うっ!」」


「ふぇ?」


 なんか、リシューの方からも呻き声が聞こえたよ?リシューとソフィアを見てみると、二人とも胸を押さえていました。


「これはやばいね」

「やばいわね」


 やばいで会話をしてる二人は顔を見合わせて頷きました。何か疎外感。そして、二人は


「ちょっと待ってて」

「すぐ戻って来るから」


 そう言って、教室に入ってしまいました。……私はどうしたらいいのでしょうか?待っててって言われたからいい子にここで待ってたらいいのかな?廊下でぽつんと。……気分は捨てられた猫です。二人は教室に入っておしゃべりしてるのに、寂しい。知らない人たちが沢山こっち見てるのも怖い。そうだよね、こんなところに立ってたら気になるよね………。

 










「ちょっと、リシュハルト様、あの可愛さはやばい」

「うん。やばい」


 顔を真っ赤にしたソフィアにリシュハルトが同意する。慣れている人でも悶えるのに、初見でしかも直で食らったソフィアが悶えない訳が無い。


「だって、あの子身長低いから、どうやっても上目遣いだし」

「あのはにかんだ笑顔」

「ちょっと照れながらの告白」

「しかも、もとが可愛いから」

「「無自覚のあざとさ」」

「天然怖い」

「さっきので何人悩殺された?」

「うーん、少なくとも、見ていた人は8割以上だと思うわ」

「恐ろしい」

「恐ろしいわね」

「何度思い出してもヤバイ。絶対虫が付いた。アルにぃに怒られる」

「しかも、あの手!裾をちょこんて!」

「あぁ、あれよくやるんだよ……、アルにぃに…。」

「それは……。殿下、よく我慢出来てるわね…」

「本当に。忍耐力すごいよ」

「あんなのされたら誰でも正気を失うわよ!可愛すぎて!」

「でも、手は出せないからね」

「出したら、死ぬわね、その人」

「特大の地雷だからね。バックにアルにぃがいるから」

「あぁ……」


 これからの学校生活が思いやられそうだ。果たして2人はどこまで虫を排除できるのか。いや、やるしかないんだけど。シルフィーに自覚がない分、虫は永遠と増え続ける。


「取り敢えず、一人にしたシルフィーに謝らないと」

「そうだね。廊下に放置なんてしたら余計に虫が付きそうだ」


 二人で頷いてシルフィーの所に戻ろうとした時、


「きゃっ」


 ソフィアの背後にドンという衝撃が走った。お腹の方にも手が回されている。つまり、後ろから抱き着かれている。


 正体はシルフィーだった。


「……私にもかまって」

「…っ!」


 少し拗ねた様子で、頬を膨らませてそう言う。


 一人にしてごめんね。とか、廊下で待っててって言ったのに。とか、いろいろ言いたい事はあるけれど、ソフィアの口から出たのは、


「こ、この、あざとさのかたまり…っ!」


 という言葉だった。隣でリシュハルトも頷いていて、ソフィアの言葉に間違いはないのだろう。しかし、シルフィーだけがきょとんとしていて、それもなお可愛かったとか。









 その後


「見たか?」

「見た」

「あの可愛さはやばい」

「ああ」

「俺は崩れ落ちそうだった」

「俺は昨日初めてお姿を見たが、ここまで可愛らしいとは……」

「今まで社交界にはお姿を現さなかったのは、周りの方々の配慮だったのか……、可愛らしさに変な虫が付かないようにと…」

「素晴らしい配慮です」

「第二王子殿下の婚約者か……」

「あの可愛さで国も乗っ取れるんじゃないか?」

「あぁ、可能だ。間違いない」

「男子生徒だけじゃなく、女子生徒も悩殺してたぞ」

「笑顔一つで悩殺可能だ」

「逆にされない奴いるのか?」

「……」

「いないだろう?!」

「変な事を考える輩が出ないといいが…」

「確かに…。特大の地雷つきだしな」

「シルフィー様が平穏に過ごすために我々が手を尽くすしかない」

「あの笑顔を守らなければならないと思わないか?」

「守るしかない」



「そうと来たら結成しよう!!」

「な、なにを?」

「それはもちろん!『シルフィー様の笑顔を守り隊』!!」


「「「おぉ!!」」」



「会長はあの方にお願いしたいのだが……」

「あぁ、あの方なら今日の様子を見る限り常に一緒に居るだろうし、何より笑顔を引き出すことが出来そうだ」

「となると、副会長はあの方だな」

「そうと決まれば早速打診を」

「会員も募ろう」


「では、」


「「始動!」」





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