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今日は、街を出る。

行く場所はもう決めてある。

タスクというエスカ帝国の帝都に行こうと思っている。

歩きで行くつもりだが、中々遠いらしい。

この街の特徴は、錬金術が盛んであることだ。


俺は、この街で、入学して、錬金を学ぼうと思っている。

魔法を使わなくても、錬金だけで戦えるようにもしたい。


『錬金だけで戦うってなんだ?』


それは秘密だ。

これで、妨害術も学べるしな。


〈馬車は借りなくていいんですかー?〉


馬車はいらない。

歩きで行きたい。

狙撃銃なんて、見られたら嫌だしな。


収納しろって?

収納したら、敵が来た時に、すぐに撃てないだろ?

装備品は要らないな。

下手な装備品より、虚無の方が防御力も高いしな。


いやぁ…やっぱ、綺麗だったな…

アリス…………

君を手に入れたい……

だが、俺は振られた………

あんだけ、全てが優秀なら、勇者に選ばれても当然だよな。


告白して良かった…。

そのうち、彼女”如き”では、俺には勝てなくなるだろう。

そしたら、彼女も、俺に惚れてくれるのだろうか…

今は移動が先だ。

俺は街を出た。

食料は買っておいた。

不味いかもしれないが、保存食だ。

早速。ゴブリンが見えた。

もちろん狙撃銃だ。


余裕で、殺せた。

俺はそのあとも歩き続け。

足が疲れるまで歩いた。



「星が綺麗だな。」


思わず、声が漏れた。


空には、綺麗な星が、散らばっていた。

街の中では見れない、素晴らしい景色だ。

俺は今までの人生を思い出す。


物心着いた時には、おじいちゃんしかいなかった。

俺は魔力も低く、何も使えなかった。

魔術も使えないくらい魔力が弱かった。


おじいちゃんが死んだ後、学園に通ったけど、

無能すぎて、何も出来なかった。

そんな時に、俺は振られて、このスキルに目覚めたんだ。


今だけは言おう。

”神よ、絶対にそっちへ行ってやるからな。”


俺はニヤニヤながら言っていた。

今は楽しい、人生を送れているが、

今までの辛い分はしっかりと、精算してもらうからな。


復讐が何も生まないことは知っている。

だが、俺はそのうち、強さを求めて、この世界の強者を倒し、強さを求めてら暴れ尽くすだろう。

その時には、神を超えたいなぁ。


『神を倒すか…おもしれぇ…やっぱり、ついてきて良かった!!』


今の俺には、ヴォイドも、異世界さんもいる。




──────その時、世界を変える者の、”対”となる、者が産まれた────











俺は考えた。俺は七つの大罪ではない。

七つの美徳でもない。

なのに、感情スキルを持っている。

俺の対になる存在はいない。

なら、一体、俺はなんなんだ?

アルファベット持ちもなんなんだ?

俺が見た事あるのは、七つの大罪のフレアと俺とアリスだけだ。

ただ、単に珍しいのか?そういや、禁忌書の作者名の所にヨハンとゲーテの間に、かなり不自然な空白があったな。もしかして、ヨハンもアルファベット持ちか?


今のアルファベット文字を考えれば、

勇者と七つの大罪と七つの美徳はイニシャルを持つのか?

なら、フレディは一体なんだ?

それなら、フレディもアルファベットを持ってるはずだ。


この国の王族は全員強い。

それは恐らく、フレディの血を受け継いでるからだろう。


じゃあ、俺はなんだ?

おじいちゃんには


「ロストは、ワシとは血が繋がっていない。だが、ワシはロストを孫だと思っておる。最後まで愛させてくれ。」


と言われたことから、おじいちゃんとは、血が繋がっていない。

俺の親は七つの大罪なのか?

おじいちゃんが言うには、俺の両親は強かったらしい。


でも、俺は弱かった。

おかしい。

考えれば、考えるほど、謎が深まるばかりだ。

この世界の謎は深い。

考えても仕方ない。今日は寝るか。







〜翌日〜


朝日が眩しい。俺は思わず、目の前に手を出して、

光を抑えた。


今日も歩く。

敵がいれば狙撃銃で倒す。


〈狙撃スキルを手に入れたよ!!〉


狙撃銃で敵を撃ちまくったから、入手したのだろう。

この辺は、ゴブリンばっかりだ。

相手にもならない。


そういえば、ヨハンの日記に、とある言葉が書いてあったな。


”死なない者に生はない、あるのは虚”と書いてあったな。

他にも、

”私の継承者は、辛い思いをするだろう”とも

書いてあれば、

”強者は、死を求めている。だが、私は弱いから、死を恐れている。”

と。

ヨハンが弱い?なら、誰が一体、強いんだ?


最後にフレディの言葉が書いてあった。


”この言葉はヨハンから、託されたものだ。

「僕は、強くなる前に、死ねて、よかった…。」”


ん?強くなる前に?この文章の中で、強くなるとはなんなんだ?

ヨハンが強くないなら、誰が強いと言うんだ。

意味がわからない。

これを知っているものはいるのだろうか。

神しか知らないのか?

いや、神も知らなさそうだ。


俺は読み進めている間に、足を動かしていた。

死を求める?そんなヤツいるのか?

皆、死にたくないはずだ。


『それは、マスターの考えだろ?世の中には、死にたいだけのやつもいるんだぜ?かつてはそうだったろ?』


そうだ……

俺は死にたかった。

だが、今はもう死にたくない。

俺は、自由に生きるって決めたんだ。

このスキルと共に──



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