表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/59

16

魔装が解けた。何故だ?魔力も切れていないのに。


「魔装?精度が低いねぇ。前に戦った。魔装使いはもっと、強かったし、魔装にも()()がなかった。だか、お前にはある!これが。お前の弱さだ!!」


「なら、違う魔装を使うまで。」


俺は魔道兵器を使う。

俺の姿はまさに、悪魔と化した。


「その姿は…魔道兵器…所有者だったのか!!なら、まだまだ戦えるな!」


ヴェインの鎌は俺を切れなくなった。


「硬ぇ…燃えてきたぜっ!!!」


ヴェインの鎌は、闇を纏い出した。


「もう俺を止められるやつはいねぇ!!ここまで、出したのはお前が2人目だ!!」


「2人目?」


「ああ!そうだ!2人目だ!!」


1人目は誰だ?ヨハンではない。ヨハンはもっと昔の人物。俺は考えてるうちに、体が朽ちた。

闇魔法の効果だ。


「この姿なら瞬殺か…まだ不死がある。殺せる。やったぜ!!」


俺は魔装を解く。

術式の番だ。このままじゃ勝てない。


『術式は魔力を通すのか?』


分からない。ヤッテミナケラバワカラナイ。


激しい痛みと共に、俺の体は粒子となって消えた。

俺の体は土砂になった。


砂を集めて、ヴェインを捕まえる。


「なんだこれは?身動きが取れねぇ。」


俺は手に土砂を集めに集めて、圧縮していく。

俺は放った。


「これはやべぇ!死ぬ!〈無効(インヴァリッド)〉」


圧縮した、土砂が爆発を起こす。


「何故…無傷な…んだ…」


「俺には勝てねぇ。お前は俺より弱かった。それだげだ!!じゃあ死ね!楽しい殺し合いをありがとう!!」


俺は負けねぇ!!

刀で応戦する。

右腕を飛ばされた。

刀と一緒にだ。

ヴェインの後ろにある。取りに行けない。


「さぁっ死ね!!」


俺は頭を刈り取られた。

そして再生。


「グッ!魔力反応が小さくて気づけなかった…」


『今まで貯めた、魔石の分が無くなったぜ?』


それは仕方ない。また集めるしかないだろう。

俺は再生した瞬間、刀でヴェインの心臓を貫いた。虚無を纏って、闇魔法を纏ってだ。さすがに貫いた。


「ぐぅ…これは…さす…がに…死ぬ…」


やった。俺の勝ちだ。俺は思わず笑みを浮かべた。


「残念。お前の負けだ!魔力反応が無くなった…お前は、もう、ストックがないのだろう?魔族はこれくらいじゃ死なねぇ…人間に生まれたことを呪うんだな!!」


俺は気づいていない間に、心臓を貫かれていた。


「楽しかったぜ。次はもっと強くなってから来い。」


「次なんてねぇよ…俺はもう死ぬ…」


これでもダメなら、何をすれば、こいつを倒せる?

まだだ。今から再生すればいい。ゼロ距離で、闇魔法を放つんだ。


「!?」


俺はヴェインの顔を見た。ヴェインは心底、驚いている。

闇魔法を放った。


俺は目だけの体になった。まだ再生はしない。

!?

ヴェインは生きている。体の半身がないと言うのに、

普通に生きている…

こんなの勝てないじゃないか…


「楽しかった…まだまだ、この世には強者が居る…七つの大罪でも7つの美徳でも魔王でもないやつで、こんなに強いヤツはいないと思っていた…なんという、僥倖…また、やり合いたい…」


と言い残し、去っていった…


クソっ!!!俺じゃあ勝てねぇ!!!

後ろを見たら…冒険者はほとんど死んでいた…

バリオが来た。


「倒したのかい!?とひあえず、残りを倒すよ!!」


「倒せてない…退けただけだ…」


「それでも凄いじゃないか!!相手は一体誰だったんだ?」


「魔王軍幹部って言っていた。」


「!?充分だ!残りを倒すぞ!!」


「ああ。」


『マスター……』


クソっ!!!何が!闘技大会優勝者だよ!!

俺じゃあ勝てねぇじゃねぇか…

俺が弱すぎるあまりに、皆死んで行った……

全て…俺のせいだ…


「どうしたんだい?そんなに落ち込んで?」


「済まない。」


「言いたくないならいいよ。一つだけ言っておく。

冒険者が死んだのは君のせいじゃない。これだけは頭に留めておくんだよ!」


「ああ。」


俺は、風魔法で魔物を切り刻んでいった。

俺には世界が全て、色を失った風に見えた。

魔物の残党は片付いた…


「冒険者達よ!ありがとう!君達のお陰で!街は救われた!!早速!集まってくれ!」


ギルマスが叫ぶ。

俺もそこへ行った。


「生き残ったのはこんだけか…魔物があんだけいた割には多いな。バリオとロストには感謝している。特にロスト、魔王軍幹部を退けてくれてありがとう。バリオ、君は、周りを見て指揮をとってくれてありがとう。とても助かった。」


ふざけんな…


「ふざけんなよ!!人が死んでるんだぞ!?」


俺は、そういい、ギルマスの肩を掴む。


「待て!ロスト!!あいつらはな…英雄だった…この街を命を懸けて、守り、死ぬまで、戦っていたんだ。」


「そうか…英雄だったんだな…」


150人いた近くの冒険者は、50人を切っていた。

俺に絡んできたやつも死んだ。

人が死ぬだけでこんなに辛いのか!

俺が無力だから、死んだんだ!


『それは違う!マスターがどんだけ強くても!全範囲の魔物を倒せるのか?それこそ、神の所業だ!仕方ないんだ…』


「街の人々も戻ってきている。今日は恐らくだが、宴になるだろう。」


宴?こんな時にか?バカじゃないのか?

人が死んでるんだぞ…英雄なんだろ?じゃあ、

弔うのが先じゃないのか?


『人間は愚かだ。この言葉を忘れるな。』


そうだ。人間は愚かなんだ。




〜宴〜


「「スタンピードの勝利に乾杯!!!」」


がやがや、騒いでいる。

今は何も食べれそうにない…


「やぁ、ロスト。1杯どうだい?」


今はそんな気持ちじゃないっての


「今はそんな気持ちじゃないんだ…」


「まぁそう言わずに、1杯飲めよ!」


「じゃあ貰っておく…」


俺はバリオから、酒を受け取った。

だが、飲む気にはなれない。


「主役が浮かれない顔するなよ!」


ギルマスも来た。


「皆死んだ…俺が遅かったせいで…」


「お前はそのままで、潰れていいのか?お前はまだ、若い。色んなことを乗り越えるからこそ、人として成長するんだぞ?」


「そうかそうか。」


宴までに、あいつらの墓は作った。

俺はちゃんと花も添えた。


「SSSが居れば変わってたかもしれないな…」


SSSは一体、どこにいるんだ?ここは王都なのにいないなら、どこにいるんだ?


「SSSはどこにいる?」


「わからない。転々としているやつが多すぎて、たまに見かけるくらいだ。」


「そうか。」


「学園の件はどうするんだい?」


学園か…今は行こうと思っている。


「行こうとは思っている。入学式がいつかにもよるが。」


「入学式は半年後だ。」


半年か…半年あるなら、強くもなれるし、旅もできる。


「SSSの人を探す旅に出る!」


『マスターらしいぜ!どうせ、強くなるためだろう?』


ああ。そうだ。俺は強くならなければいけない。

強くなければ何も救えない。

強くなければ自分も救えない。

なら、強くなるしかないだろ?


『そうだな。』


「推薦状は書いておこう。旅にはいつ出るんだ?」


「2日後だ。2日後に、俺は旅に出る。行先はわからない。とりあえず、近くのでかい町に行く。」


「アハハ。君らしい。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ