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『マスターは、刀を作るのか?』
刀とナックルダスターと指輪のつもりだ。
普段は刀を腰に掛けておくが、指輪に虚無を付けているから、拳にも虚無が適応される。
余程のことがない限り素手でも戦えるだろう。
〈虚無ノ刀〉〈虚無ノ拳器〉〈虚無ノ指輪〉
が出来上がった。俺は早速刀を腰に、拳器は収納、指輪を付ける。ヨハンの指輪を右手の人差し指に付けているから、左手の人差し指につける。
もうひとつ、俺は魔装兵器から、ヒントを得た。
魂に魔術を刻んでいこうと思う。ちなみに、この世の自然の術式を全て刻むつもりだ。いつでも切り替えれるし、魔力消費もほとんどない。切り札だ。普通の魔装とは違う。普通の魔装は、火や水を纏うだけ。俺の魔装は火になるんだ。魂に刻む分、魔力消費もほとんどないし、魂ごと、いや、体ごとその術式になるようなものだ。これに気づいたやつはおそらく、最強だろう。
俺は早速刻ん─────────
俺は気絶していたようだ。
『マスターが気絶するから、俺がやっといたぜ。
これで合ってるよな?』
と言われ、俺は魂を見る。
合っている。ヴォイドありがとう。
『マスターの役に立てたなら俺も嬉しいぜ!』
これは本当に俺の切り札になるのかもしれない。まぁ今のところの本当の切り札は不死だが。
街に戻ろうか。今日はいい宿に泊まるぞ!
宿に着いた。ベッドもふかふか、ご飯も美味しい!
最高だ。さすが、1泊銀貨5枚の宿だ。
俺は広場に来ていた。
広場の掲示板に人が集まっている。
俺も覗いて見た。
〜毎年恒例!ディフィレント王国名物!闘技大会!〜
優勝賞品:????と金貨200枚
準優勝:金貨50枚
俺は近くの人に聞いた。
「この大会はどんな感じなんですか?」
「坊主知らないのか?この大会は、予選はバトルロワイヤル形式で各ブロック上位4人が決勝進出、王族や、学園長などのお偉いさんが見に来るんだ。そこに出れば、出世のチャンスってやつだな!」
「ありがとうございました。」
なるほど、出てみようか。受付はあそこか。
「試合に出たいんだが。」
「はい!名前だけここに記入してください!」
ロストでいいか。
「ロストさんですか!試合は5日後です!ちゃんと来てくださいね!」
「もちろんだ。」
俺はそういい、広場を出る。
〜5日後〜
今日は闘技大会だな。
早速、バトルロワイヤルだ。
俺は闘技場に入る。
俺はAブロックのようだ。
AからDまであって、参加者の合計は1000人いる。
1ブロックにつき250人だ。
俺も早速入場する。
なんか声が聞こえてきた。
「今年も始まりましたァ!毎年恒例!闘技大会です!!今日はバトルロワイヤルだけ!さぁ始まります!Aブロックの戦いだ!!」
「試合開始!!」
試合が始まった。全員、周りを見ているようだ。
俺はまだ手を晒したくない。俺は動かないとしよう。
暑いっ!!地面が暑くなっている!火だ。
誰かが火魔法を使って、地面を暑くしている!
俺は大丈夫だ。魔力を纏ったからな。
ちょうど4人しか残らなかった。
全員決勝進出だ。
俺は帰る際、こう言われた。
「てめぇ…何故、溶けてないんだ?溶けるはずだ。おかしい。まぁいい、決勝で殺してやる。」
こいつが火魔法の使い手か。
他のブロックの試合もつまらなかった。
〜翌日〜
「今日はトーナメントの1回戦だ!!まずは、ロストぉぉおおおおお!!!全く無名のダークホースだァァァァァ!!!ロストの相手は!!!ジェイだァァァァァ!!SSランクの怪力のジェイだァァァ!!」
こいつはちょっと強そうだ。
「負けても恨むなよ?俺と当たること自体がハズレだったんだ。また、来年に挑戦しな。」
「俺は負けない。てめぇ如きじゃぁ俺を倒すことは出来ない。」
「SSだぞ俺は?お前はもっと下だろう?俺には勝てない」
「うだうだ言ってても仕方ない、試合したらわかるさ。」
「試合開始!!」
奴は、俺に向かって、アッパーで倒そうとしてきた。
やはり、このランクまで来ると魔力を纏っているようだ。速い。でも、見切れる。ヴォイドと比べたら遅い。
俺は、早速、ナックルダスターを装備し、指輪を外す。
そして、ジェイの腹を殴る。
「グハァッ!!!!」
ジェイは吹っ飛んだ。場外だ。
「場外だっ!!!!まさかのジェイが負けたァァァァァ!!!試合終了ーー!!!!」
その声とともに、会場から、歓声が上がる。
俺は退場した。
次の試合が来た。
次の相手は、Sランクのギムルと呼ばれる男だ。
「さぁはやく始めよう。」
「試合開始!!」
とその合図とともに、ギムルは剣で俺に切りかかる。
「キミぃ〜今リタイアするなら怪我しないで済むけどどうするぅ〜?」
「リタイアはしない。」
「そうかぁ〜じゃあ死ね。」
ローブの腕の部分から、ナイフが飛んできた。
俺は避ける。そして、刀でこいつを斬る。
この大会は試合前に死ぬほどのダメージをくらったら壊れるブローチが配られていて、壊れたら試合終了だ。
「試合終了!!!勝利したのはロストだぁぁぉぁ!!!Sランクにも勝つ!!ダークホース!!!
初出場にして、準決勝まで進んでいる!!!前代未聞だぁぁぁ!!」
ここからは、明日に持ち込まれるらしい。