独学で文学の勉強をしようと思う
タイトルの通りである。私は経済系の学部に所属しているが、正直あまり興味が持てなかった。それなら何故経済系の学部に入ったかと言うと、マーケティングやらビジネスやらを大学で学んでおけば何か役に立つかもしれない、どうせ勉強するならば「実学」に近いものをやろうという目論みだった。
しかし実際には理論や数学ばかりで自分の想像と違っていた。(経営学部が第一志望だったが落ちたので第二志望の経済学部に進学した)
自分の専攻に関心がないどころか、数学を極力避けて通ってきた典型的な意識低い系学生だった。
そんなある日、文学部の卒論の例を大学のホームページで見ていたところ、『まどかマギカ』『ゴジラ』といった馴染み深いタイトルが題材として使われていることが分かり、一気に文学部への興味が湧いたのだ。私は元々アニメを考えて見るのが好きで、ブログでも感想や考察をまとめている。
そこで、文学の知識があればもっとアニメや映画を楽しめるのではないか?というのが動機である。
小説は全く読まないし、文豪と呼ばれる者たちの著書も国語の授業でしか読んだ事がない。それでも文学の理論や分析方法はアニメにもそのまま使えるんじゃないか?と思ったのだ。
例えば「西尾維新」という作家を聞いた事があるだろう。彼は『物語シリーズ』で有名だが、その独特なセリフ回しや文体は、文学部の卒論テーマとしてしばしば使われている。「西尾維新 卒論」で検索すればかなりの数がヒットするのではないだろうか。
ただ単に西尾維新のアニメやライトノベルを読んでも、それはそれで面白いとは思う。だがそこに「文学的な知識」が加われば全く新しい物の見方ができると私は思うのだ。
つまり私は「今よりももっとアニメ・映画を楽しむ手段」として、文学を学びたいのである。
どんな物語にも必ずといっていいほど「メッセージ性」や「テーマ」がある。さらにそこへ「社会問題」を反映させた作品も山ほど存在する。例えば『ウルトラセブン』では「ノンマルトの使者」や「ダークゾーン」で描かれたように「宇宙人から見たら、地球人の方が悪者」という単なる勧善懲悪で片付ける事のできない展開が多い。
また、『仮面ライダークウガ』に登場する怪人・グロンギの「身近な人間がいつ牙を剥くか分からない怖さ」はおそらく地下鉄サリン事件を反映させた物だろうし、『仮面ライダー龍騎』における「正義とは何なのか」というテーマがそのまま911を彷彿させる内容となっている。
このように、「作品」と「社会」は深く結びついている事があるのだ。そういった「作品と社会の結びつき」を文学では学べるのではないか、と私は思っている。
別に今の社会を変えたいとかそういう話ではなく、あくまで「作品を楽しむ手段」として文学を学びたいなという話。
もう1つのキッカケとして、大学の英語の講義で、このような社会問題と洋画の結びつきを考察する授業があったのだが、それがめちゃくちゃ面白かったのだ。何の気無しに見ていた『スパイダーマン』がまさかあんなにも911の影響を受けていたとは全く知らなかった。この英語の講義がより一層「文学」というものに私を引き付けたのだ。
と言っても「文学」については全く知識がない状態なので評判の良い入門書を購入するつもりだ。Amazonで1円で売っていたからすごく手頃。