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第七話 武器屋と宿屋と

「ヨミっ武器屋に行くぞ」


「あっでも、ララさんに紹介状と地図をもらったので一人でも行けますが」


「何言ってんだ、俺も付き合うにきまってるじゃないか。それにお前まだ危なっかしいからほっとけないんだよっ」


「ははっ、さっきも貴族相手にとてもやばかったですしね・・・」俺は先ほどラングさんに助けてもらったばかりなのを思い出していた。


「では、一緒に行きましょう」


「おうっ」



俺たちは冒険者ギルドを出て西城門の方へと来た道を戻っていた。



「冒険者ギルドは西城門の大通りにあるからな。武器屋や道具屋とかもギルドの息がかかってるのはこの西城門の大通りにある」


「じゃ、西城門の方を拠点にするんですね?」



「いや、最初は東城門の方だなあちらが初心者向けのフィールドになってるからな。宿屋も東城門の大通りの方だぜ」


なるほど、東に王都があるしあちら側の街道は比較的安全なんだな。それに初心者にこの狩場を使いなさいと常時依頼を出せばある程度の往来の安全も確保できるのかもな。宿屋も王都からの客を取りやすいから東方面に宿屋があるのかもな。



「ヨミっここがギルドで指定された武器屋だ。ガルフォムのオヤジいるか~っ?」

でっかい声を出しながら武器屋に入っていくラングさんに俺は黙って入っていった。


「ああ、聞こえておる。全く何の用じゃっ」


「ああ、オヤジいたか鍜治場じゃなくてよかった。初心者用の武器を買いに来た」


「はんっお前の訳が無いか・・・その後ろにおる小僧か?」


「はいっ、初めましてヨミと言います。よろしくお願いします」

うはードワーフだ・・・ごっついし背も低めだヒゲはモジャモジャっとしてなくて・・・しっかりと整えられ下の方で編みこまれていた。


「そうか、小僧っ俺はガルフォムだ。で、今日はこの小僧の武器を買いに来たのか?」


「ああ、そうだ初心者用の装備を一式、オヤジの目で選んでやってくれ」


「ガルフォムさん、よろしくお願いします」

お願いした俺はすぐにガルフォムさんにこっちにこいと目の前まで行き、手のひらを出すと。


「小僧・・・お前の手はきれいじゃな・・・。スキルは何を持っておる?」


「体術と投擲です」


「剣は持ったこともないのか・・・体もできて無いように見えるしそうじゃな・・・。片刃の少しそりの入ったショートソードと、予備武器のナイフと投擲用の小型ナイフがいいだろう。あとは、防具の方は皮の鎧に皮の盾じゃな・・・」

俺の体を見ながらガルフォムさんがどんどん決めてゆき。店先に置いてあるものから全部選んでいってくれた。


「鎧のサイズ調整は上からかぶり肩バンドとわき腹の所にあるバンドの長さで調整してくれ。あとはそこの横の棚に皮手袋と皮のブーツがあるから自分で履いて合うものを見繕ってくれ」


ショートソード、予備ナイフ、投擲用ナイフ、皮の鎧、皮の盾、皮のグローブ、皮のブーツを俺は装備して少し冒険者らしい格好になることが出来ていた。


「おっ、いいね。新品の装備が初々しいな似合ってるぜっヨミ」


「まだ新しいせいなのかゴワゴワして少し動きにくいです」


「わっはは、それは使っていけばすぐに馴染むから心配いらんぞ」


「あっ冒険者ギルドに紹介状を書いてもらったんだった・・・。ガルフォムさん後になってしまいましたが、冒険者ギルドからの紹介状です」


「ほう、拝見しよう。ほ~ふむ、なるほどなっ小僧っ。いや・・・ヨミよ武器防具の事ならワシが面倒を見てやる遠慮なく頼りに来い、いいな?」


「はいっガルフォムさん、これからお世話になりますっ」


「ヨミっ、次は宿屋だ。ガルフォムのオヤジ世話になった。」


「ありがとうございました。また来ますねっ」


「ヨミまた来い」


ガルフォムさんに見送られ俺は東の城門大通りのギルド指定の宿屋へと向かった。




「さっ今日はもうクタクタだろう?ヨミが世話になるギルド指定の宿屋に行くから、それにご飯も食べて無いだろ?もうすぐ着くからな」


「はい、色々ありすぎて何も食べてないことも忘れていました」


20分ほど速足で歩いてようやく宿屋についた。


「ふう、町が大きすぎて移動も一苦労ですね・・・」


「そうだな~レベルが上がれば別に何とも思わなくなると思うぞ。それに、もっと早く歩けるしな」


なるほど、1レベルでは生活にすら支障が出るようだ。


「あっ装備は一式いただけたのですが、出来たら生活魔法を覚えたいです」


「んっ、今日はもう時間的に無理だろうから悪いがそれは明日な、さっポルンの宿に入るぞ」


体を奇麗にする生活魔法は風呂が一般的でないこの世界には必須だった。






◇  ◇  ◇  ◇






「いないか・・・もう夕食の支度をしてるんだろうな」

ラングさんは受付カウンターに置いてあった呼び鈴を鳴らすと。


「は~い、少し待ってもらえるかな~」

女性の奇麗な声が奥の食堂から響き渡ってきた。


俺はその間に、周りを見渡す。ふ~ん1階が受付と食堂、2階と3階が部屋になっている小さな宿屋のようだ。宿屋の中を見渡してみてもとても掃除が行き届いていて好感が持てた。


「はいはい~、ごめんなさいね~お待たせしました~。あっラングっどうしたの?」


「久しぶりだなカレナ。今日は初心者冒険者を連れて来たんだ。それでヨミと言うんだがこれからポルンの宿で世話になると思う。頼めるか?」


「あのヨミと言います、よろしくお願いします。これギルドからの紹介状です」今度はすぐに挨拶をしながらギルドの紹介状を渡す。


あらあら~ちょっと見せてね~と受け取り、うんうんっとうなずきながらすぐに紹介状を読み終わると。

「私はポルンの宿の主人のカレナよ、これからよろしくねヨミちゃん」


「カレナさん、これから毎日お世話になることになります。よろしくお願いします」


「カレナ。ヨミは初心者冒険者になったばかりだ。それに紹介状を見て分かってると思うが頼んだぜ?」

ラングさんはカレナさんに俺を引き渡すと、また明日なとポルンの宿から出ていった。


「さ、ヨミちゃんまずはお部屋に案内するわね~、もう少ししたらご飯ができるから30分ほど部屋でくつろいでいてね」


2階、3階へと上がって行き一番奥の310の番号が書いてある部屋に案内された。


「ここがヨミちゃんのお部屋になるから~。じゃ私はご飯の支度に戻るわね~30分後に食堂に来てね~」


「はい、分かりました30分後に食堂に行きますね」腹も減ってるし俺はすぐに返事をした。


部屋に入るとかなり狭かった、さすがにカプセルホテルのようなことは無かったが・・・。扉を開けて入ると4畳ぐらいの長細い狭い部屋に壁にくっつく様にベットが置いてあり。


「寝るだけの部屋かな・・・」


まずは部屋の中に入り、先ほどガルフォムさんに見繕ってもらった武器と防具を外してゆく。


「ふうっ、これで軽装備だもんな」先ほどポルンの宿までの長い道のりでも疲れたし、軽装備しただけでこのありさまだ・・・ラングさんはレベルが上がればなんともなくなると言っていたし。ある程度までは早急なレベル上げも必要なんだろうな生活のためにも。


『マスター、30分が経過しました』


「シェルありがとう」俺は時間を教えてくれたシェルになんとなくありがとうを言い1階の食堂へと降りていった。



初心者らしい装備と寝泊まりするとこを手に入れました。

シェルはタイマーしか出番はありませんでした。

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