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第五話 貴族にちょっとだけからまれました

「ヨミっ貴族の馬車だ・・・こちらにしっかりとよけるんだ」

ラングさんからこちらにと指示されるままによけると、後ろから立派な馬車が門に向かってくるのが見えた。


「あの、あの馬車は貴族の方が乗ってるんですか?」


「そうだ、どこの貴族かは知らないがな・・・」


へ~と馬車なんか見たことない俺はジロジロと見続けてしまったのがいけなかったのか・・・俺たちの横で止まる馬車。

すると、中から護衛と思しき男が2人と・・・身なりの良い派手なタキシードみたいな服を着た男が出てきた。


「おい、そこのお前っなぜこちらの馬車をジロジロとみていた?此方に来てブータ・ブヒク様の前に膝まづけっ!!」


俺は降りてきた貴族の名前を聞いて・・・ぶっブタっ?ブヒ?思わずブタがブヒっと鳴くところを想像してしまう。んーこれはジロジロ見てた俺が悪いのか・・・でも、馬車を見てただけなんだけどな・・・。


「俺は馬車を見てただけなんですが、何か気に障りましたか?」と正直に聞いてみた。



「はっ、お前に喋ることを許してないぞっこちらに来て膝まづけといったんだっ!!!」


うっさらに怒らせたか・・・。



これはどうすれば・・・ちろりとラングさんの方を見ると・・・。


「俺に任せとけ・・・」





「これはっブータ・ブヒク様、今日は素晴らしい馬車でのオリア辺境伯様へのご訪問まことに感服いたしました。何分ここは辺境の田舎、ブータ・ブヒク様の素晴らしい馬車にこの者は目が釘付けになってしまったのでしょう。なにとぞっ寛大なお心でお許しいただけないでしょうか?」

大きな声で列の皆に聞こえるように大仰に話すと。



「ぶひひっ、もうよいっ」

下品に笑いながらどうやら許してくれるブタ・ブヒさん。


「ブータ・ブヒク様の寛大なご処置ありがとうございます」

そう締めくくるとラングさんに頭を軽く押されながら2人して頭を下げる。



そのまま、馬車に戻り門を抜けていくブタ・ブヒさんの馬車。



「ここの世界の貴族って平民にずいぶん高圧的なんですね・・・」



「まあ、全員じゃないがな。ここのオリア辺境伯様は民思いの立派な方だから安心しろ。おっと、もう俺たちの番だ」



ラングさんにまた助けられた俺は入場検査を受けてはいなかった・・・。

まず、ラングさんがカードのようなものを兵士に見せながら、「Cランク冒険者ラングだ平原管理クエストの帰り稀人を発見、冒険者ギルドで保護する」と伝えると。兵士はこちらをチラッと見て、冒険者ギルドの保護処理が終わりましたらと何やら話はじめ5分ほどあれこれとラングさんが話してると許可が出たようだ。



俺は直接検査されないんだなとほっとしていると。



「ヨミは稀人で冒険者ギルドが保護するからな。そうじゃなければ町に入るのに聴取と検査でここで大分時間がかかるんだぜ?あっあと魔道具で嘘はすぐばれる」と教えてくれた。


肩をすくめながらそんな事を言うと、冒険者ギルドに行くぞっと歩き出した。








◇  ◇  ◇  ◇







分厚く巨大な壁を抜けると、遠目に巨大な城と目の前からそこに一直線に続く百メートルぐらいの幅がある大通りには人と荷馬車があふれ返っていた。


「おわ~すげええっ」どこに人がこんなにいるんだっ?と思わせる賑わいっぷりに、ひっきりなしに目の前を通る荷物を大量に乗せた荷馬車の群れ・・・これが異世界の町なんだ・・・。

俺は感動しまくってきょろきょろしてると。


「ヨミっもっと前見て見な、オリア辺境伯が住むバリアン城が見えるぞっ」


「はい、一番初めに見えましたっ。すごくでっかいお城ですね」


「ここは西の辺境の要だからな、モンスターの脅威から守るためにこの巨大な壁とあの巨大なバリアン城があるんだ。もしもの時は東の城門から東方面にある王都グリナダスに逃げるかバリアン城に逃げることになっているから忘れるなよっ」


もしもの事なんかあるんだ・・・。


「まあ一番最近の大きなモンスターの侵攻でも数十年前だ。そんなに心配する必要はないぜ?」


俺の顔色を見たラングさんがフォローしてくれたけど・・・一定の間隔で・・・あるんだな・・・。



「さっ冒険者ギルドにいくぞっ」

さっさと歩いて行ってしまうラングさんについて人がひっきりなしに行きかう大通りを歩く。


「ここの大通りにオリア冒険者ギルドはあるからな。もしはぐれても迷うことは無いはずだ」

そう歩きながら教えてくれる。


冒険者ギルドに着くまでに、肉らしき物を店先で焼いて販売している店や飲み物をパンをと売ってる店に。ギルド付近になると武器屋と道具屋があるのが分かった。

お金を稼いでいけるようになりたいな・・・。



そんなキョロキョロ見ながら歩いているとすぐに冒険者ギルドに付いたようだ。



「ヨミっ付いたぞっ。ここがオリア冒険者ギルドだ。俺の後ろを離れないようにな受付に行くぞ」



すぐに入っていくラングさんに俺もはぐれないようにすぐ後ろをついて中に入ると横に長いカウンターが姿を現し何人か女性が座っているのが見え。左側の壁には沢山の冒険者が集まっており何やら見ているのが見える。右に目を移すと階段があり2階に続いているようだった。


「お~いヨミっ、物珍しいのは分かるがちょっと受付の前まで来てくれっ」


「あっはい、ラングさん」

俺は呼ばれてすぐに受付まで行くと。


「こんにちはっ、オリア冒険者ギルドにようこそっ私は受付を主に担当していますララと言います。よろしくお願いします」


そう挨拶してくれたララさんはポニーテールに眼鏡の可愛らしい女の子だった。


ぼ~と、女の子耐性のない俺は可愛いララさんを見てしまい・・・。



「あっあの、あなたが稀人のヨミさんですか?」


「あっすいません。突然森の中に転移し平原に出た所をラングさんに助けてもらいました。ヨミと言いますよろしくお願いします」


ペコリと軽くお辞儀すると、ララさんもニコニコ顔でよろしくお願いしますねっとお互いに挨拶しあう。


「おいっ!!!そいつがそうか???」


突然階段の方から声がかかり見ると、目の前までズカズカと歩いてくる男にジロリと体全体を見られながら。

「ここじゃ話は出来ねえ、俺の執務室に行くからついてこい」



さっさと行ってしまう男にラングさんも行くぞっと一言、俺もララさんに頭を下げすぐに2階へと上がっていった。










ラングさんに貴族から助けてもらいました。

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