6話 職業シーフになりました
設定ってむずぃ!
「このバカイルが!!!」
「アザっ!…す…」
ガクッ
何があったか説明しましょう。
朝早くに起きてしまったバカイルことカイルが、
「腹減ったし、ヨーコ起こして朝飯食いに行くか!」
とテンション高めに、ノックもせずにヨーコの部屋の扉を、『オープンザドアー』したもんだから、着替えていたヨーコの2トップを拝見してしまい、綺麗な右ストレートを頂いてしまったのだ。
何故に右ストレートか、それは左手で2トップを隠していたからである。
カイル曰く、「隠している方が逆にエロい!隠れきれてないし。」との事だ。
そんなこんなで、2人は朝飯を食べ、カイルの登録の為にギルドに向かうのだった。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件ですか?」
「今日はこのバカの登録にきたんだよ。」
どうやらヨーコは昨晩、今朝と立て続けのパイ露出にご立腹のようだ。
「ただいまご紹介に預かりました、バカイルです。登録お願いします…。」
「はい。では、こちらの方に記入をお願いします。」
「本当にバカだね…。」
そんな冷たい反応のヨーコに寂しくなりながら、必要事項を記入していく。
項目は、名前、性別、種族、得意武器、特技、魔法の有無などがある。記入は最悪、名前、性別、種族だけでもよいようだ。
(名前、性別、種族はいいとして、得意武器は剣とナイフか?まあそれしか使った事ないしな。特技は…料理?って、特技らしいものは無いな…。魔法は使えないしな…。ん?そういえばヨーコは魔法使えるのか?)
「なぁ、ヨーコは魔法使えんか?」
「………」
(まだ、怒ってるな。こうなれば!)
「美しく可憐なヨーコ姫よ、どうか私めにその清らかなるお声を聞かせてはくれませんか?そうすれ」
「あー!もう!分かったから!そんなこっぱずかしい事を言うんじゃないよ!」
「で、魔法は使えるん?」
「…なんか、怒るのも馬鹿らしくなってきたね…。魔法は多少は使えるけど、得意ではないね。戦闘に使えるようなものは無いよ。」
「使えるや!後で見せてや!」
「魔法なんて、そんな珍しいものでもないだろ。」
「俺が住んでた所では、誰も使えんかってん。」
「そうなのかい?珍しいねぇ。じゃ、後で見せてやるよ。あたいの魔法じゃ、火種くらいしか出せないけどね。」
「やったぁ!姉さん、あーざッス。」
「ったく、本当に調子がいいね。それに、訓練さえすれば、あんたも使えるようになるんだよ。」
「なんですと!」
(そういえばそうやった。ここに着くまで色んな事があって、すっかり忘れてたわ。)
「詳しい事は、ギルドの講習でも受ければいいよ。」
「ギルドって講習もやってんの?」
「ああ、魔法以外にも色々あるよ。初心者用にね。」
「そうなんや。なかなか手厚いな。」
「ギルドとしても、初心者にバンバン死なれたら、稼ぎにならないからね。」
「どこの世も世知が無いねぇ。」
「とにかく、書けたなら早いとこ出しなよ。」
「あいよー。では受付のお嬢さん、お願いします。」
「はい、承ります。お名前はカイルさんで間違いないですよね。」
どうやら、受付のお嬢さんはバカイルだと本気で思っていたようだ。
「すいません、カイルで合ってます…。」
「では、能力測定と適正検査がありますので、まず、2階の診断室へ行ってください。」
「ヨーコさん、そんながあるの聞いてないんやけど…。」
「そうだったかい?まあ、測定はすぐに終わるし、適正検査は、診断の結果や本人の希望職で変わるからね。そんなにたいした事はしないよ。」
「そうなんか、まっ、とにかく行ってみますか。」
「じゃあ、あたいはロビーで待ってるから。」
「了解、行ってくるわ。受付のお嬢さん、色々ありがとうございました。」
「はい、頑張ってくださいね」
カイルは測定を受けるべく2階に上がった。
2階の一番手前の部屋が測定室になっているようだ。
コンコン
「失礼します。能力測定を受けに来ました。」
「どうぞ。」
中に入ると魔法陣と測定器のようなものがあった。
「では、お名前をお願いします。」
「カイルです。よろしくお願いします。」
「カイルさんですね。ではそちらの魔法陣の上に立ってください。」
カイルは言われがままに魔法陣の上に立つ。
「それでは、開始します。」
職員さんがそう言うと魔法陣が光出し10秒ほど光った後に光はすぐに消えた。
「はい、終わりましたよ。」
「えっ?もう終わりですか?」
「はい。測定結果はすぐに出ますのでしばらくお待ちください。」
5分ほど待つと職員さんが紙を持って来た。
「こちらが結果になります。健康状態は問題なしです。能力の説明をさせていただきます。」
説明によれば、パワー、スピード、スタミナ、マジック、メンタルなどの項目があり、数値で表されている。
0~9までがI、10~19までがH、のように0~100までをI,H、G、F、E、D、C、B、A、Sで分けてあり、100以上が☆と表示されるらしく、☆を持つ人の事を「星持ち」や「スターズ」などと呼ぶらしい。
一般的な人の平均がHGくらいで、ギルドに初めて登録する人はこれぐらいらしい。
ギルドにはクラスがあり、サード、セカンド、ファースト、スターと別れているそうだ。
そして、平均FEがサードクラス、平均DCがセカンドクラス、平均Bがファーストクラスになるようだ。
スタークラスはSクラスとも言われ、実力的には超化け物らしく、世界で数十人しかいないらしい。
スタークラスは別だが、他のクラスは平均的にそれくらいの数値の人が多いだけで、初心者やサードで化け物みたいな人もいるし、化け物だけど万年サードみたいな人もいるらしい。
要は、能力はあくまで基礎基準であり、習得している能力や経験、知識、などなどによって個人能力は決まる。
例えば、同じ能力の2人が戦っても、実戦経験のある方や、剣術、魔法などを習得してる方が勝つのと、だいたい同じである。
ただ能力が高いだけでは上には上がれないのだ。まあ、低いよりは高いに越したことはないのだが…。
能力は、魔物を倒すだけではなく、経験や鍛える事によっても上がるらしい。
後、書かれているのは、得意属性だ。
これも、あくまで得意と言うだけで、他の属性が使えない訳では無いらしい。これ系の魔法を習得すると早いですよーって感じだそうだ。
ちなみにカイルの能力は、
パワー 41 F
スピード 91 S
スタミナ 53 D
マジック 70 B
メンタル 28 H
得意属性 風
となっている。
能力的には、セカンド並って所だが…。
(ド素人やしな俺…。それに確かに精神力は人並みやな。)
ちなみに能力測定機は簡易版がロビーにもあるみたいだ。簡易なので数字は出ないようだが。
「では、測定は以上なので、そちらの紙を持って、受付に向かってください。」
「了解しました。ありがとうございます。」
カイルがロビーに向かうと、ヨーコが暇そうに待っていた。
「終わったのかい?どんな感じだい?」
「あんま、よくわからんけど、こんな感じ。」
「結構すごいじゃないか!でもメンタルは人並みなんだね…」
「そうやな、自覚もあるし。ちなみにヨーコはどんな感じなんや?」
「あたいかい?そういえば、最近見てないね。ちょっと測ってみるよ。」
そういってヨーコが測った結果がこれである。
パワー ☆
スピード C
スタミナ B
マジック H
メンタル C
得意属性 火
「ヨーコ、星持ちやねんな…。」
「まあ、一応ね、でもギルドランクはセカンドだし、魔法は駄目だしね。」
「いやいや、パワー☆で十分すごいって…」
(よく生きてたな、俺…)
「まあ、とにかく受付に行ってきなよ。」
「おう、行ってくるわ。」
カイルが受付に紙を渡すと、
「お預かりします。では希望職はどうなさいますか?」
「希望職?ってなんですか?」
「自分の役割を決めるもので、戦士、シーフ、魔法使い、弓使い、回復士など色々あります。後で変更も出来ますので。」
「ヨーコは何になってるんや?」
(絶対戦士だろうけど。)
「あたいは戦士だよ。」
「やっぱり。」
「おい、やっぱりってなんだい。」
「調子こいてすんません。ちなみに俺は何がいいと思う?」
「ったく、そうだね。あんたの得物はショートソードだろ?スピードもあるし、魔法も使えそうだから、撹乱にむいたシーフがいいんじゃないかい?」
「じゃあそれで。」
「本当にあんたはいつも適当だねぇ…。」
「じゃあ、受付のお嬢さん。シーフでお願いします。」
「シーフですね。ではシーフで登録さしていただきます。」
「おねがいします。」
「では、適正検査は昼からになりますので、後で受付にお越しください。」
「了解です。」
「じゃあ、昼飯でも食いに行くかい?」
「そうやな、昼から検査もあるし、英気を養いにいきますか!」
こうして2人は昼飯を食べに行き、ヨーコに魔法を見せてもらったりして適正検査まで過すのだが、後に、この昼飯が悲劇を生む事を2人はまだ知らなかったのだ…。
今回かなり迷いました。
色々ご意見があると思いますが、やさしめでお願いします。
後、ポイントがすごい事になってますね。
読んで頂いている方、本当にありがとうございます。
誤字、脱字、ご意見、ご感想、批判など、お待ちしています。