4話 小屋に着きました
足りない部分は脳内補完でお願いします。
4/25 修正しました。
ご指摘いただいた内容を少し追加修正しました。
ヨーコは移動中は背負われて恥ずかしいのかほとんど話さなかったが、ムフフなイベントをなんとかこなして、現在は小屋の前にいる。
小屋はちょとした砦のようで、周りを高い柵で囲まれていて、その外周に魔物除けの草を植えてある。草は多年草らしく、この地域の温暖な気候も相まって枯れることは無いらしい。柵の中は小屋を中心に、西側に倉庫、東側に井戸があり、北と南は練磨場のようになっている。練磨場といっても案山子と的があるだけだが。
「結構、立派なんやな。」
「だろう。村とギルドが協力して作ったらしいからね。とにかく中に入ろうや。」
「せやな。やっとゆっくりできるわ。」
小屋は平屋造りでログハウスっぽくなっている。中は7~8人ぐらいは泊まれるような広い造りになっている。1LDK?になるのか、大部屋で入り口から見て左側にベットが6つあり、中央に丸机と椅子が3セット、右側に調理場のような物と長机がある。
「体は大丈夫か?」
「まだ、ちょいダルいけど、大丈夫だよ。」
「せやったら、いくつか質問させてな。まず、何があったか聞かせてくれるか。」
ヨーコから聞いた話によればこうだ。ギルドで同じ依頼を請け負った5人で森に入った。依頼はキラービーというあの蜂の討伐で、村の近くで被害が増えたため、討伐の依頼がギルドに入ったらしい。
キラービーは本来10~15匹の働き蜂と1匹の女王蜂なのだが、彼らが遭遇したのは50匹を超えるキラービーとありえない大きさの女王蜂だったらしい。本来の依頼はCランクで(カイルにはCがどの程度か分からないが)それほど難しくない依頼らしいが、本来の5倍以上(Aランクぐらいだろうとの事)では圧倒的だったらしい。初めの戦闘で3人がやられ、任務継続は不可能になり、なんとか逃げたが、後を追ってきた数匹に追い着かれてしまい、不意打ちに近い形で男が殺され、何匹かは倒したが、ヨーコも手傷を負ってしまった。そこへカイルが現れたそうだ。
「あんたが来てくれてなかったら、あたいも終わってたよ、改めて礼を言う、ありがとよ。」
「まあ、たまたまだったからな、ヨーコの運が良かったんや。」
「まあ、そーいう事にしとくよ。それはそうと、カイルはどこから来たんだい?それになんでまたあんな所に?」
(痛い所を付いてくるな、さて、どない説明しようか・・・・)
とりあえず、それっぽい理由として、じじいと山奥の村で住んでいて、じじいが死んだのを機に旅に出た。荷物が少ないのは、魔物との戦いの時になくした事にした。常識が無いのは山奥の村出身だからなど、それっぽい事でごまかした。
「そうなのかい。じゃあ・・・」
ぐうぅーーーーーー・・・・
おもっきりヨーコの腹がなり、赤面しながら言い訳する。
「こ、これは、逃げるので必死で、荷物をなくしたから何も食べてなくてそれで・・・・。」
「いいからいいから、とりあえず飯にするか。たいした物は無いんや・・・・」
(いまさらやけど、ヨーコって猫っぽいよな。たぶん肉で大丈夫やろうけど。)
「なあ、ヨーコ。ヨーコってなんて種族なんや?」
「ん?見て分からない?赤虎族だよ。結構多いんだけどなぁ。」
(赤虎ってことは、赤い虎やな。たしかに赤髪に虎柄やし尻尾も猫系のやつやし。でも顔は人間に近いな、何より巨乳で美人で巨乳!)
カイルはオッパイ星人なのかそんな事を考え、改めてジロジロ見ていると。
「急にそんなに見られたら恥ずかしいだろうが!」
胸を隠すようにして言うから余計に巨乳が強調される。
「すまんすまん。獣人と会うの初めてやねん。住んでた所はヒト種ばっかりやったから。」
「まあ、山奥や言うてたからな。しょうがないなぁ。」
(セーフ。山奥設定あたりやな。)
「と、とにかく、飯にしよか。干し肉とクラッカーしか無いけどな。」
「充分だよ。それより量は大丈夫なのかい?村まで後1日くらいで着くけど・・・・。」
「心配せんでも大丈夫や。何かあった時ように残してたから、2人でも村までやったら余裕であるわ。」
いつかのフラグを回収しつつ、食事をしながら色々な事を話す。
この世界いる種族は、人間、エルフ、ダークエルフ、ドワーフ、猫系獣人(赤虎族、黒虎族、白虎族、キャッティアなど)、犬系獣人(黒狼族、白狼族、ドックスなど)、熊系獣人、龍人族(数は少ないらしい)魔族(人と同じように良い奴も悪い奴もいるらしい。)、その他などがいるらしい。(かなり混血が多いらしい。ヨーコも混血だそうだ。)
大陸には大きな国が5つあり、現在いるのが自由都市国家フリークス(大統領制で民主国家)で東南に位置する。中央部北から北東にかけは、最大の国家であるロンゴール帝国がある。中央部にラストニア皇国、西南には部族集合国家フォレスティア(エルフや獣人などが多い。)がある。北西にはガルア王国があったが、数十年前に現れた魔王に滅ぼされ、現在は魔国になっている。今は魔国に面した帝国、皇国、集合国が連携して対応しているため均衡状態が続いている。
魔王は数百年単位で現れるらしく、様々なタイプがいるらしい。過去の文献によれば人型だったり、龍だったり、魔物や化物だったりする。攻め方も国を侵略したり、破壊の限りを尽くしたり、疫病を蔓延させたり色々だったらしい。(現在は侵略方になるのか?)
勇者は魔王を討伐した人物に与えられる称号で、自称勇者などはかなり痛い人が多いらしい。
食事が終わり、のんびりしていると。
「カイルはこれからどうするんだい?」
「どうするって寝るけど?」
「じゃなくて、村に着いた後の事だよ!仕事を探すって言うてたけどアテはあるのかい?」
「あー、まったくないわ・・・」
「あんたねぇ、いきなり部外者が行って出来る仕事なんてなかなかないんだよ。」
「まじでか・・・どないしょうか・・・。」
「まったく・・・・。それだったら、ギルドに登録して冒険者はどうだい?結構稼げるし、元でほぼゼロで出来る仕事だしね。」
「んーん、まあ、それしか無いかぁ。」
「なんか心配だねぇ。しょーがない!カイルは命の恩人だし、慣れるまであたいが面倒みてやるよ。」
「ヨ、ヨーコが女神に見える。姉さん!一生着いてきます!」
ヨーコは女神にテレながらも
「たっく調子がいいね。それにあたいは21だよ!ま、あんたから見ればかなり年上か。」
「ん?俺もう20やけど?」
「本当かい!?まだ16ぐらいだと思ってたよ・・・。」
「・・・・・」
「・・・・・」
「と、とにかく、村に着いたらギルドに行って、カイルの登録とあたいの依頼の報告だね。」
「依頼って失敗したんだよな。違約金とかあるんか?それに荷物失くしたんやろ?金は大丈夫なんか?」
「場合が場合だからね。今回は違約金はないよ。どちらかと言えばギルドの情報不足の為の失敗だし。お金はギルドに預けてあるから、この指輪さえあれば大丈夫さ。」
そういって指輪を見せてくれる。指輪には身分証明や個人情報が入っているらしい。
「じゃあ、安心やな。」
「とにかく今日はもう休もうか、さすがに疲れたよ。ギルドの詳しい説明は村についてから話すよ。」
「了解。ほな寝るか。お休みヨーコ。」
「お休みカイル。」
久しぶりのベットと溜まった疲れからか、2人はすぐに眠りについた。
そして翌朝、2人は村へ向かうのだが、先に起きて水浴びしているヨーコと鉢合わせてしまい、メロン2つを直視した後に、軽くぶっ飛ばされるドキドキイベントが発生した。この時のカイルはとても幸せそうな顔でノビていたそうだ。
今回やっとヨーコの種族を説明できました。
次回はギルド登録します。
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