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3話 第1異世界人発見?

会話むずぃ。

あと、書き方少し変えてます。


4/25 修正しました。


 初めての戦闘が終わり、再び村に向けて進み出したのだが、ペースがまったく上がらない・・・・。

 ウサギ?になんとか勝利したが、また襲われるかもしれないと言う恐怖心が足取りを重くしているのだ。

 だが、本来は現在のペースが普通なのだ。丘から川までは、まったく無警戒で進んでいた為、あのハイペースが維持できたのだった。

 もちろん、能力強化のおかげでもあるのだが、その能力強化によって得られた身体能力に有頂天になり、まったく周りが見えていなかった。

 異世界に来るまでのありえない出来事の連続に現実感が失われ、強化された能力にのまれ、力に酔っていたのだ。

 しかし、彼はある意味、運があったのだ。無防備な状態での移動中を襲われていたなら、それほど強い魔物がいないとはいえ、無事ではすまなかったかもしれない。

 それに偶然ではあるが、襲われた時に剣を振っていた状態だった事もそうだ。剣から離れた位置に居たり、剣を抜いた状態でなかったら、突然の遭遇に平和ボケした元日本人では反応できなかっただろう。

 そして、一番の幸運が、初戦において苦戦して勝利した事である。これが瞬殺、圧勝となっていたら、彼は、戦闘での恐怖心を覚える事なく、慢心したまま進んでいき、その慢心が取り返しのつかないことになっていたかもしれない。

 

 周囲を警戒しながら、彼は進む。

 時折聞こえてくる物音にビクつきながらも夕方まで何事も無く進み、夜になり辺りが暗くなる前に休むことにした。

 質素な夕食を済ませ、寝床を作ることにしたのだが、地面で寝ていては襲われる可能性が大きいことに気が付く。そこで、周辺を散策して安全に休めそうな場所か、何か使えそうな物を探すことにした。

 辺りには身を隠せそうな場所は木の上しか無かったのだが、木に巻きついている太い蔓を見つけた。

 「これは使えそうやな。」

 太い蔓をロープの代わりにし、木に登り蔓で体を固定して眠ることにした。

 かなり寝にくいが、初戦闘と警戒しながらの慣れない森の移動で疲れきっていたためにその日はすぐに眠りについた。



 2日目の朝は最悪の目覚めだった。体を固定していたために寝返りを打てなかったので体が痛む。

 それでも睡眠がとれたので、体力的にも精神的にもある程度は回復できていた。

 「今日は安全に寝れそうな所を早めに見つけんとあかんな。」

 朝食をすませて村へ向けて歩き出す。

 

 1時間ほど歩いた所、前方で何かが動いた。

 すぐさま剣を抜き構える。

 現れたのは、巨大なネズミだった。体長1メートルはあるだろう。そして醜く太っており、腹を空かしているのか、よだれを垂らしながらこちらを見ている。

 「どうやら、俺は餌にみられてるようやな。」

 デブネズミは、のそのそとこちらに近づいてくる。

 「クソッ!そっちが殺る気なんやったら、殺ったるわ!」

 前回と違い、こちらから仕掛けていく。

 デブネズミとの間合いを一気に詰める。そして、そのままネズミの左側を走り抜けるように一撃。

 「チッ、浅いか!」

 まだ戦闘に慣れていない為に目測を見誤り。それほどダメージを与えられなかった。

 改めて剣を構える。しかしデブネズミはまだ振り返る途中である。

 (いくらなんでも遅すぎるやろ・・・・・)

 そうではない、彼が速いのである。

 前回の戦闘では動揺が激しく、集中しきれていなかった為にうまく動けていなかった。

 だが今回はある程度、集中できているので、能力が発揮され、相手の動きが見れているのだ。

 よくプロスポーツ選手や格闘家などが体感する、ボールが止まって見える、対戦相手の動きがスローモーションに感じる。そんな感覚に近いだろうか。能力強化の恩恵によるスピード、それに対応するように強化された動体視力や情報処理能力、それらによって彼にも相手の動きがスローに見えているのだ。

 (とにかくチャンスや、次はおもっきりいったる!)

 間合いを詰め、振り向く相手の反対側に回りこみ、その勢いのまま剣を振り落とす。

 グチャリ

 肉を切る感触が腕に伝わり、デブネズミの首が転がる。

 「フゥー、案外あっさりさったな。とろくて助かったわ。」

 実際、このネズミの動きはそれほど遅くは無いのだが、戦闘に慣れていない彼は、相手が遅いと勘違いしているようだ。


 2度目の戦闘の後、昼食まではかなりのエンカウント率だった。

 でかい芋虫やゲル状の生き物は、動きが遅いため戦わず逃げ、向かってくる猪やデブネズミは返り打ちにして進んでいった。

 だいぶ戦闘にも慣れ、動きもよくなってきたのか順調に進み現在は3分の1ぐらいの所まできている。

 今日は早めに寝床を探す事にし、周辺を散策する。昨日のように木の上はさすがに避けたい。

 しばらく辺りを探していると、木と岩の間に調度よい隙間を見つけたので、辺りが暗くなる前に、夕食を済ませ、入り口を草で隠してその日は早めに眠った。


 

 3日目の朝はましな目覚めだった。

 前日と違い、横になって眠れたのは良かったが、下が地面だったので少し体が痛かった。しかし、木の上と違いぐっすりと眠れたので、精神的、体力的にもかなり回復していた。

 朝食を済まし、今日も村を目指して進みだした。

 前日とは打って変わり、魔物にまったく会わない。昼食を終えた段階で半分を越え、3分の2近くまで進んでいた。順調で怖いくらいだ。

 「このまま、村まで何もなかたっらええんやけどな・・・・。」

 そんなフラグを立てつつ進んでいると、きっちり回収かのするように。

 


 「うあぁぁぁぁ・・・・!」

 


 と、男の叫び声が聞こえてきたのだった。

 とりあえず、状況を確認するために叫び声の方に走る。

 たどり着いた先で目にしたのは、無数の大きな蜂の死骸と横たわる男性、木を背にし蜂に囲まれた獣人だった。初めて見る獣人に驚いたが、まずは状況を確認する。

 獣人は左腕に怪我をしているようで、右腕一本でバスターソードを構えている。

 (とりあえず生きてるか死んでるかわからん方は後回し、まずは確実に生きてる方からや。)

 剣を抜き一気に間合いを詰めると、まだこちらに気が付いていない蜂に切りかかる。

 無防備な背後から一撃、切り返しで違う蜂の胴を薙ぐ。さらに獣人駆け寄りながらすれ違い様に一撃、そのまま獣人と蜂の間に立ち、剣を構える。近くで見ると獣人は女のようで、腕の傷は噛まれたような傷と蜂の針が刺さっていた。

 突然の襲撃者に警戒した蜂たちは距離を取る。


 「おい!大丈夫か!」

 「はぁはぁ、な、なんとかね。それよりあんたは・・・・。」

 「それ後や、まずこいつらを片付けるわ!」

 「片付けるって、この数を一人じゃ無・・・・」

 獣人の言葉が終わる前に駆け出す。

 

 残る蜂は6匹。

 (剣一本じゃ手数が足りん。)

 ショートソードを右手に持ち、左手でナイフを抜き逆手に持つ。

 近くにいる2匹の蜂の右側の方に剣で斬り付け、その勢いのまま左手のナイフを上方から遠心力を付け左側の蜂の頭に突き刺す。

 一瞬で2匹を片付け、反応できていない蜂達を尻目にさらに違う2匹に斬りかかる。

 1匹目を右下段から斬り上げ、体を回転させ頭にナイフを突き刺す。さらに踏み込み、もう一匹を上段から切りつける。

 (これでラスト2匹や!)

 ここでやっと反応した2匹が向かって来る。2匹は連携するように1匹が前方から、もう一方が回り込むように突っ込んでくる。

 (同時に攻撃されたら防がれへん!)

 手に持ていたナイフを前方の1匹に投げつける。もちろん、素人が投げたナイフが刺さる事はなかったが、動きを止めるには十分だった。回り込んで来た蜂を蹴り飛ばし、動きを止めた蜂を斬る。蹴り飛ばされた蜂は羽をやられたようでのた打ち回っている。

 ナイフを拾いのた打ち回る蜂の側による。

 「これで終わりや。」

 ザシュッ

 最後の1匹を仕留め、倒れている男に向かうが男は喉を噛み切られており、すでに息をしていなかった。


 男は諦め、獣人の方に向かう。獣人は緊張の糸が切れたのか座り込んでしまっていた。

 

 「あいつは?」

 首を横に振る。

 「そうかい・・・助けてくれてありがとよ。あんたが来てくれなかったらあたいもああなってたよ。」

 「すまないな、もう少し早く来れていれば助けられたかもしれんのに・・・・」

 「しょうがないさ、あいつに運が無かっただけだよ。」

 「ずいぶんあっさりしているんやな。仲間じゃなかったんか?」

 「たまたま依頼で一緒になっただけで、昔なじみって訳でも無いしね。それにあたいの運もここまでのようだからね。」

 「どういうことや?」

 「こいつのせいさ。」

 獣人はそういって左腕を見せる。

 「傷はたいした事ないけど、この蜂の針には毒があってね、解毒できなければこのままお陀仏なのさ・・・・」

 「ならあんたにはまだ運があるようやな。ちょっと待っときや。」


 袋を取りに行き、中から小瓶を取り出し、針を抜いて液体を少しかける。そしてジェル状の方を傷口と針の後に塗る。傷は塞がっていくが、毒が消えたか自信がない。

 「これで大丈夫やと思うけど、一応解毒薬を飲んどいたほうがいいな。」

 「本当にありがとな、あんたは本当に命の恩人だよ。」

 「いいよ、俺じゃなく神に感謝してくれ。」

 (神がくれた物やしな。)

 「あんた、神を信じているのかい?」

 「いや。無神論者やってんけどな。」

 「・・・・?。まあ、いいわ、自己紹介がまだだったね。あたいはヨーコ。ギルド所属の冒険者だよ。」

 「俺は犬飼いぬかい るい。ルイが名前でイヌカイが家名やな。友人からはカイルって呼ばれてる。ヨーコもカイルって呼んでくれていいで。」

 「わかった。よろしく、カイル。家名があるって事は貴族かなんかかい?そうは見えないんだけどね・・・・。」

 「いや、一般人やで。俺の住んでた所では、家名があるんが一般的やってん。」

 「そっか。じゃあ、やっぱり冒険者なのかい?」

 「いや、こちらに来て間もないから今んとこ無職になるかな。村で職を探すつもりやねん。」

 「あんなに実力があって無職って・・・・。あんたよく判らない奴だね。」

 「まあ、とにかく、そろそろ移動するか。どこか休めるは所ないか?」

 「それだったら、ここから1時間くらい行った所に、冒険者や狩人が使う小屋があるよ。そこだったら、柵もあるし、魔物が嫌う草も植えてあるからゆっくりと休めるよ。」

 「じゃあ、後の話は小屋でやな。とにかく移動や。立てるか?」

 手を差し伸べ、引き起こすが、ヨーコは立ってるのがやっとの様子だった。

 「しょうがないな、ほらっ、背負ってやるから。」

 カイルは背中を向ける。

 「えっ!ちょっと待ち、あ、あたい重いしさ、なんとか、歩けるから!」

 ヨーコは恥ずかしいのか、赤面し、かなり動揺している。意外にウブなようだ。

 「そんなふらふらで何言うてんねん。また襲われたらどないすんねん。」

 「うー、でも・・・しょうがないか・・・・。お、お邪魔します。」

 「はいはい、どうぞ。」

 しぶしぶ背負われるヨーコ。

 「うっ!」

 「どうしたんだい!や、やっぱり重いんだろ!」

 前かがみになるカイル。

 「いや、なんでもない、行くで。」


 (やばい、ヨーコ胸でかすぎやろ)


 背中にあたる感触に前かがみになりながら進む情けないカイルであった。

 

  

 

今回まとめきれず長々と書いてしまいました。

ヨーコの口調が微妙に安定してません・・・。


なにかアドバイスありましたらよろしくです。

誤字、脱字、ご意見、ご感想、批判、お待ちしています。


変更でヨーコの言葉使いを統一しています。


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