第1章 1話 旅立ちの準備
設定が甘いかもです。
2012/1/16 修正しました。
内容は変えていません。
・・・・・・・・・・・・・・ッ!
徐々に覚醒していく意識の中で瞼に強い光を感じる。
彼がゆっくりと目を開ける。
そこに広がっていたのは一面の木々だった。
彼が立っているのは、高い丘の上のようで遠くまで見渡す事ができた。
丘の周りは深い森で、辺りには文明的なものは何も見えない。
空を見上げると・・・
そこには、太陽が2つあった。
「あはは・・・太陽2つって、本間に異世界に来てしまったんやな・・・・・・・・。」
つぶやいた言葉が、見上げた雲ひとつ無い空に吸い込まれていった・・・。
彼はとりあえず、体を動かしてみる事にした。
神に強化して貰い、初めて体を動かすので少し緊張しているようだ。
腕を曲げる。手を握る。屈伸する。
「どうやら違和感はないみたいやな。」
どんな風に強化されたかまだ解らない彼だが、今までと同じように動く体に少し安心する。
『落ち着かれましたか?』
突然、頭に直接響いた声に驚くが、その声は先ほどまで聞いていた声だった。
「神様ですか?大丈夫です。落ち着きました。」
(念話って・・・なんかテンプレやな・・・ってか、さいい感じに送り出してくれたとこやん。)
(って考えるだけ無駄やなぁ。)
『それは何よりです。では、今からあなたにこの世界のある程度の知識を与えます。言葉や文字などが解らないと不便でしょうから。』
(神様突然ですな・・・・。そして、神様はやはりテンプレチートのようやな。でもまあ、英語ですら苦手な語学力のない俺にとってはかなり有り難い申し出や。ここは素直に・・・・。)
「よろしくお願いします!」
(なぜか誰もいないのに頭を下げてしまった・・・ハズい!)
(まっ、まあ、根っからの日本人やからしょうがない・・・でもやっぱハズい!!!)
『分かりました。では始めます。』
(神様見事にスルーなんやね・・・放置は地味にクる!少しでも反応がほしかった・・・!)
彼がそんなことを考えていると、体が光に包まれる。
何かが頭に流れ込んでくる不思議な感覚に支配された。
しばらく光に包まれた後、徐々に光は消えていった。
『終わりましたよ。これで言葉、文字、ある程度の知識は解るようになりましたよ。』
(なるほど、言葉、文字は対象が無いのでいまいち分からんが、ある程度の知識は理解できた。)
「言葉や文字はまだ分かりませんが、知識は分かりました。」
『では次に最低限の物資を転送しますね。』
(確かに今は服しか無い状態やし、このままやったら、あっという間にお陀仏やろうな。)
(何から何まで有り難いことやな。)
『最低限ですので、この世界の服、お金、地図、近くの村までの食料、ナイフ、ショートソード、毛布、布袋、回復薬、解毒薬を転送させていただきます。』
(最低限でもそんなにくれるんか!)
『この辺りには比較的に弱い魔物が多いですが、中には毒を持っているものもいるので気をつけて下さいね。』
(そうだった、この世界には魔物がいるんやった!元の世界で剣術も体術もやったこと無いし、かなり不安やわ・・・)
『まあ、この辺りなら、あなたの能力ならよほどの事が無い限り毒以外の攻撃で死ぬ事は無いと思いますよ。』
(毒以外で死ぬ事がないって事は毒ではポックリいっちゃうわけや・・・気をつけよう。)
(まあ、解毒薬も貰えるみたいやし、なんとかなるか。)
「分かりました。よろしくお願いします。」
『それでは転送いたしますね。転送しましたらあなたに干渉するのは最後になります。』
「そうですか・・・・色々とありがとうごさいました。この世界で頑張ってみます。」
(不安はある。だけどこの世界で生きると決めたんやし、頑張ってみよう!)
『頑張って下さいね。それでは転送します。』
神様からの念話が終わると目の前に荷物が現れた。
(なんか今回、神様あっさりしてたな・・・・・・。でもまあ、数々のチートをありがとう神様!)
「なにはともあれ、まずは情報整理やな。」
彼は地図を広げ、自分がいる場所を確認する事にした。
彼がいる所を大まかに言うと、大陸の南東にいる。
この世界には大陸は一つしかなくMの上の隙間をなくして、丸みを着けて横に伸ばしたような形だ。
あとは大陸の東に島国がいくつかあるようだ。
さらに、情報の整理に入る。
この世界には魔法があり、生物を殺したり、魔物を殺した時にその生命力を吸収して自分の能力を上げる事ができるようだ。
ただ、あまり爆発的な能力の伸びは普通は無く、徐々に上がるらしい。
ゲームのRPGとほぼ同じである。
「折角の異世界やし、強くなれるんやったらなりたいな。とりあえずは、地味に弱い魔物を倒していこうかな。」
この世界は人型種(盗賊や人殺し、魔物などは対象外)を殺す事は倫理的に禁止されている。
人型の種族としては、人間、エルフ、ドワーフ、獣人、龍族、魔族などがいる。
文明レベルは中世ぐらいで、科学の変わりに魔法が発達している。
魔法を使うには、ある程度訓練する必要がある。個人差による強弱はあるが誰でも使える。
近くの村までは大体歩いて5日程の距離で森を抜けて行かなくてはならない。
「とにかく村まで移動しないと詳しいことは分からんか・・・・。まずは、荷物の確認やな。」
目の前にはショートソード、ナイフ、ブーツ、布袋があり、袋には食料、水筒、毛布、地図、お金の入った袋、小瓶二つ(たぶん薬)、黒い布のズボン、白いシャツ、厚手の黒い革ジャンのようなものが入っていた。
「パンツと靴下がなぜ無いかは分からんが贅沢はいえんな。とにかく着替えるか。」
さすがに今着ているジーパン、赤いパーカー、スニーカーでは目立ちそうな感じがするので、まずは着替えることに。
(さすが神様コーディネイト!サイズぴったり!たぶんオシャレ!きっとオシャレ!お願いオシャレであって!!!)
・・・・・・・とにかく、着ていた服などを袋の底のほうにしまい、荷物を詰めな直す。
次にお金の入った小袋を確認してみる。
金貨が5枚、銀貨10枚、銅貨10枚が入っていた。
大体の物価で換算すると、銅貨が100円、銀貨が1000円、金貨が10000円になる。
金貨の上に白銀貨があり、1枚10万円で、白銀貨の上に宝石貨があり1枚100万円だ。
現物がないので白銀貨や宝石貨がどんな物かは今はわからないのだが。
今の所持金を日本円で換算すると、61000円となる。
金額的にみれば微妙だが、無料で貰ったものなので十分であった。
これだけあれば村でしばらく困ることもない。
「村に着いたらまずは宿探しと仕事探しやな!」
(って、なんか独り言が多くなってきたがしょうがない・・・、だって話相手がいないんだもん!)
(でも、あんま増えるとアレな人やとおもわれるし注意しよ。)
とにかく、出発しなければ始まらないので、ショートソードを左腰のベルトの間に挿し、ナイフをベルトの後ろ側に取り付ける。
そして、布袋を背負うと彼は、
「出発するか!」
と、最後まで独り言の多い結局はアレな人だった。
だが、何はともあれ、彼の異世界での人生がここから始まるのであった。
基本的に主人公は関西弁ですが、緊張したり、丁寧に話す時は標準語になります。
今回はほとんど説明になってしまいました・・・
次は戦闘描写に挑戦したいと思います。
初めての小説で設定がアマアマなのでツッコミお待ちしています。
誤字、脱字、感想などなどお待ちしてます。