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天使として…  作者: 白夜
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1-4 侵入者

 どうも、白夜です。

 梅雨があけて急に気温があがったので大変です。私は夏が苦手なんです(^_^;)




 私達のクラスは40人いるため4人一組なら10チームできる。


 リリィ達と一緒じゃないのが残念だが仕方ない。


 今回の演習は制限時間が一時間、その間にできるだけ相手を倒さなければならない。相手を気絶させるか降参させれば勝利だ。


 私達は先生の合図で森のあちこちに飛ばされた。


「さあ、皆さんいきますわよ!」


 フィアナが突然大声でそう言ったので私は慌てて彼女の口を押さえた。


「ち、ちょっと!そんなに大声出したら見つかるでしょ!」


 私が小声でそう注意するとフィアナは恥ずかしそうに“しまった”という顔をしていた。


「ふん、安心しろ。僕達だけでも十分だ。お前達はあてにしていないからな」


 ルイスが馬鹿にした態度で私とフィアナを見ていた。


「ちょっと、ルイス。そんなふうに言わなくてもいいでしょ」


 シャーリーがルイスを注意するがルイスは気にせずさっさと歩き始めた。


「何なの!あの態度は!私が足手まといというのですか!」


 フィアナは怒ってルイスと口喧嘩を始めた。


 私達のチームは大丈夫なのだろうか。心配になってきた。










 あれから私達は2回他のチームと戦闘をした。


 フィアナは足手まとい扱いされたのが余程嫌だったようで、魔法でどんどん相手を攻撃していた。


 ルイスとシャーリーは双子であるためか息の合ったコンビネーションで次々と相手を弱らせる。


 私は戦闘は3人に任せて回復やバリア等の補助をしていた。私が戦えばすぐに終わってしまうからね。


「ふん、大したことありませんのね」


 フィアナがそう言って近くの木の根元に座った。


「少し休みましょう。ルイスもそれでいいわよね?」


 シャーリーの問い掛けにルイスは頷いた。


 私は力を使って森全体を調べた。どうやら私達を含めてあと3チーム残っているようだ。


 すると、シャルが私に話し掛けてきた。


『マスター、何か妙な気配がします』


「妙な気配?」


 私は再び森を調べた。すると、森の外から誰かが侵入してきた。


「……!」


 そしてその反応は真っ直ぐこっちに向かってきている。


「みんな!誰か来るわ!」


 私の言葉を聞いた瞬間全員が立ち上がり構えた。


「気をつけて!学園の生徒じゃないわ!」


 私は反応があった方向を睨みつける。


 すると、何かを感じたルイスが顔をしかめる。


「…空気の流れがおかしい」


 私はルイスの呟きを聞いた瞬間バリアでその場にいる全員を包んだ。何かがこっちに飛んできているのがわかった。


「ふせて!!」


 私が叫ぶのとバリアに巨大な風の塊がぶつかるのが同時だった。


「きゃあ!」


 あまりの大きな衝撃にフィアナが尻餅をついた。


「これは!」


「風の魔法だ!しかもかなり高度な術みたいだ」

 バリアにひびが入る。咄嗟に作ったから強度が足りない。


「はあああ!」


 私はバリアを前方に押し付けるようにして破裂させた。その衝撃で風の塊は消え去る。


「よし!」


 私が小さく呟くとシャルが叫ぶ。


『マスター!まだです!』


 消えたはずの風の塊があった場所に小さな風がいくつも集まっている。


「……!いけない!」


 私は双子にバリアを張る。しかしフィアナには間に合わない。


 私はフィアナの前に立って両手を広げてかばった。


 その瞬間集まっていた風が弾けた。小さな風は鎌鼬となり周りの木々を切り付ける。


 フィアナを庇った私は身体の数十ヵ所が裂けて血が吹き出した。


「………え?」


 フィアナは何が起きたかわからないようで呆然としている。


 フィアナの安全を確認した私はその場に倒れた。


 私の服は裂け、真っ赤に染まっており倒れた私を中心に血が広がっていく。


「いやあああああああああ!!」


 やっと目の前の光景を理解したフィアナが叫ぶ。


「エルダさん!」


「おい!しっかりしろ!」


 シャーリーとルイスが私の所まで走ってきた。


 すると林の中から白いローブを着た人物が出てきた。


「ふん、手こずらせやがって」


 声から男であることはわかった。その男はフィアナを見ると近づいていく。


「フィアナ・ルツ・フレイラルだな?」


 フィアナは怯えながら後ずさる。


「お前をさらってこいと命令を受けている……さあ、来てもらおうか」


 男がフィアナに手を伸ばす。


「……ひっ!」


 フィアナは震えながら更に後ずさる。


「待て!」


 ルイスが声を上げながら男の頭上に魔法で岩を落とす。


「邪魔をするな!」


 男は魔法で風を起こし岩を砕いた。そしてルイスの腹に素早く蹴りを入れた。


「…ぐっ!」


 ルイスは近くの木まで飛ばされ背中を打ち付けた。


「ルイス!」


 シャーリーが叫ぶと男はローブの中から剣を取り出した。


「邪魔をするやつは殺していいと言われている。死にたくなければ動かないことだ」


 シャーリーは悔しそうな顔のした。おそらくシャーリー一人ではこの男には勝てない。


「ふん、わかるばいいんだ」


 私はこのままではまずいなと思い、仕方なく傷を再生させる。そして立ち上がった。


「……何だと!」


「……!」


 男とシャーリーが同時に驚く。今のエルダの肌は血がついてはいるが傷が無くなっている。


「…お、お前はいったい…」


 男がそう言った瞬間、エルダは男の背後に回り込むと魔力を放出して吹き飛ばした。


 男はそのまま気絶したようだ。


「……ふぅ」


 私が息を吐くとフィアナが私に飛び掛かってきた。


「きゃあ!」


 思わず変な声を出してしまった。


「フィアナ?どうしたの?」


 フィアナは私にしがみついたまま何も言わない。


「…フィアナ?」


 私はそこで気がついた。フィアナは泣いていた。


「……よかった…本当に……」


 涙を流しながら私を心配してくれたフィアナに私は微笑みながらしばらく頭を撫でてあげた。










 その後、先生達が捕まえた男のことを調べた結果、その男は反政府軍であることがわかった。


 フィアナは貴族であるため、彼女を人質として捕まえていざという時には交渉に使うつもりだったらしい。


 現在このセイガルント大陸は政府軍と反政府軍があちこちで戦いをしている。


 どうやら近々大きな戦争があるらしい。



 私はあの後大変だった。


 私は考え事をしていて服を着替えずに教室に入ってしまい、クラスメイト全員を驚かせた。


 そこでやっと気がついた私はおそらく顔が真っ赤だっただろう。なぜなら裂けた服の隙間から胸やら太股やらがきわどい感じで見えていたからだ。


 リリィやサイは私を心配してくれた。私はそのことが嬉しくて思わず泣きそうになっていた。


 しかし、この時私の身体にはある異変が起こっていた。それを私が知るのは次の日になってからだった。

 先日新たに感想をいただきました。送ってくださった方々ありがとうございます。

 これからも頑張ります。

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