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天使として…  作者: 白夜
21/49

2-3 エルダ達の日常


 今回は楽しんで書けました。楽しんでもらえたら嬉しいです!


―エルダSide―


 いつもの窓辺の席で私は外の景色を眺めている。あいにく今日は曇り空だ。


「…むう、曇り空だと気分が沈むわね」


 などと独り言を呟いていると背後から何やら怪しい雰囲気が近づいてくるので振り返りながら強めのデコピンをする。


「にゃあ!?」


 案の定、何やら手をワキワキさせながら近づいていたリリィの額にヒットしてそのまま彼女は後ろの壁まで吹き飛んだ。


「……加減を間違えたかしらね」


 強めのデコピンで人が吹き飛ぶなんて…全力ならどれくらいだろうか…いや、考えないようにしよう。これ以上やると周りに迷惑がかかるから。


 授業が始まったので私は再び空を見ながらノートにペンを走らせる。最近は鼻歌を歌いながらでも授業を受けれるようになった。私はどれだけ万能なのだろう…


 ちなみにリリィはもう復活して授業を受けている…案外タフみたいね、感心するわ。でも、額を撫でながら何故か嬉しそうなのよね…リリィってMなのかしら…ちょっと不安だわ。










―フィアナSide―


 皆さんお久しぶりですわ。私のことを覚えていらっしゃるかしら?忘れた方は最初の方を読み直してくださいな。


 現在は二時間目の魔法演習の授業ですわ。


説明がなかったので変わりに説明いたしますけど、このアスタル魔法学校は優秀な魔術師を育てるために主に魔法についての知識を勉強する場所ですわ。

 今行われている魔法演習も魔法の訓練、及び危険性を理解するためですの。


「…それにしても」


 私は今、集団から外れた場所にいるエルダをみていますの。彼女は周囲の温度を下げて自分の周りだけ雪を降らせているみたい…ああ、なんて美しいのかしら。さすがはエルダ、何でも出来ますのね…


「ほらほらサイ!避けないと火傷するわよ~!」


「…ちょ!?リリィ!それは危ない!そんなたくさんのファイアーボール避けれないから!!」


 エルダから少し離れた場所でリリィが30個程のファイアーボールをサイに向かって発射していますわね…彼女は鬼なのかしら…サイには後で治癒魔術をかけてあげないといけませんわね…










―サイSide―


 皆久しぶりだな、サイマスだ。さっきは酷い目にあったが今は三時間目、魔法薬学の時間だ。魔法薬っていうのは体力や魔力の回復を助ける薬のことで、魔力が切れて動けなくなるのを防ぐために使われたりする。ちなみに今作ってるのは体力回復のための薬だ。様々な薬草を決められた量混ぜ合わせるだけで作れるから割と簡単なのだが…


「…あ!フィアナ!その薬草入れ過ぎだよ!?」


「…え?そうなのですか?」

「どう見ても入れすぎよ!…あっ!シャーリー助けて!」


「エルダどうしたの…って何これ!?何で綺麗な緑になるはずの薬が紫に!?」


「……これはあきらかに毒よね」


 どうやらフィアナは魔法薬学にはむいてないみたいだな…気をつけなくては、あんなもの飲ませられたらたまったものではない…


「ちょっと色が違うだけですわ!…あ、サイ!ちょっと味見してみてくださいな!」


「何だと!?そんなものを俺に飲めって言うのか!?」


 い、いけない!早く逃げなければ!


「逃がしませんわよ!」


「…何!?は、離せ!俺はまだ死にたくない!!」


 腕を捕まれて逃げられなくなったのでエルダ達に視線を送るが…


「サイ、骨は拾ってあげるわ…」


「いや助けてくれよおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」


 その後紫の液体を無理矢理飲まされたところで俺の意識は途切れた。









―シャーリーSide―


 今は四時間目、さっき気絶したサイを保健室まで運んできたから少し遅れちゃったけど先生に事情を話したら顔を引きつらせながら納得してくれました。


 今は音楽の時間です。あんまり勉強ばかりだと精神的に疲れるからって理由でこの時間は作られたみたい。今私達は音楽室で自由に音楽を演奏したり歌を歌ったりしてすごしてるの。


「あら、ピアノがあるわね」


 私の隣にいたエルダがピアノに近づいて目を輝かせていた。


「ねぇ、エルダはピアノ弾けるの?」


「うん、少しならね」


 私が何か弾いてみてってお願いしたらエルダはしばらくは考えた後、ゆっくりとピアノを弾きはじめた。とてもゆっくりとした優しい曲で不思議と心が安らぐ感じがした。いつの間にか周りの皆もエルダの音色にうっとりとした表情を浮かべていて、曲が終わった瞬間拍手が沸き起こった。


「エルダ凄いね!」


「え?…そ、そうかな…あ、あり…がとう/////」


 そう言って顔を赤くして恥ずかしそうに俯くエルダはとっても可愛かった。うん、やっぱりエルダと友達になってよかったなぁ♪










―ルイスSide―


 ルイスだ、今は昼休みで僕はシャーリーと一緒に食堂で昼食をとっている。そういえば言ってなかったがシャーリーが姉で僕が弟だ…別にどうでもいいが。


「それにしても私達は双子で見た目はそっくりなのに性格は反対よね~」


 シャーリーが突然そんなことを言ってきたので僕は溜息をつく。


「いくら双子でも全く同じなわけないだろう…」


「ええ~そうなのかなぁ…」


 シャーリーが考えていることは僕には理解できないな。何でそんなことをいきなり考えつくのか僕にはさっぱりだ。


「あら、二人とも難しい顔をしてどうしましたの?」


 いつの間にかフィアナが僕の隣に座っていた。考えごとに集中していて気がつかなかった…


「…何でもない、ただの考え事だ」


 僕はそれだけ言うと腕を組んで溜息をついた。


「ねえ、私達って双子なのに性格が反対じゃない?見た目以外で似てるところがないかなぁって…」


 シャーリーがさっきの疑問をフィアナに尋ねている。自分達にわからないことが他人にわかるわけがないじゃないか。


「あら、二人ともよく似ていますわよ?」


「え?例えば?」


 フィアナは僕達の昼食を指差した。


「これのどこが?私達は違うものを注文してるから同じところなんて…」


 確かに、僕は焼き魚にサラダとライスで、シャーリーはパンとコーンスープだけだ。


「ふふ、あなた達って甘い物が好きみたいですわね」


 そういうとフィアナはあるものが乗った二つの皿を僕達の前に差し出した。


「厨房の人から渡し忘れたから渡してきてくれと頼まれたのですわ」


「「…あっ!」」


 それを見た瞬間、僕達は同時に声をあげた。皿に乗っていたのは…大好物のプリンだった。









―リリィSide―


 やっほー!皆元気?リリィだよ!今は五、六時間目連続で薬学の授業をしてるの!この薬学は三時間目の魔法薬学と違ってちょっと危ない薬品について学習する時間なの!


 ちなみに私は今、自由時間を使って知り合いのラストお姉様から頂いた薬を使ってどうすればエルダにうまく飲ませることができるか研究してるの♪


(ラストお姉様については七つ夜&夜つ七さんの“俺の異世界物語”を読んでね!)


 うーん、やっぱりラストお姉様はすごいわね、こんな複雑な媚薬をどうやって作ったのかしら…直接聞いた方が早いかしらね…


「リリィ?何してるの?」


「ひゃあ!?な、何だエルダじゃない…どうしたの?エルダは違うチームでしょ?」


 あ、あれ?何だかエルダの目が笑ってないよ?何で!?私ばれないようにしてたのに!?


「リリィ…そんなピンクのオーラ全開なら誰でもわかるわよ?」


「……ひっ!?」


 エルダの手が肩に触れた瞬間思わず小さく悲鳴をあげてしまった。…だってエルダ怖いんだもん!


「リリィ…ちょっと『おはなし』しながら頭冷やそっか?」


「…え?まさかのダブルですか?同時にするの!?エルダ!?」


「ふふふ♪」


 そのままずるずると教室から連れ出された私がエルダに何をされたかはご想像にお任せします。





 最近暑い日が続いていますが皆さん大丈夫ですか?私も夏の暑さにも負けない作品を書き上げるために頑張りたいです!o(`▽´)o


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