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天使として…  作者: 白夜
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2-2 戦慄


 やっと学校に戻ってきました!


 エルダとリリィは現在雲一つない空を並んで飛んでいた。


「やっぱり空飛ぶのは気持ちいいね~」


 リリィは笑顔でエルダを見る。エルダも笑顔でリリィを見ると前に向き直る。


「あっ!学校が見えた!久しぶりだなぁ」


 前方に3週間前まで通っていた学校が見えてきた。エルダもフィアナやシャーリー達に会うのが待ち遠しかった。




 学校から少し離れた場所に降りると歩いて学校に向かう。ちなみに現在エルダは髪の色を元の銀色に戻しているため周りの視線を感じて少し居心地が悪い。


「…あ、フィアナだ」


 リリィの言葉にハッとなって前を見ると校門にフィアナとサイ、シャーリー、ルイスが立っているのが見えた。リリィが手を振って声を上げた。


「お~い!」


 するとフィアナがこちらを見た瞬間物凄い勢いで走ってきた。長い金髪が優雅になびく。


「エ~ル~ダ~!!」


「ひゃあ!?」


 フィアナが勢いよく抱き着いてきたのでエルダは思わず変な声を出してしまった。


「エルダ~!どこに行ってましたの!?私はもう心配で心配で……」


「く、苦しい…」


 エルダは小柄なので長身のフィアナに抱き着かれると顔が胸の辺りに埋まってしまうため息ができない。


「フィアナ…苦しい」


「…あっ…エルダ…嬉しい…ん…からって…そんなに顔を動かさなくても…」


 フィアナは顔を赤くしながらもまんざらでもないような顔をしていた。


「フィアナ!何してるのよ!エルダは私の恋人なの!離れなさいよ~!」


 そこにリリィが乱入してエルダの取り合いになった。エルダを引き離そうとするリリィと離さないようにさっきよりも強く抱きしめるフィアナ。エルダにとってはどちらに転んでもいいことはない。


「二人とも~その辺にしておきなさいよ。エルダが可哀相だよ」


 シャーリーの言葉に我に返った二人の腕の中でエルダは疲れきった表情をしていた。






「「ごめんなさい」」


 エルダの前でリリィとフィアナは頭を下げていた。あの後とりあえず教室に行こうという話になり移動したのだ。しかし移動中エルダがまったく二人に話し掛けないので二人は居心地が悪く、ついに教室に入った瞬間に二人同時にエルダに謝ったのだ。


「…はぁ、もういいわよ。私を大切に思ってくれてるのは伝わったから」


 その言葉に二人はホッとする。なんとかエルダの機嫌が直ったところでフィアナがエルダをまじまじと見つめてきた。


「エルダ…あなた髪の色が変わりましたのね…」


 フィアナとシャーリーとルイスの三人は黒髪のエルダしか知らないのだ。


「違うよ、これは元に戻したの。私はこれが地毛なの。…似合わないかな?」


「とんでもありませんわ!今のエルダの方が可愛くてよ!」


 フィアナにそう言われてエルダの顔が赤くなる。


「あ、ありがとう/////」


 リリィが隣でいいなぁと言っていたがとりあえず気にしないことにしてエルダは授業の準備に入る。


「(そういえば…私達が学校に来たのに新聞部の奴らが来ないわね……諦めたのかしら)」


 なんだか少し引っ掛かるのだがまあ、いいかと心の中で呟くと授業に集中することにした。







 そして放課後に事件は起きた。魔法演習の授業を終えて更衣室で着替えを済ませたエルダが教室に行くと黒板の前に人だかりが出来ていた。


「あ、エルダ!」


 先に戻っていたリリィがエルダの方に駆け寄ってきた。


「何かあったの?」


 リリィは小声でエルダに説明する。


「それが…新聞部が私達を捕まえて連れてきた人には豪華賞品をプレゼントっていう貼紙をしてたのよ」


 黒板に貼ってある紙がそれらしいのだがエルダは首を傾げる。


「その割には皆興味なさそうね」


「まあ賞品の中身がわからないしね」


 しかし新聞部が何をするかわからないので早目に帰ることにした二人は玄関を出て校庭に出た瞬間に数名の男子に囲まれた。


「…何か用ですか?」


 エルダがやや不機嫌そうに質問すると男子生徒達の一人が口を開いた。


「おまえらを新聞部に連れていけば賞品がもらえるらしいんでね。悪いが一緒に来てもらおうか」


「その賞品が何かしってるの?」


 リリィがその男子生徒に問い掛けるとニヤリと笑いながら頷いた。


「知ってるさ、賞品ってのは…」


「女子の着替えの様子の写真でしょ?」


 男子生徒よりもエルダが先に答えたためにエルダ以外が驚愕する。


「お、お前なんでしってるんだ?」


 エルダはふっと溜息をついて男子生徒を睨む。


「私が気づかないとでも思ったの?明日注意しに行こうと思ったんだけど…気が変わったわ」


 エルダは楽しそうに笑うと周りの男子生徒は何故か恐怖を覚えた。


「どうする?私を捕まえる?言っておくけど容赦しないわよ?」


 エルダの極上スマイルを見た男子生徒達は一斉に土下座した。


「「「「すみませんでした!!」」」」


 エルダはその笑顔のままリリィに向き直る。顔が笑っているのに目が笑っていない。あまりの恐怖にリリィは冷や汗が止まらなかった。


「リリィ、少し待っててね?ちょっと新聞部と『おはなし』してくるわ…すぐに戻るから」


 そう言うとエルダは校舎の中へと消えていった。


 その後学校にいる全ての生徒が戦慄するほどの笑い声や悲鳴が聞こえたという。


 そしてその日以降、この学校から新聞部が消えた。






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