プロローグ
どうも、白夜です。他の作品もあるので更新は遅いかもしれませんがよろしくお願いします。
世界には不幸な人が多い。
俺もその一人だ。親に捨てられて何とかアルバイトをしながら毎日をおくっていた。
余裕ができれば困った人達を手伝った。
荷物運び、私生活の世話、時には食料を配った時もあった。
俺みたいに苦しむ人間を一人でも減らすために……
ある時俺は交通事故によって死んだ。まだ19年しか生きてないのに…まぁ、悔いはないかな。やりたいことはまだあるけど。少しでも人のためになったなら本望だ。
『ほう…今の時代にはあまり見ない魂の綺麗な若者じゃな』
今俺の目の前にはいかにも神様的な老人が立っていた。
「あなたは…神様ですか?」
『うむ…いかにも、わしが神じゃ』
まさか本物の神様を見れるとは……
「俺に何か御用でしょうか?」
『うむ、実はな、おぬしは多くの人を救った。だからおぬしには我々天界の一員として第二の人生をおくってほしいのじゃ』
「第二の人生…ですか?」
『うむ、おぬし、名前は?』
「……蒼真です」
神様はうむ、と頷いた。
『では、蒼真よおぬしには別の世界の管理人になってもらう』
「…管理人ですか」
『うむ、その世界を繁栄させるのも滅ぼすのも自由じゃ。おぬしはその世界の一人の住人であり、管理人になるわけじゃ』
なかなかやり甲斐がありそうだ。
「ええ、いいですよ。ひき受けましょう」
『ほう、頼もしいな。その世界ではおぬしは最強の存在じゃ。誰もおぬしには適わん。しかも不老不死じゃ』
それはありがたいな。
「わかりました」
『その世界は魔法が存在する。おぬしは神の力を無限に使えるからまさに最強じゃ』
それから、と言って神様は剣を一本取り出した。
『これを持って行くがいい』
渡されたのは細身の曲刀で刀身は80cmくらいで美しい銀色、鍔元には羽をかたどった模様が刻まれていて金色の宝石が埋め込まれていた。
『神剣シャールインじゃ、その剣には魂が宿っておるからの。良い話し相手になるじゃろう。』
「ありがとうございます」
剣を受け取ると羽のように軽かった。
『貴方がボクのマスターですね?よろしくお願いします』
「ああ、よろしくな」
『ボクのことは“シャル”と呼んでくださって構いませんよ』
シャルを軽く振り回して感覚を確かめる。
『では、次におぬしの身体を天使に作りかえる』
「…天使ですか」
俺の身体が光に包まれていく。
光が収まるとそこには腰まである銀色の髪に青い瞳をして白いワンピースを着た美少女がいた。見た目からして14歳ほどに見える。背中には身体を包めるほど大きな白い羽もある。
『すまんの、この姿の方が力を上手く使えるのじゃ』
「まぁ、そういうことなら仕方ないですね。普段は元の姿で生活してもいいんですよね?」
『もちろんじゃ』
神様は何もない空間に手を広げると白い扉が現れた。
『では、行くがよい。おぬしの第二の人生に幸多からんことを…』
俺は扉をくぐった。さぁ、新しい人生の始まりだ!
次から主人公は段々と明るくなってきます。