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「元を辿れば私…きっと貴方からしたら不思議でしょうね?でもこれは本来であればこの国の為…『かの方の為』の先行投資だったのです。これから先、かの方を支えてくださる方の為のもの…。まぁ、貴方はダメでしたが…他の方はこの学園で沢山のことを吸収し、成長して下さいました。今後はかの方の為に、お力をお貸して下さることでしょう。」


私が微笑むとをすると、私が資金援助した方々がハッとした顔をされ、次々と頭を下げられました。



私の本当の婚約者である『かの方』は身分ではなく、本当にこの国の為になる人物を探されておりました。


ただ国からお金を出す…となると色々煩い方々がおられますので、私が自身の名前、身分を隠し将来の官僚候補達のために資金提供をすることにしたのです。



尚このお金は公爵家からではありません。

私のポケットマネーで補っております。


公爵家のお嬢様で、平民の生活や下級貴族の金銭感覚等を知らないように見えるかもしれませんが…。

実は、私は色々なお店を経営していますので…知っているのです。

平民の方の金銭感覚も、下級貴族の金銭感覚も…そして我が家の金銭感覚についても!!



まだ幼い頃、私は将来国を動かしていく立場になるといわれました。

国を動かしていく…つまりは国民の幸せの為にどうすればいいのか考えたのです。

その時に、まずは自分で店の経営をしてみてもいいかもしれないと思いたち、誕生日にお願いし始めたのが最初のお店の経営…。


小さな店の経営ができない様では、国を動かしていくことなど不可能です。

私は『かの方』の横に立ちたかった…。

だからその為にできる限りの知識を得たかったのです。


最初の小さな店ケーキ屋さんから始まり、今はレストラン、アンティークショップ、アクセサリーショップ、そして衣類や寝具に渡る多数のお店…。


まさかここまで大きな事業になるとは思っていませんでしたが、そのお陰でこうして未来の官僚候補への援助ができるようになりました。


この授業料等免除システムは事前にテストと面接があり、それに受かれば授業料や制服、教科書そして寮費や食事代まで全てが無料となります。


しかし、無料だから…と甘くみてはいけません。

このシステムは、未来の官僚候補、つまり国を支える人を育てるものなのです。



なので、このシステムを使用した者は、卒業後王宮で仕事をし国を支えることが必須となります。


それは男女関わらず、国の役にさえ立てば今までかかった費用は支払わなくてもよくなるのです。


役にさえ立てばいい…つまりは今まで無理だった事…。

そう女性でも知識や数学ができれば文官になれますし、体力や知識、実力があれば騎士になることもできます。

また男性でも、女性の姿をしてスパイ活動をすることも、女性の姿をして歌姫になることもゆるされます。

情報さえ得られれば何でもいいのです。


男性だから…女性だから…というのをかの方はまず排除したのです。

私はそれに従ったまでです。


これは本当に革命的でした…。

なので、未だに文句を言っている方もおられす。


しかし、過去ではなく未来を私たちは生きるべきだと思うのです。

良き未来のために王族として…既存としてどうあるべきかを考えるべき時がきたのです。


なお、このシステムを導入してから城で働く人達に笑顔が増えように感じます。

きっとそれは、自分が本当にしたかった仕事ができるようになったから…。

性別のせいで出来なかった事ができるようになったから…。

性別ではなく、自身の能力で勝ち取った地位…それはきっと国から報奨を受けるより嬉しいですよね?


好きな仕事をして例えばそれが国に認められ、報奨が貰えるとなると…。

うん。

使える時は必ず救護班を常に待機させならない気がしてきましたね…。

救護班には申し訳ないですが…給料をその分は臨時勤務とて給料を支払うように伝えておきましょう。

うん。

そうしましょう。



私が平常心を取り戻し、少し息を整えます。




え?


あぁ、国の役に立たない人ですか?

勿論多少なりともいますよ。

面接やテストが終われば全て無料と浮かれている方達が…。




そんな人は強制で鉱山送りで賃金回収させて頂いてますよ?

無駄に高い食事を選んで食べて、全て無料だと楽しく呑気に過ごす為に作ったシステムではありませんからね…。

まぁ…そのような方は1年目で脱落していくので使ったお金の回収は大体、5年程度で済みますよ?

5年後?

そんなのはご自身でお考えくださいませ。

世の中そんなに甘くないのですから…。


私、無駄にお金を使わせませんわ。

これまでも…そしてこれからもね?



ここまで上手く運営できているので今後も続けたいのですが…私には新しく難しい仕事が任されます。



なので、今後はこの事業を誰かに受け継いで頂かなければなりませんね…。


そう言えば…今年卒業の彼女なら…って…


あら?


色々考えていたらバレスさんの存在を忘れてしまっていましたわ!


失礼致しました。


で?

何の話をしていましたかしら?


あぁ、バレスさんの寮費等についてですね!


バレスさんが廃嫡されるまでは、かの方の願いをきいて一応支援させていただいておりました。

そして私がバレスさんを注意し、かの方を支えられるようになるように助ける予定でしたが…私の力では無理でした…。

力及ばす…。

申し訳ない思いでいっぱいです。


尚、廃嫡されてしまった今は支援は打ち切るように言われております。


バレスさんは確かに一応王族ではありましたが、国王陛下ならびに王妃様が早々に…学園に入る前に廃嫡しようと早々にバレスさんについて諦められた。

つまり、本来であれば学園に入ることさえできなかったのです。


バレスさんが心を入れ替えるかもしれないと『かの方』がおっしゃった為3ヶ月前までは続いていた支援…。


まぁ、最後の砦である『かの方』も制御不能と1年前に諦められましたけれどね…。


そして粛々と進められた廃嫡準備からの廃嫡。


廃嫡されるまでは王子費として多少なりともお金が支給されますが、それも3ヶ月前に止まっております。


学園には関係者以外入れないため、ツケ払いの請求について今まで気づかなかったのでしょう…。



いえ…嘘です。



少しでも卒業パーティーを楽しみたくて、お店の方々には少しお金を渡して待っていただいておりました。


明日から?


知りませんよ?


色んな店から請求がくるでしょうね~?


どうぞお2人で借金を返していってくださいませ。


この3ヶ月で膨れ上がった借金を彼女は一緒に受け入れて返済してくださるのかしら?


あら、つい悪い笑みを浮かべそうになってしまいましたわ。


私は再び扇子を口元まで戻し、口元を隠します。


自由にしていいと言われたのをいい事に、ちょっと遊びすぎたかしら?


その点は反省ね…。


私が1人で反省会をひらいていると、バレスさんが、


「俺は王太子だそ!?お前にお金を借りてなどいない!その無礼な女をさっさとこの場から排除しろ!」


叫びました。


何度と伝えたのに…貴方はもう王子ではないと…。

王子でない貴方が王太子のはずがないのに…。


私がため息をついた時でした。



「何故、私の未来の奥さんが追い出されないといけないんだい?」



私の肩を抱くように『かの方』が、低音かつ透き通った声で発言し、姿を現れたのは…。

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