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「え…話ですか?何の話を…」
バレスさんの顔色はもう蒼白です。
このような状態になる前に気づいていれば良かったのに…。
「3年前、私が外遊に出る時に家族で話し合いをしただろう?3年間私は外遊で不在となるが、3年後…シアの卒業と共に私アルディオス・フォン・ユーストピアは結婚をすると。そしてその後は王太子としてこの国をシアと共により良い国にしていくつもりだと。あの時…お前は何を聞いていたんだ?私は継承権を放棄していないし、私がこの国の王太子であり、シアは私の婚約者だ。一応王族であるお前に注意をするのは他の生徒では難しいだろうからシアに頼んでいただけだ。まぁ、もうお前は王族ではないがな。さて、バレス。明日からどこに住むつもりだ?寮が使えるのも今日までだ。何故かってお金が払えないんだからな?お前…まさか城に戻れるなんて思ってないよな?」
アル様(アル様が私をシアと呼ぶように、私も愛称で呼んでおります)の話を聞き、バレスさんは震え始めました。
「あ、兄上?今までの事を謝りますから…そ、その…。」
「謝れば全て許されると?はっ、ありえない。もう廃嫡は決定している。廃嫡された人間を何故城に住ませてやらんとならんのだ?王族は、民の見本にならなければならない存在だ。これ程の醜態を晒しておいて戻れるはずがないだろう?廃嫡はもう覆すことができない。借金だらけのお前は家も買えんだろうな。まぁ、そこの男爵令嬢の所にでも行けばいいんではないか?愛し合っているなら大丈夫だろ?良かったな!愛がある結婚ができるぞ!」
アル様が悪い笑みを浮かべられた時でした。
「待ってください!!何でバレス様が廃嫡なんですか?それでも家族ですか?いえ、家族ではないんでしょう!?バレス様は王太子になる方です!そして私は王太子妃になるんです!!なのに何?急に現れてバレス様を悪くいうなんて…。バレス様は王族です!何故我が家に住むことになるんですか!?王族なんですからもっと煌びやかで素敵な所に住むべきなんです!勿論私も!!」
……………え?
この発言に会場の皆様も固まりました。
この男爵令嬢さん話を聞いていなかったんですかね?
今しっかりと説明されましたよね?
バレスさんと一緒に口をパクパクさせたり、「は?」言われたりしてましたよね?
…………ん?
記憶から消されたのかしら?
つまりこれは、最初からまた説明しなければならない感じですか?
………それにしても最初からずっと違和感があったんですが…。
………こんな時に言うことではないかもしれませんが…。
何故男爵令嬢さんもバレスさんも何故卒業できると思ってるんですかね?
お二人共…留年ですよ?
この前説明されましたよね?
何故卒業する方達と同じように着飾ってこの場におられるんですかね?
お二人は在校生になるので制服で参加しなければならないのに…。
バレスさんは、寮費が払えない為退寮ですけどね?
何処から通うのでしょうか?
あ…でも学費も払えなくなりますね…。
という事は、実質退学ですね…。
男爵令嬢さんのお家はどうお考えなのか知りませんけど…。
もしかして…その事も再度説明しなければならない感じですか?
誰かこの2人を引き取ってください!!




